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任天堂に訴えられたパルワールドに全然同情できないのは何故か(にわか語り)

※画像は公式サイト(Palworld | Pocketpair,Inc.)より引用

任天堂(及び株式会社ポケモン)の自社看板IPであるポケットモンスターに登場するキャラクターに激似として炎上したパルワールドが訴えられたというニュースでもちきりです。

発売時はSteam同時接続歴代2位を取って、累計販売額推定600億円ほど稼ぎに稼ぎ、PS5への展開が噂され、最近はソニーミュージックやアニプレックスと提携して、メディアミックス展開と、ますます版図を広げようとしている矢先の晴天の霹靂でした。

 


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発売当初より、パルと呼ばれる助っ人NPCが、ポケモンに激似ではないか、と界隈で話題になっていましたが、開発者達によるとゲーム性は別ゲー(といってもARKというゲームを真似たと公言)だし、パルのデザインについても、弁護士を通じて確認をとってパスできるレベルに調整してあると言ってました。

ゲーマーにとって、ゲームは面白さが正義なので、売れて支持されているのなら良いんじゃないの、と思ってますが、個人的感情としては、売れてるゲームの要素をキメラ化し、端々から売れればそれでいい、という感じのリスペクトの感じない姿勢に胡散臭さを感じていました。

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任天堂は過去に特許をとらなかったせいで、海外から訴訟されたことがあり、業界の発展のためにも、特許を積極的に保有して、ゲーム業界発展のためにも権利を行使しないという姿勢でした。

特許権を行使する場合は、自身のビジネスの妨げになる場合なので、パルワールド開発のポケットペアが、任天堂の許容値を超えてしまった、ということなんでしょうね。

今回の訴訟では、パルのデザイン意匠面からの訴えではなく、ゲームシステム面からの訴えの模様です。同じようなシステムを採用しているゲームは他にもあるのに、訴えないのは、それだけパルワールドが任天堂の機嫌を損ねてしまったということではないかと思います。パルワールド養護の人は、企業のさじ加減で良い悪いが決まってしまうのが納得できない点があるかもしれませんね。

 

記憶に新しいのが、コロプラの白猫プロジェクトの訴訟で、この件での争点は、コロプラがぷにコンと呼ばれるタッチパネル上に表示されるアナログスティックの仕様を、自身の特許として、同仕様を採用する社外のゲームに特許料を要求したことでした。

ぷにコンと同じ仕様の特許を任天堂が保有していたため、この件を含めた数点でコロプラは訴訟されて、最終的には和解金を支払うことになったようです。

コロプラは、その他にもVRタイトルを開発していないのに、VRゲームについての根幹的な技術の特許を持っていて、特許で儲けようとする会社みたいなので、そういう姿勢が任天堂のゲーム発展を望む姿勢とカチ合ったんじゃなかろうか。

 

今回の訴訟を受けて、ポケットペアのプレスリリースが、同情できない点の全てを物語っています。

 

当社に対する訴訟の提起について
 
本日、当社に対して特許権の侵害に関する訴訟を提起した旨の発表が、任天堂株式会社及び株式会社ポケモンより行われました。

現時点において、当社は訴状を受領しておらず、先方の主張や侵害したとする特許権の内容等について確認できておりません。これに伴い、パルワールドの運営及び提供においても、中断や変更の予定はございません。
訴状を受領次第、必要な対応を行ってまいります。

当社は東京を拠点とする小規模なインディーゲーム開発会社です。
私たちの目標は常に楽しいゲームを作り続けることです。この目標は今後も変わらず、多くのゲーマーの皆様に喜びを提供するために、ゲーム開発を続けます。

今回の訴訟により、ゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かざるを得ない可能性がある状況は非常に残念ですが、ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしてまいります。

プレイヤーの皆様及び関係者の皆様には大変なご心配・ご迷惑をおかけいたしますが、今後も『Palworld / パルワールド』をお楽しみいただくとともに、応援していただけますと幸いです。

引用‐news16 | 株式会社ポケットペア(太字強調はブログ著者による)

 

自分たちがインディー規模の小さな会社だとして、まるで大企業の圧力で一方的に苦境に立たされているかのような同情心を煽る様。自分たちが小規模開発の代表のような面をして、個人開発者の権利が侵害されないように、矢面に立つあたかも守護者だと宣言しているかのようです(皮肉なことに特許を保有してゲーム産業を発展させようとしているのは任天堂なのですが)。

 

予想外の大きな売上について、全部自分たちの手柄のように、これまでドヤってきたことと、他企業と提携してパルワールドを拡大しようとている野心的なビジネス姿勢からも、小規模開発という範疇から超えて、任天堂に危機感を募らせてしまったことが予想されます。それに、任天堂よりもXBOX陣営やPS陣営に親しい感じも良くなかったのかもしれません。

 

僕は、インディーズゲームが大好きですが、ポケットペアが言うように、今回の件で彼らが主張する「開発者が自由な発想を妨げられ萎縮する」 ことはないと断言します。今回の訴訟で、「開発者の安易な模倣・パクリがなくなり、より自由で独創的な発想のゲームが誕生する」 でしょう。

 

読み返してみたけど、ワイ想像以上に任天堂信者だった……(笑)。

 

追記:ネットの反応を漁りましたが、あんまりパルワールド養護派はいませんね……。パルワールドを遊んだ友人にコメントを求めましたが、パルワールド追加コンテンツとして楽しみにしてるようです^^;

 

さらに追記:海外では、ポケットペアを擁護する声が強めのようです。どうやら、任天堂が近年革新的なポケモンゲームを開発できていないこと、イノベーションが起きないのは、特許にあぐらをかいているのではないか、という指摘です。インディー開発者代表として戦う姿勢にも賛同の声が多いです。日本と海外とでははっきりとした温度差をかんしますね。