昨日からワンフェス戦利品レビューを始めるつもりでしたが、ジェラシック・ワールドをレイトショーで見ることになり予定変更になりました。
映画を見終わって、これはレビューというか注意喚起しなくては! という使命感に駆られ、玩具のレビューは明日からになりそうです。
これからジュラシック・ワールドを見る人で、過去作のジュラシック・パークの大ファンではない人は、これだけは知っておいてください。
この映画は、頭でっかちのままでは楽しめない映画だと思います。
恐竜に憧れを抱いた純真無垢な少年の心に戻るのです。
それだけで、この映画の評価は一変すると思います。
そもそも、ジュラシック・パークの恐竜観って古いんですよ。
一番最初が公開されたのって1990年ですよ。
当時は、琥珀の中の恐竜のDNAから現代に復元するという設定にリアリティを感じたかもしれません。ですが、今では恐竜の肌には羽毛が生えていたって言うし、トリケラトプスなんていないっていうし、ティラノサウルスは走れなかったっていうんですもの……頭からこの映画はフィクション、パラレルワールドなんだ、って思って楽しまないと、古臭い脚本、辻褄の合わなさ、ご都合主義にイライラしてしまいます。
最初からそのことに気づいていれば……と思わずにいられません!
それさえ念頭に置いておけば、最後までハラハラする良い映画だと思います。
以下ネタバレありますので、ここで一旦切ります。
◯危機管理能力が欠如しすぎ
僕は最初のジュラシック・パークしか見ていないのですが、結構シリーズ続いてますよね。
想像なんですが、毎回こんな感じなのでは、と思います。
実際の恐竜を見世物にするテーマパークで、恐竜が人間の管理下から逃れ、人間に牙を剥く! という感じなのではないのでしょうか。
今回も同じです。
それもお粗末すぎる人的ミスで、恐竜を逃してしまいます。
過去に同様のトラブルがあったにも関わらず、非常事態時の対応がお粗末すぎる。
何度も何度も未然に防げたにも関わらず、運命に導かれるかのように恐竜が逃げてしまいます。
◯ってかお前のせいだろ
恐竜を逃した直接の原因を作ったのは主人公の男です。
この男は、恐竜の調教師で専門家風なんですが、熱源探知に写らないだけで、何故かどんな能力をもっているのか不明の恐竜の檻の中に入っていきます。
その恐竜には現在位置を知らせるためのセンサーが埋め込められているのに……おいおい。
案の定、恐竜は、熱源探知に引っかからないように隠れていたので、檻から逃げ出してしまいます。
失態男は言います。
「お前ら、自分がどういう恐竜を作ったのか理解してるのか!?」
罪のなすりつけです。
◯無能、無能、無能のオンパレード
ヒロインはテーマパークの管理責任者です。
前述のとおり、指示は後手後手、このテーマパークの危機管理手順は、トラブルは起きない前提で作られているとしか思えません。どっかの電力会社みたいですね。
彼女の甥っ子が登場しますが、兄は発情期で女の子の姿を見るばかり、挙句、弟を危機的状況に陥れ、その過程で付き添いに駆り出された女性を犠牲にしてしまいますが、大したこともしていないのに、一回り成長した風な感じになり、お咎め無しです。
弟は恐竜博士的な感じなので、その知識を活かして凄い活躍するのかと思いきや、特に活躍しません。兄弟にする必要あったのかな?
他にも様々な無能達がズレた行動をして、僕達をハラハラドキドキ(あるいはイライラ)させてくれます。
◯優しい世界
無能達の凡ミスで阿鼻叫喚の地獄絵図になりますが、どうやら昔良い感じだったっぽい主人公とヒロインは、こんな状況でイチャイチャします。お前らのせいで死んだ人たち、その遺族はどう思っているのでしょうか。この事態が収束したあとの事を考えているのでしょうか。
ヒロインの甥っ子たちについても、絶体絶命のピンチに陥れた兄貴に弟は、どんだけ甘いのか。俺なら恐竜の餌にするね。
でも、気がついたんです。
あれだけ犠牲者をだしたテーマパークが何度も開店できるんですもの……そう、ここは地球とは別の、優しい世界なんだと。
そんな風に途中まで、この映画はなんなの? ギャグなの? と思っていたのですが、冒頭のとおり、この映画にリアリティを求めちゃいけないんだ、と気がついてから、やっと冷静に楽しむことができるようになりました。
ここはテーマパーク、夢の国の出来事なんですよ。
◯まとめ
ラストバトルが特に素晴らしかったですね。
天然恐竜VS人工物恐竜っていう背後関係も良かったですし、そこに人間が加わって三つ巴になる感じも、手に汗握って良かったです。
貶した評価をしているようですが、楽しみ方に気が付かないと、損をしちゃうぞ、というレビューでした。
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