ファーストインプレッションの記事公開が先延ばし先延ばしになり遅くなった。……でも、すぐにナイトシティに向かわなくては。
ウィッチャーシリーズで有名なポーランドのゲーム会社CDプロジェクトRED(以下CDPRと略)より12月10日に発売した今年最も注目されていたタイトルのサイバーパンク2077を夢中でプレイ中です。
※この記事では、ストーリー内容についてはほぼ触れません。
さて……巷での評価が荒れていることは、すでに承知しています。
ご存知でない方に向けると、大きく2つの問題を抱えているようです。一つは、前世代コンシューマ機(PS4、XBOX1)にて、プロモーションビデオ以下の低パフォーマンスでしかプレイできないこと、特に初期型モデルではフリーズやクラッシュが多発して、まともにプレイできない状態らしいです。……これは、異例とも言えますが、既に返金対応にまで発展しています。個人的にはPC環境かつ、懸念していたグラボスペックも問題なかったため、本記事ではこれ以上は触れません。最適化が約束されていますが、個人的には、コンシューマ版は次世代機版が出るのを待った方が良いと思います。その頃には次項の問題も解決しているだろうし。もっとオススメなのは、レイトレーシング対応のゲーミングPCで遊ぶことですけど……。MODで、車とか武器とか、キャラメイクとか追加/強化されたらいいなー。
2つ目は、バグの多さ。これは、正直弁護しようがないほど多発していて、「完成した時が発売日」のモットーはどこ行ったよ? と呆れ返るほどです。CDPRが過去3度の延期に踏み切った理由は、このタイトルを、今世紀最大の傑作にしたいとの想い……ローンチ時の評価は後からどんなに完璧なものに仕上げたとしても覆らない……なによりユーザーに最高の体験をしてもらいたいから……というものでした。
この結果は、CDPR自身が最も避けたかったものではないでしょうか。プロジェクトマネージメントとプロモーションとして大失敗だったのは、どう見ても明らかです。延期に落胆するファン、下落する株価に怒る株主など外圧に屈したのか、「完成した時が発売日」のモットーを堅守することは出来なかったようです。完成度を重視すると約束を破ったせいで、ユーザー評価も辛口な方に傾いているように感じます。誰も幸せにならなかったね……。
個人的にバグへの見解を言いますと、気にならない……と言えば、嘘になります。感情移入しているシーンでいきなりオモシロ映像みせられて、「いま、どういう顔したらいいの……?」 ってなったことありますし、進行不能になり、データをロードし直さなければならないこともありました。
でも、バグ取りを待てないくらい、このゲームは素晴らしいです。
ナイトシティは、ゲーム史上もっとも野心的ですごい街です。この街を、ただぼーっと散歩して、ポストモダンな建築や、雑踏の人々を眺めるだけで楽しいです。
お気に入りのラジオ番組をカーステレオから流して、目的もなく車でクルージングしているだけで、コンテンツになりうる。
今回の騒動で次回作への期待に影を落としてしまったかもしれません。でも、僕はすごく期待しています。タイトルの後に西暦を入れたこと、これは原作であるサイバーパンク2020を踏襲している意味が強いのですが、ナイトシティと言う都市を舞台とするシリーズ展開に非常にマッチしていると思いました。つまり、次回作が仮に7年後のサイバーパンク2084だとすると(ビッグブラザー!)、キャラクターのその後、解体や拡張された都市に帰って来ることもできます。自由に過去に戻る事もできる。無限に拡張される生きた都市がゲーム世界に誕生したのです!!
一方、ゲームとしては……僕がこういうクライム系のオープンワールドが初なせいもあるかもしれませんが、なかなか人におすすめできる内容ではないですね。僕自身はとても楽しめているのですが、いろんな意味で刺激が強い。
ナイトシティは、混沌と欲望と暴力の街です。R18指定のゲームですけど、暴力的なだけではなく、性的表現もかなり際どいところまであって、これを「作品性や芸術性の表現」という言葉では納得できない人がいることが容易に想像できます。
また、度重なる延期に憤り、殺人予告まで出すようなレベルの人が、このゲームを遊ぶのか……? と少し心配にもなる内容です。
悪意ない、無邪気な賞賛のレビューが、ときに人を傷つけてしまう事があります。そんなの気にしてたら、何も言えないし、批判や抑止しようと言う意図はありませんが、このゲームは特に内容が内容なだけに取扱厳重注意だなぁ、と思いました。
虚構と現実はキチンと別だよ、とプレイヤーもプレイヤーでない人もちゃんと認識して欲しいですね。無責任に、このゲームが人には勧められないのは、そういう理由なんです。このゲームの面白さが微塵も理解できない、って人の方が人生幸せかもしれませんね……。
最後に指摘しておきたい点はローカライズです。
これは、ほんっっっっっとうに最高! ローカライズ品質で、損をしている海外ゲームをプレイしてきましたし、名前のない端役にまで日本語吹き替えしている点(一部演出で外国語が交じる)が最高にイカしています。ローカライズ担当のスタッフさんに感謝。
ファーストインプレッションはここまで。
さあ、今日も変な格好でナイトシティへGO!!!