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ヴェノム:ザ・ラストダンス感想 ‐ 最悪(のシナリオ)の最後

30年前に書かれた脚本という感じです。

これ、マジでお金とっていいレベルじゃないだろ。

監督が脚本書いてるようですが、他に頼んだほうが良いよ。

 


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先日、ヴェノムの2作目を見て、これはもう苦笑いしか浮かべられない、という映画の薄っぺらさに酷評してしまいましたが、ラストと銘打った新作を見てきました。

 

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良くなった点もありますよ。

映像は前二作目のTVかな? と錯覚するようなB級感はなくなり、他マーベル作品と並べても遜色ない感じに近づいたように思います。

ラストバトルもなかなか迫力ありました(もちろん、内容には不満がある)。

 

なんかね、シナリオが絶望的に酷い出来なんですよ。

友人が昔のアニメみたいと言っていたんですが、それに倣うと、ドラゴンボールで漫画原作が週間連載にアニメ内容が追いついて、気を溜める演出で尺稼ぎも限界、アニメ側が時間稼ぎのために作ったオリジナルストーリーという感じで、設定・内容で元あるヴェノムの魅力が失われてしまってます。

以下ネタバレを含みます。脚本に価値がないので、特にネタバレ聞いてもダメージないと思います。

冒頭、別次元にいる今回のヴィランであるヌル(たぶんプログラミング言語やデータベースにおいて、変数やデータが何も含まれない状態って言葉からとられてる?)が登場。これ、まじで馬鹿馬鹿しいんですが、開始3分で自分の凶悪さ・目的・手段などが親切丁寧にヌル様自ら、観客に向かってご説明いただけます。

その尖兵となるカニと蜘蛛と粉砕機のキメラみたいなクリーチャーは「シャーシャー」 言うだけなんで、完全に観客に向けた前説みたいなシュールな場面です。

もうね、白目向いてしまって、学校行って脚本の書き方学びなよ? とこの瞬間、映画の酷さが理解できてしまいました。

 

で、マルチバースに飛ばされていたエディとヴェノムが、おそらくヌルの送った刺客ゼノファージの次元移動と連動したのか、元次元に戻ります。

前作のカーネイジの続きで、場所はメキシコ。ふらふら歩いていると悪人の波動を感じ(ヴェノムは脳みそとチョコレートを食べる)向かいます。そこはマフィア達に闘犬が飼われています。マフィア達を返り討ち。頭部をムシャムシャします。闘犬達は、檻から開放しただけで、あとは知らんぷり。

まじで酷いよね。最後まで面倒みろよ。前作まで出てきたニワトリたちも捨てただろ、こいつら……。西洋的な身勝手な善悪二元論が透けてみえて、非常にイライラしました。闘犬だって現地の大事な文化の一つだろ。自分たちが勝手に正義を気取るなよ。

 

そのあと、ヴェノム達は、前2作に登場した警官マリガンの死に関与しているということで追われていることを知ります。ニューヨークの人に借りがあるらしく、そいつを強請りに自由の女神を目的地に定めます。

 

ニューヨークに向かう飛行機に捕まっていると、ヌルの仕向けたゼノファージが襲来。どうやらシンビオートに寄生された状態で一度死ぬと、ヌルを封印した次元の扉を開くコーデックスという器官が生成されるそう。ゼノファージは、ヴェノム完全体状態になったとき、そのコーデックスが発生する波動を感知できます。

ヴェノム達シンビオートとゼノファージは、ヌルに生み出された存在であり、シンビオートはヌルを裏切って封印したらしい。

うーん……なんでそんな大事な鍵が、寄生主が死ぬと生成されるんだろう……。ご都合すぎん???

 

ゼノファージ、さっきまで眼の前で信号発していたコーデックスを、変身が解けるとすぐ見失うので、たぶん頭が悪い。簡単に出し抜くことができます。ただ、粉々になっても復活するので、戦いが泥仕合化して、全然おもしろくない。意思疎通がないので、ヴィランとのドラマがない。30年前のパニック映画という感じで面白くない敵です。そんな刺客に恐れて、ヴェノムという凶悪なヒーロー像が、実は軟弱な逃亡者だったというがっかり感。

 

エディ達は、シンビオートを研究するエリア51の地下の秘密機関にも追われるんですけど、こいつらも頭悪い連中で、シンビオートを投与され復活した警官マリガンの警告を鵜呑みにして、ヴェノムを捕えてエディを抹殺しようとする。

で、エディに返り討ちにされて、自分が最初に殺そうとしたくせに「3人も殺された!」 と被害者ヅラする。

特殊部隊出身のくせに、ヴェノムが分離した状態のエディに殺されるって、どんな特殊部隊やねん……。

 

さっき闘犬を助けたくせに、他人の馬を盗み、スーツを盗み、スロットを破壊し……俺達は悪人さ、というセリフがあって、この脚本書いたやつの倫理観めちゃくちゃじゃんか……。

カジノで偶然の再会、サブタイトル回収のダンス。何が面白い? 完全に滑ってますよ!!!

 

二重の追走劇の果て、エリア51に別々に捉えられるエディとヴェノム。そこで刑事マリガンと同化したシンビオートは、他のシンビオートと共にコーデックスを守れ、と言います。

さっき、隊長と研究者たちに、「ヴェノムやばいで、コーデックス消さんと、やべーヤツ来るで!」 って警告してたやんか!!!!! それでエディは殺されそうになってたんやぞ!! こいつなんなん!!! マジ意味不明!!!  普通にヴェノムを連れてきてって言えばええやん!!!

 

その後、ゼノファージに強襲される地下施設。次々に殺される研究員や隊員が、シンビオートに寄生され、色とりどりのヴェノムと共闘していきます。このシーンは見応えあり、圧巻でした。

 

隊長の腹が刺され、トドメにゼノファージを取り込んだヴェノムがエディと分離して、酸? 科学物質をぶっかけ、お涙頂戴お別れのシーン。

自分はまったく共感出来ず、馬鹿馬鹿しさに魂が解脱します。

おい、なんであの扉は溶けねーんだよ。ってかよ、ヴェノムはあの科学物質が、ゼノファージに効くってなんで知ってんだよ。溶かしてたシーンって、ヴェノムは見てないよな? 

逃げ出した研究者の一人が倒れ、落雷によって兄を亡くした研究者がシンビオートを取り込んで救う。

おい、そのシンビオートを、なんで腹を刺された隊長に使わないんだよ。

 

 

なんなんだよ、このへっぽこ脚本は……!!!

 

そんで最終章と銘打ちながら、あわよくば続けようとするラストの引き!

スタッフロール中は、映画の余韻に浸って感想をまとめているのですが、もうね、一分くらいでまとまってしまって、スタッフロール長いなー……ってイライラしてました。

びっくりするぐらいつまらなかった。

面白くない脚本を勉強するのに良い映画でした。

ヴェノム自体は人気のキャラなので、リブートあるかもしれませんね。

 

 

 

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