smogbom

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CONTROL / ゲームをスムーズに楽しむためのストーリー背景解説と考察

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※解説のため、最初のコントロールポイントまでのネタバレになります。気にならない人、すでにプレイした人向けの記事になります。

海外発売から半年遅れで、日本語を収録したPS4版が発売した超常現象スリラーTPSゲーム「CONTROL」。レイトレーシングが試したくて、PC版を購入しましたが、未だに日本語がアンロックされません。

追記:アップロードによりPC版もアンロックされました。

smoglog.hatenablog.com

 

炎上しているのは、日本語自体はすでに収録されているのに、公式には選択できないんです。海外発売から半年も日本語が遅れているのは、ローカライズのクオリティアップのためらしいんですけど、非公式の方法でアンロックしている人もいて、それとPS4版の実況動画を見比べてみましたが、翻訳の質はあまり変わりませんでした。それで、自分も非公式の方法で日本語をアンロックして進めました。アンロックは、非公式の方法なので、自己責任でお願いします。

参照‐PC版CONTROLの日本語字幕設定(非推奨) : ゲーム実況者ZENの日常

 

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このゲームは、シナリオ・演出共に謎めいていて難解な上、ローカライズの質が悪いので、余計話が頭に入ってきません。文脈の前後が通じないセリフ、男性が急に女性言葉を話す、字幕の切り替えが早すぎて読みきれない、「走ったらスティック押し込みでダッシュ」って、「移動中スティック押し込みでダッシュ」が正しいでしょ……。ゲーム遊んだことあるのかな? ローカライズのクオリティアップのためとはなんだったのか。せっかく良いゲームなのにもったいないです。ちょっと日本のパブリッシャーに不信感でてきますね。安い報酬でローカライズ発注したのかな? 発売元が開発にどれくらい口出しできるかわかりませんけど、自社の名前で発売する以上、クオリティチェックはしてるものと思いますよ。

2本の動画視聴と英語版と日本語版ゲームプレイ都合、冒頭の三十分から一時間を4回繰り返し、日本語アンロックの情報を追いかけて、迷訳情報を収集しましたので、流石にストーリーの整頓もできました。

ゲームプレイは楽しいのに、話が謎すぎてよくわからん! という方に向けストーリー背景をまとめました。

 


主人公の目的

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主人公ジェシー・フェイデンは、超能力を持つ赤髪の女性。17年前に突如失踪した弟を探しています。彼女には、テレパシーを通じてやり取りする謎の協力者「あなた」がいます。過去に何度も「あなた」の情報から弟の捜索をしますが、これまでは空振りに終わっています。しかし、有力な情報は「あなた」からしかもたらされないため、何度も失望と希望の感情を味わってきました。
「あなた」が、何者なのか、どうして都合よく情報を入手できるのか、それは物語の核心に迫る謎と言えそうです。

今回も「あなた」より弟の情報がリークされました。それは、17年前の失踪が、連邦操作局(FBC=連邦捜査局FBIのもじりか)による誘拐だったと言うのです。連邦操作局とは、政府の非公式組織で、パワーオブジェクトと呼ばれる社会を混乱させる超常的存在を秘密裏に研究・管理・活用する組織です。つまり、弟は超能力者の姉ジェシー以上の危険な存在であることも示唆されます。
ジェシーは「あなた」の手引きにより、情報操作局内部に局員として採用試験を受け潜入を試みます。

 

ポスターの話

ここで突然ジェシーの過去の独白が挿入されます。何を言い出すのだ、電波女? と軽く流してしまっても良いかもしれません。これは、どうやら翻訳が良くないようで、人々が認識している世界を概念化した例え話らしいです。仏教用語における、正しい意味での世界観を語っています。私たちとは、特定人物ではなく人間たち、と言う意味みたい。つまり、我々の世界というのは閉じた世界で、思ってもいないところから違う世界が通じているんだよ、という例え話です。


