Steamで早期アクセス中のテキストアドベンチャーゲーム「ナツノカナタ」をプレイしてみました。正式リリース後も無料で配信される予定のようです。
どこまでも広がる青い空、制服の女子高生、そしてゾンビパンデミックに崩壊したパラレル世界。サバイバル生活を余儀なくされてしまう主人公ナツノと、レトロPCを通じて彼女の携帯電話越しに手助けをすることになったプレイヤー。
美しいビジュアルとは打って変わって、社会体制崩壊後のサバイバルを描くという、なかなか尖ったコンセプトのゲームです。
すべてテキストベースで、捜索、戦闘、クラフト、イベントなどをこなしていきます。
パラレルワールドという設定なせいか、ちょっと設定に無理な部分もあります。文明崩壊後なのに、貞操の危機とか気にせず、ミニスカートの制服姿で、お風呂とか洗濯とかどうしてんだろ、とか思いますし、ティーンエイジャー一人で探索に行かせる大人たちとか、銃が普通に落ちていて、弾丸が尽きればためらいもせず素手でゾンビと戦いを挑むアマゾネス女子高生とか……。ま、そういうのは気にするな、女子高生に指示だして、サバイバル生活するというありえないシチュエーションを楽しめよ、って感じのゲームです。
主人公のナツノ。
フルーティーな匂いが漂ってきそう（キモい）なビジュアルだけど、実際真夏で何日も同じ服はキツイぞ、たぶん（一部の紳士にはご褒美か←マジキモい）。
ゾンビパンデミックの秘密を知ってそうなきれいなお姉さん。
文明崩壊後で、身綺麗な格好をしているのは娼婦らしい……だめだ、俺はもう心が汚れてしまっていて、そういうエロい妄想しかできねー。
ナツノへの指示は、赤色になったキーワードを打ち込むことによって行います。
行き先、アイテムの装備や使用もこの方式。
結構不自由な感じですが、履歴をつかってショートカットもできます。
ゲームの進め方は、探索エリアを選択……アイテムを物色して、ゾンビと戦闘……イベントが発生するので、会話を進めて、物語を進行させるという流れ。
物資を回収して、装備をクラフトしていく要素もあり。
ビジュアルが綺麗で、キャラクターもかわいい。UIもシンプルでゲームの雰囲気にマッチしています。正直、無料とは思えないクオリティです。
早期アクセスでの問題点というと、探索があまりおもしろくない点です。
結構、致命的な部分なのかもしれませんけど、原因としては、ゲームとしてビジュアルに頼らないぶん、かなり大味になってるということです。
具体的に言うと、先に進もうか進まないか、この先にあるのがアイテムなのかゾンビなのか、蓋を開けてみなければ、わからない、というところです。
体力がこころもとなくなれば、ベースキャンプに戻ればいいし、探索にリスクもない。リスクとリターンの期待値もなければ、行き先になんのヒントもなく、行動は全て行き当たりばったりになっています。
現状、体力が乏しいけれど、一か八か賭けにでよう、なんて葛藤が起こりえません。
テキストベースなのですから、周囲の状況はしっかりビジュアライズしてほしい。
近くにゾンビが潜んでいそうだ、しかしその背後には銃や食料がある、とか。
探索を繰り返していくと、ワンパターンで退屈さを感じ、もっとゲーム性が欲しいと感じました。
無料と思えば現時点で、十分なクオリティですが、もうひと工夫を加えれば、十分有料ゲームとして発売できそうな伸びしろを感じました。
無料で遊べるので、気になった人はプレイしてみてはいかがでしょうか。
正式リリース時には、ゲームとしてより面白くなっていることを期待したいです。
