smogbom

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ファミレスを享受せよ、を享受したネタバレ感想

昨年、とても評判だったテキストアドベンチャーゲームのファミレスを享受せよをプレイしてクリアしました。プレイ時間は2時間半。

SteamとSwitchで販売されています。

ゲーム紹介ページにあるとおり、2種類のエンディング(実は3種類)があり、通常エンドが終わって、全然ピンと来なくて「あれぇ~?」 って感じでしたが、もうひとつのエンディングで、パズルのピースがバチバチっと組み合わさって、すごく良かったです。物語の締め方って大事ですね。

ファミレスを享受せよは、ポイントクリックと選択式のテキストアドベンチャーゲームです。色数を絞り、簡素化されたグラフィックが特徴的。

 

主人公は、深夜のファミレスで試験勉強をしようと思いますが、ファミレス・ムーンパレスに閉じ込められてしまいます。このファミレスは、外と時空が切り離されています。主人公以外の客の中には、数万年間も閉じ込められている者もいます。

そんなファミレスから主人公は抜け出すことができるのか。一体この場所はなんなのか。客達の秘密とは。

 

ファミレスの中には、数人の先客がいて、彼らもまたムーンパレスに閉じ込められて悠久の時間を過ごしています。彼らと会話していると、話題がたくさんでてくるので、色々な人に話題をふって会話してストーリーを進めていく、というのがメインのゲームの流れとなります。

 

席を立つと、ファミレスの中を動けます。いつでもドリンクバーに行けます。

 

ここからネタバレ。

……というか、自分の頭で理解できなかった部分をつらつら書く。

 

ムーンパレスは、民俗学におけるマヨイガの話が根底にあるように感じ、けっこう馴染みある設定に感じました。そこからSFになったのは驚きました。

青い薬は、マトリックスのアレですよね。青い薬を飲めば、平穏な日常へと戻ることができるという。

16桁のパスワードは、なかなか意表を突く展開でした。主人公が一番狂人のような。それでも解錠に何万年も必要だとは思いませんけど……。昔、僕はパチ屋でバイトしてたんですけど、その中のスタッフの一人が、4桁パスワードの自転車錠なら、30分で開かられる、昔は暇なとき解錠して盗んでいた、という地獄の「昔ワルでした自慢」をされた記憶が蘇りました。

 

疑問・理解できていない部分があるのですが、不老不死の月の民が、ムーンパレスという地球と月との中継点に、時間の概念がない空間を作る理由がわかりませんでした。成形という行為にとんでもなく時間が必要とか? 別に不老不死なんだし、変わった時間感覚持ってそうだけど……。

 

それを言うなら、なんで地球人が漂流者として入ってこれるような施設にする、というのも疑問ですが……。そうじゃないと王様が、ムーンパレスに退避できないんですけど、元々そういう設定の施設ってことだよな。

語ってないだけで、ちゃんと理由があるのかな。

自分が読み飛ばしてしまったのかな?

 

ガラスパンのあとに、三百年くらい前の王様がやってくるのもよくわかりませんでした。そうしないと駄目な理由ってあるのかな。普通に王様、ガラスパンの順番でもよくない? ムーンパレスの中はある程度時間が操作できる? 過去からムーンパレスを通して未来へと飛ぶことはできるけど、過去に戻ることはできないのかな? うーん、だとすると、クラインが三百年しか休暇とれないっていうの矛盾しません? ムーンパレスを通せば、過去と現代でループできるのでは? あと、ムーンパレスの中で、クラインと王様過ごせばいいやん、って思いました。どうせ月の法律破った犯罪者なんだし、律儀に裁かれにいかなくても。流刑地の月の時間はどういう感じなんだろ。王様だけが年老いてしまうのも、ちょっと残酷では。

 

ムーンパレスの中で数万年生きたガラスパンが、主人公と同じ時代の人間ということは、ムーンパレスの時間は外からはほぼ停止した状態ということなのかな?

王様とクラインが出会えてよかったね、という部分で満足してましたけど、よくよく考えてみると、自分にはちょっと理解できない部分が多いな……。

他の人の考察も読んでみたい。

 

皆さん、このゲームの設定、理解できました?

こういうよくわかんないことをふわふわとさせているのが、深夜のファミレスに閉じ込められた感覚なのかな。

真エンド解放後の設定資料集もよかったです。