しかし、ここで言う「私たち」とは、ジェシーとその弟と仮定することで、独房のような部屋と言う言葉から、恵まれた家庭環境では無かったこと、肉親である弟が彼女にとってかけがえの無い存在であると考察しても良いかもしれません。また、ポスターの裏側の話は、異世界の存在を幼少時代より知覚していたことが連想できます。独房のような閉鎖した連邦操作局で、異次元より侵略する存在と、これから起こる事が暗示されていると取ることができます。


局長室へ

ジェシーが連邦操作局に着くと、エントランスは無人でした。先に進むと、誇大妄想狂の掃除係が居ます。おそらく物語の最重要人物と思われますがここはヤバイヤツ居るな……下手に触れないでおこう……とスルーし、エレベーターで局長室へ向かいます。

 

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局長室の扉の前で銃声がして、中に入ると局長が血まみれで倒れています。傍らには一丁の拳銃があり、状況的にはこめかみを撃ち抜いての自殺のように見えます。「あなた」はジェシーに、この銃を手に取れと指示します。殺人犯に疑われる可能性があるのに? 部屋の外にはなにやら不穏な気配がして、立ち去ることもできません。渋々指示に従うと、銃が突然喋りだします。


そして、ボードと言う、逆さピラミッドのような存在とコンタクトします。

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この銃は、実はサービスウェポンというパワーオブジェクトでした。代々の捜査局局長が所持してきた物であり、生命を宿しています。伝説の剣のように所持者を選定し、相応しくない者の命を奪います。

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ジェシーは選定の儀式となるチュートリアルミッションを受けるため、異空間に飛ばされます。

 

無事、ミッションに成功し、サービスウェポンの所持者となります。この時に彼女は新しい連邦操作局局長となったのです。
オールデスト・ハウス(連邦操作局の建物、ゲームの舞台)では、スマートフォンなど、スマートと冠される物体の持込が許可されていません。知性ある(スマート)銃が、局長の特別権限を象徴するのか、それとも規格外の存在なのか? ※サービスウェポンのことをスマートウェポンと間違って表記してました・汗。

 

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戦慄すべき可能性が、ここに示されました。
連邦操作局は人間がパワーオブジェクトを管理する組織ではなく、パワーオブジェクト(またはその上位存在)が、人間を操作して、派閥の違うパワーオブジェクトを管理しているのかもしれません。

旧局長のトレントは、このあと起こる異常事態収拾の能力なしとボードに判断され、局長の座を死によって降ろされた。そして、ジェシーが選ばれたとも考えられます。
また、ボードと接触するまで導いた「あなた」も疑わしい。ボードと「あなた」はなんらかのつながりがありそうです。もしかすると、弟の失踪も最初から仕組まれていたのではないでしょうか?


敵の存在

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局長室から出ると、異世界よりの侵略者ヒスがジェシーに取り憑こうとします。

しかし、「あなた」が守ってくれます。とりあえず、「あなた」は味方のようです。目的のために利用されているのかもしれませんが……。

 

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この段階で、サービスウェポン=ボード、「あなた」、旧局長トレンチの残留思念の3つが、ジェシーにとりついていて、それぞれが支離滅裂に話しかけるので、かなり混乱した様相になっています。

ジェシーは、オールデスト・ハウスに起こった異変を収拾して、無事に弟を救い出すことができるのか? これがゲームのあらましとなります。

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ゲームプレイそのものは面白い

ローカライズに難がありますが、ゲーム自体は面白いです。操作感はスムーズです。難易度は高めで、リトライはロード長め、結構前まで進行がリセットされてしまいますが、超能力アクションはド派手で、物理演算によってバキバキに破壊されるオブジェクトがすごい。

ストーリーについて、共同創作サイトのSPC財団を連想するとの声が多いですが、オカルト、超常現象、都市伝説や怪異、陰謀論などが好きなら、ぴったりのゲームだと思います。

本当にローカライズで損をしているゲームだと思います。残念だ。PC版だと、有志翻訳でワンチャンあるかもしれませんね。

未確認情報ながら、ローカライズ担当した会社は、業界でも有名な残念翻訳の会社みたいです。もったいないよ、本当。

 

 

クリアしました! ネタバレありの感想と考察

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