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Katana ZERO - クリア後の感想(ネタバレあり)ゲームうまくなくて良かった

ファーストインプレッション記事

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 Steamのプレイ時間カウントで7時間でクリアしました。あんまりアクションゲームうまくないのですが、モチベーションが高いまま、クリアすることができました。このゲーム難しいと思っていたんですが、ゲームうまい人にとっては、あんまり難しくない上に、演出上の意図を誤解してしまう可能性もありそうです。

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あくまで僕の感想ですが、ストーリーはともかく、ゲームプレイは未完成とは思いませんでした。リンクのレビューを非難する意図は全くないです。むしろ、ライターさんのファンだし。

ゲームがうまいとおそらく初見か早い段階で、ステージをクリアしてしまうのでしょう。僕は下手くそなので、ワンシーンをそれこそ何十回とシュミュレーションした上でクリアしています。

たとえば、ドラゴンの前後にショットガンとマシンガンを構えたギャング、マシンガンの背後に盾を構えた汚職警官がいるシチュエーションがあるとします。僕はスローの特殊能力をつかっても何度も死にます。最初に誰を斬るか。一人を殺すと、背後から撃たれ。試行錯誤していくうちに最適な順番を見出します。それでも能力を使い切りミスを繰り返します。そうしているうちに、タイミングが自分の無意識に刷り込まれていきます。まずショットガンは対処が難しいので、一番最初に斬ります。背後に振り向いてカタナを一閃。マシンガンの弾を弾いて倒すと同時に前転して盾持ちの背後に回って斬る。この二秒に満たない瞬間を、能力なしに、クリアして抜けれる自分がいることに気づきます。すごく気持ちいいです。達人になれた気になります。

こういうミスを繰り返してしまうゲームって、僕のようなヘタレゲーマーにはモチベーションを保つのが難しく、途中で投げてしまう、無気力なプレイに陥ることが多いのですが、「ゲームプレイはあくまでシミュレーションの世界」というこのゲームの設定のおかげか、これだけ失敗しても現実世界では全然時間が経過していない、と思えてゲームを投げる気持ちにはなりませんでした。

ゲーム終盤にドラゴンと同じ予知能力を持つボスが出てきますが、シュミレーションの世界で殺したのに、現実では殺せないという演出がかっこよかったです。真に実力が拮抗している同士の戦いの決着は一瞬、ゆえに一歩も動けないという少年マンガにありがちな展開を見ているかのよう。ラストバトルでは、相手が予知能力者ゆえか、初手は常に先手をとり、攻撃パターンがランダムなのは演出だったのでは。

途中、ドラゴンゼロからドラゴンフィフティーンにプレイアブルキャラが変更されます。ゼロの上位互換の強力な能力を持つのですが、下手くそには強力な半面、使い所をミスすると窮地になる能力なので、そこが良かったです。

 

このゲームのシナリオは確かに完成していません。

すべての会話パターンを見たわけではないので、見逃しもあると思います。

伏線もかなりあります。Vとユキのボスはだれか。フィフティーンの目的は。Vは死んだのか。NULLはどうして科学者と機械を破壊したのか。仮面の男はなんなのか。少女の正体は。

でも、続く……と表示されて、怒りは湧きませんでした。続きが気になる~って思いましたが、推測するのも面白いというか。

 

以下、とりとめない推測です。

戦争は、ニューメッカという名前からなんとなく聖地をめぐる宗教戦争的なイメージをしました。子供を殺そうとしたところから民族浄化的な戦争だったのでは。NULL部隊が博士と機械を破壊したのは、おそらくNULLに対抗する新兵器が開発されていた(ゼロが東洋人風で、ナンバーゼロなのをみると、クロノスの開発はそちら側からだったのかも)からで、それを破壊しようとしたのでは。

ちなみにNULLってのは、1 (法律上)無効の. 2 価値のない. 3 ゼロの、という意味があり、全部の意味がこの特殊部隊に関係ありそうです。法律上無効というのは、非人道的な研究から生み出された兵士が超法規的作戦を遂行する部隊であることが関係していそう。価値のないというのは、クスリが切れると死んでしまういわば使い捨ての兵士という意味。ゼロのというのは、主人公ゼロの誕生によって生み出された部隊であることが示唆されていそうです。

ドラゴンというコードネームですが、超強い暗殺者であるという意味と、西洋における邪悪な怪物、聖人や勇者によって討伐される存在である、という意味もありそうです。フィフティーンの俺がドラゴンだ、というセリフで気付かされ、しびれました。実際、ゼロはクロノスに関係するドラゴン達を討伐する者だったのです。毒を持って毒を征する。ゼロの暗殺指示書もあったことからも、政府側のNULLはまだ居るようです。

クロノスというクスリの由来は、時間を神格化したクロノスからでしょう。同名のゼウスの父親とは別の神らしい。こっちは農耕神で、全然別。知らなかった。製造が終わって、数が限られているため、同じ目的でも共闘できず奪い合わなければいけない、というのも熱い展開ですね。

ゼロ、フィフティーンなど、NULL部隊の関係者は数字のコードネームを持ちます。くノ一のユキはワンなのでしょうか? Vはファイブ? VはNULLに憧れがあったからそう名乗っているのか?

ゼロの悪夢が、彼の失った過去であることはなんとなく想像つきましたが、まさか襲撃者が彼だったとは。戦時と年齢層が合わないと酒場北斗百裂拳で客が言っていましたが、この伏線だったんですねー。NULLは未成年でも兵士として使っていたと言う意味かな。

記憶喪失のゼロとプレイヤーとのシンクロ率が良かったです。

少女の正体について、ぬいぐるみのベヘモスとリヴァイアサンのことから考えて、棚の下に隠れた少年(に見えた)がそうなんでしょうかね? ……となるとゼロは博士の仇。次回作でのドラマに期待です。

仮面の男たちは、なんとなく舞台の機械仕掛けの神を連想しますが、一般のキャラクターも認識していましたし、超常的な存在ではなさそう。少女も怯えている描写がありましたが、一体……。

 

演出、ゲームプレイ、シナリオが三位一体となった傑作と思いました。

隠し要素もあるようです。

次回作があれば、絶対プレイしたいです。

 

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