上田文人(ICOやワンダ、トリコなど)風のハイトーンカラーの廃墟フィールド、フロム・ソフトウェア風の全てをテキストで語らない環境ストーリーテリング、ボスラッシュモードの弾幕ツインスティックシューター(ゼルダ風味)が組み合わさった、インディーズゲームITTAをプレイしました。
途中から公式チートオプションの攻撃力2倍モードを使用して約3時間でクリア。収集要素は全部集めました。
セールで買って、積みゲー状態でしたが、セール価格からすると丁度良いボリュームで、内容も素晴らしかったです。やや雰囲気に重きが置かれていて、ゲームメカニクスは雑に感じる部分もありましたが、終盤の中ダレ、飽きについても意図された演出と感じられ、クリア後の余韻に浸ることができました。
時間と生と死が曖昧な庭園世界で両親と兄、飼い猫と暮らす少女イッタ。
ある日、自分と母を除く家族が惨殺されている場面からゲームはスタートします。
何もわからない状況、飼い猫の姿を借りた霊に誘われ、血痕を残して、姿のない母を探そうとするイッタ。
武器は父が残したリボルバー……を霊化させた武器。
やがて再開する母、しかし何もわからいまま。ただ、庭園の中の部屋に潜む敵対する霊を倒すことで、実家の謎の像の瞳に光が灯ります。全部の光を灯せば、なにか起こるのではないか? か細く、なんの根拠もない希望にすがって、少女イッタの戦いは始まります。
庭園の中には、少ない住人がいます。誰も彼もが、どこかに謎と悲しみを抱えています。イッタはこの庭園に暮らしていたのに、どうして初対面なのだろう……。
拾った武器を霊化して使えるようにしてくれる鍛冶師、拾った地図を清書してくれる製図家など、冒険をサポートしてくれるNPCも。
武器は豊富にあって、謎解きに使用する場面もあります。
でも武器はほとんどショットガンしか使わなかったですね……。
最後の武器に至っては、入手タイミングの関係で、使う機会すらなかった(笑)。
完全にボスとのバトルのみで、通常敵は存在しません。
なにかしらのバックストーリーが存在するはずですが、ほとんど語られません。
弾幕をローリングで回避して、武器で攻撃していきます。
ローリングの無敵時間が結構長いため、回避は容易ですし、アバウトな感じ。
ボスが硬く感じる場面が多かったので、公式チートオプションの攻撃力2倍モードを途中からオンにしました。
その他にもライフ無限の無敵モードがあるようなので、ストーリーだけ楽しみたい人にも。
ボスの数は結構たくさんいて、基本好きな順番に攻略可能。最初はライフの数が心もとないですが、最大ライフをアップするアイテム、ドーピングアイテムなどあります。
ボスの攻撃パターンの組み合わせ感があって、特別特徴のあるバトルというのは印象なかったです。
途中、内なる獣が開放され、ジャスト回避すると上昇するゲージを貯めることで、一定時間無敵になり、アップグレードで強力なレーザービームが放てます。
死んでもその場で復活するループもので、ゲームオーバーにペナルティはなく、物語の一部として機能しています。
世界設定は多くを語りませんが、書物である程度考察することができます。
マップはそれほど広くありませんが、どの場面も謎めいていて、雰囲気バツグン。
相棒の猫の霊は、スキンが色々あって、収集要素の一つになっています。
ラストの虚無感は、ゲームならではの演出の一つとして、とても良かったです。
メタ表現として考えたほうがいいのかな? 結末がない、死がない、というのはある意味、とてつもないバッド・エンドに思えました。
真エンディングあるのかな? と思ってました……。
おそらく全てのアチーブメントを開放しても10時間も必要としない小作品で、元値からするとボリュームはちょっと少ないと感じるかもしれません。
でも、雰囲気ゲーでありながら(それなりに)遊べる作品として、セールで購入するなら十分満足できるタイトルに感じました。
本作の開発スタジオの次回作の3Dアクションアドベンチャーゲームもすごく期待しています。