今週のお題「生活の知恵」
革靴にハマってます。でも値段高いので中古靴です。貧乏人の生活の知恵です……と無理やり今週のお題にからめて、読者流入を企む。
今回手に入れたのは、ハンドメイドシューズブランド「SUGINARI MORIMOTO」の短靴です。履き皺が独創的なのと、トゥに小キズがあるので、着用頻度の割にお値打ちで入手しました。
参照‐https://www.instagram.com/suginarimorimoto_official/
神戸で2019年にスタートして、年間100足程度をデザイナーご自身が制作されているそうなので、今んところ世に500足程度しかないってことかな。なんかくすぐられるぜ……。
ブランドコンセプトは、「普遍的なデザインを追求し、素朴でありながら品があること。動物の生きた証である革に敬意を表し、手で革の感覚を感じ取って、素材の持つ魅力を最大限に引き出すこと。そして、全ての工程を人の手によって行うことで、足に寄り添う靴を表現している」 とのこと。
日本のアルチザン・シューメイカーの代表格みたいな紹介もされているようです。
アルチザンブランドというと、ポールハーデンとかクリスチャンポエルみたいな? 世捨て人みたいな感じでマーケティングなどにお金をかけず、気の狂ったような特殊加工や技術で服を作るブランド(にわか知識)。ちょっと一般人お断り的なイメージありますけど、スギナリモリモトは、もう少し親しみやすい感じに個人的には思いました。
ブランドコンセプトに、普遍的なデザインとありますし、100年前の農夫みたいな格好や、バチバチの退廃的イメージの服で固めなくても、超カジュアルに振らなければ履けるでしょう! たぶん。
ルック見ると、アルチザンブランド合わせるのが王道なのかもしれませんけど……。
付属品。
革製のシューホーンが付いていました。
ワックスペーパーの封筒に、取り扱いや修理案内の紙が入ってました。
デザインは、外羽根のプレーントゥで、つま先の形はラウンドしたスクウェアトゥ。
色は、箱にはブラックと書いてましたが、どう見てもブラウン。
いろんなサイトで確認しましたが、これでブラックみたいです。
サイズは41で、普通だと26センチくらいなんですが、ハーフサイズ大きめに作られているようですね。フィッティングは少し大きいけど、許容範囲内かな。
革はシボ感のある、すこしふわふわした柔らかい質感。バケッタレザーだそうです。植物タンニン鞣しなので、エイジングが早いみたいです。
樽熟成されたウィスキーのような酩酊感のある、すごく深い革の匂いがします(中古靴の匂いを嗅ぐ変態である)。
つま先に傷がありますが、遠目だとあまり気にならないし、自分がつけた傷じゃないので、これで気にせずガシガシ履けるわい、と思ってます。
陽に当たると、爪先の色が抜けて、シボ部分の色が残った部分とコントラストが出てキレイです。
とりあえず最初に靴磨きしてみます。
左右で全然皺の入り方が違います。
前オーナー、サイズ選びミスってしまったのかな? それで爪先を傷つけてしまって、嫌になって手放した?
靴の作り的に、屈曲部に革の余りがあり皺が大きくできるデザインなので、新品で買う場合は、皺付けの儀式をするのが無難かもしれません。ま、自分には新品は縁ないけど。
靴クリームはバーガンディが使われていたようです。
自分は靴クリームをたくさん持ちたくないので、ナチュラルでメンテしていきます。
ピカピカだぜ。
木型からトゥが反ったものを採用しているようで、自然と歩きやすく作られているようです。クラシカルなイメージも感じられますね。
こういう反りが特徴なので、シューツリーは入れないほうがよさそう。
自分はシューツリーは効果微妙・見た目だけ派(効果微妙なものにお金かけたくない)ですが……。
コバの仕上げが特徴的で、サンドペーパーをかけずにノミで荒々しい表情をしており、ワックスもポロポロと剥離していきます。
この仕上げが悪目立ちするんじゃないか? と最初は思ってましたが、意外とそこまで気にならなかったです。
自分はノルウィージャン製法とか、ソール付近にディテールがある靴が好きみたいだ。
シボ革の表情。
縫製箇所が最小限になっているミニマルデザインがカッコいいです。
ヒールに縫い目がないのがめちゃくちゃセクシー!!!
動物の生きた証である革に敬意すとブランドコンセプトにあるように、傷や痣などはそのままになってます。
ひとつ注意点としては、紳士靴ってそういうものなのか、かなり凹みやすい繊細な革に感じました。
嬉しくなって、ブラシかけゴシゴシしてたら、すげー凹んだ……。
お湯でスプーン温めて、やさしく擦って、復元を試みた……。
遠目にはわからない感じ……。
不器用なので、何度もブラシの持ち手を当ててしまいます。
マルモラーダの登山靴では、当てても全然凹まなかったんですが。
ブラシが良くない、と気が付き、長いブラシを購入。
大きいブラシは、一気に磨けるのがメリットではなくて、ブラシがヒットしないのが最大のメリットですよ!!
製法はブラックラピッド製法+ウッドネイル製法
堅牢で修理しやすいが足馴染みにやや難ありのグッドイヤーウェルト式と、耐久性・修理しにくいが、屈曲性がよく足馴染みのよいマッケイ式を掛け合わせたような製法です。
参照‐グッドイヤーウェルト製法とブラックラピド製法の違いと比較、見分け方 | 靴専門通販サイト【靴のパラダイス】
実際履いてみて、めちゃくちゃ歩きやすかったです。
製法のほかにも中底の硬さも影響していると思いますが、足裏と一体になったかのような返りの良さです。ってか、グッドイヤーのリブテープって布のくせにそんなに硬いもんなんでしょうか。グッドイヤー製法でも、リブテープをなくしたダイレクトウェルト製法が、最近話題ですね。
ウエスト部分はウッドネイル製法という、とても古い製法が使われています。
コバの張り出しがウエストで絞られていて、すっきりした雰囲気。
最後に着画。
実は買ったのが9月なので、薄手のパンツと合わせてます。
チノパン。
皺あり、シボ感ありなどの生地に表情のあるパンツと合わせたほうがいいのかな?
ソールのコバ部分、そこまで自己主張ないです。
細いズボン。
捨て寸が多く、爪先が出てるので、太いパンツのほうが合うかな? と思ってましたが、個人的にそこまで違和感感じませんでした。
デニム? シャンブレー? パンツ。
カジュアルなパンツと合わせるとどうか?
ロールアップしなきゃ問題ないか?
個人的には違和感ないけど……どうなんだろ。
さすがにスウェットパンツは駄目だろうけど。