6月にBlackBook Toyさんにて抽選販売されたMISHKA x Lamour SupremeのSludge Beastです。
こちらニューヨークで開催されたFive Points Fesにて1体がシークレット販売され、今回の抽選販売にはたったの9体が販売されました。つまり、なんと限定10体!
我ながら、よく当選したなぁ。
MISHKAは、アメリカ・ブルックリン発のアンダーグラウンドストリートブランド。80 年代のパンクシーン、スケートシーン、マイナーポップカルチャー、漫画、映画、友達、収集用フィギア、旅行、都市ニューヨークからインスピレーションを受けたエッジの尖ったアパレルを展開しています。
Lamour Supremeは、人名みたいですね。MISHKAにて展開する独特のグラフティは彼の仕事のようです。
トイの出自としてはパンクドランカーズのあいつや、ネイタルデザイン×ナンガのガーシーに近い感じでしょうか。
原型はケンストイワークスさん。ケンスさんの原型のサイズ感は、とっても「洋トイ」向きですね。緻密でおぞましいディテールの中に、洋トイ的なおおらかさを感じます。
今回の成型色は、霜降り肉成型と呼ばれる成型方法を使った未彩色のもの。
いままでマーブル成型だと思っていたんですけど、実際分解してみると2重成型の技法を応用した成形方法のようです。おそらくごくごく短い焼成時間で一層目を仕上げ、その後に二層目を焼いているのかな……と予想します。
霜降り肉成型というように、生皮剥いだ肉の塊のような成型色が多いのですが、今回のは白灰色と黒のコンビネーションになっていて、名前の「Sludge」とはヘドロの事らしいです。
しかし、その汚らしい名前とは実物の印象は180度違って、美しい成型なんですよ。
大理石彫刻のように、細かな凹凸は浮き彫りになって、仔細なディテールを実にためつすがめつ楽しむことができます。
目玉のような広い部分の、超細やかな粒子感のある色の移ろいも素晴らしいと感じました。和紙の楮(コウゾ)の綾に薄墨が染みて透けたかのよう。
この形成方法の素晴らしいところは、この品質をある程度コントロールできるように思えること。マーブル成型のような大きなばらつき、偶然性はないようなんです。
9体のうちランダムで選ばれて発送されるので、9体とも写真で紹介されていましたが、どれも甲乙つけがたい出来でした。選別されているのかもしれませんけど。
次に大きさ。全高約31センチ。ソフビではかなりの大物です。
頭部は、表裏どちらを正面にしても楽しめます。
パーツ数は7。
ブランドロゴ風の目玉の顔。
こちらの面は、中からサイクロプスが生まれようとしています。
腕の鱗のモールドが、特殊な成形方法によって浮き出ています。
こんなにベストマッチなモチーフはないでしょう!!
大きな手。
古びた布でボンテージが巻かれています。
胴体の表と裏。
デフォルメされた肋骨と背骨。
下半身。
ぬめりがあって、半固体の印象も受けますね。
素晴らしい作品を手に入れました。
芸術品のような風格でありながら、未彩色なので気を使わずにガシガシ触れます。原型そのものに、なんだかついつい手にしてしまう魅力があるんです。
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Beastの塗装版あり