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ゴースト・イン・ザ・シェル 2017年 字幕版(ネタバレあり)

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士郎正宗のコミックを押井守監督が映画化したSFアニメの傑作「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」を、ハリウッドで実写映画化。

日本での公開日である本日、見てきました。

例によって攻殻機動隊はニワカファンですが、結構好きな作品だったので、楽しみにしていました。

アメコミコミックの実写化が成功している為か、日本でも漫画を映画にすることが近年多くなっていますが、反面ファンを裏切るようなひどい作品も多く、今回のゴーストインザシェルも「少佐」は「草薙素子」ではない? とか、ビートたけしさんのキャスティングなど、ちょっと怪しいところがあり、不安に思うところもありましたが、個人的にはアニメ版を完璧にトレースして実写化しましたっていうようなモノにはなって欲しくないとおもってました。もちろん、ファンがガッカリするような改変はなしの方向で。

 

以下、ネタバレありの感想です。

公開日初日なんで、楽しみにしている方は、読まないようにしてください。

映画見た人が「そうそう!」とか「それは違うんじゃね?」とか感じてくださると嬉しく思います。

 

 

原作コミック・アニメ版と内容同じか? ですが、見た人は分かるように、これは完全に否定できますね。アニメ版やコミック版で印象的だったシーンは、演出からカットから完全に同じで出てきますが、ストーリーやキャラクター、設定はオリジナル要素があります。

 

でも、だからと言って見てよかった映画だったか、と言われると……そうでは無いんですよね……。そう、個人的には残念な出来でした。

だって、ストーリーは「ロボコップ」そのまんまなんだもの。

そして演出はアニメの攻殻機動隊なので目新しさありませんし。

唯一、舞妓さんロボットのデザインは良かったですね。

 

僕が思うに、攻殻機動隊の大事な部分って「ゴースト」の解釈だと思うんです。

「ゴースト」と言うのは「魂」って実写映画でいってましたが、「魂」とは「私である証明」のことだと僕は解釈していて、原作の攻殻機動隊の世界では、「ゴースト」と「肉体」は明確に分離して考えられています。脳を電脳に変えても電脳の方に「ゴースト」が宿れば、その宿った方が「自分」なので、残った生来の脳は抜け殻、破棄してもオーケーって世界なんです(いや、ニワカなのでよく知らないけど、そうですよね、多分)。「ゴースト」は概念ではなく、科学的にある、と言うことが証明された世界。ここが肝なんです!!

 

ところがですね。

今回の実写版の攻殻機動隊は、「ゴースト」は脳に宿るという描き方なんですね。だから少佐は自分の脳を摘出して、義体の頭蓋骨(シェル)の中に収めるという描写が映画の冒頭から描かれる。もうね、最初の数分で嫌な予感ですよ。

「少佐」は肉体を失って、義体化した自分は人間なのかそうじゃないのかっていう、原作を知っている人からすると、非常に低次元な悩みに囚われています。こんなの俺の知ってる筋肉ゴリラじゃねぇよ……。ゴーストが囁かないのかよ。

ここらへんは宗教とかが関係しているんでしょうかね? なんか原作が提起していたものって改めて凄かったんだな、って思いました。海外にウケったのは、この部分じゃなかったんでしょうね。残念ながら。

 

ちなみに、今回の映画で電脳は、ただのインプラント手術でした。ハッキングされるリスクしかなくて、電脳化手術になんのメリット感じませんでした。

 

話は過去の名作の二番煎じで、あんまり攻殻機動隊である理由がない……という感想です。劇中で深みを出そうと日本的な禅っぽい感じを出そうとしているのですが、日本人からすると勘違い甚だしくなんか空回りしている感じ。その割には、邪魔な人間に一方的に殺していって、90年代の大味なハリウッドアクション映画って感じもちょっとな〜。

 

ビートたけしさんについては、結構荒巻してました。個人的には違和感なかったけれど、セリフが少し聞き取りずらいのと、不必要に見せ場作りすぎな感じがしました。

 

もう見てられないッ! って言う感じのひどい駄作と言う訳でもないんですけど、正直得るもののあまりない映画でした。逆に原作すげぇな! と思いました。

 

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