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ヱヴァンゲリヲン:Q 感想

弟がDVDを借りてきたので、見てみました。

モロ世代でした。グッズとかプラモとか、よく買いました。

TV版放映時が中学2年生で、生まれ年が葛城ミサト、赤木リツコ、加持リョウジと同じなんだぜ、俺たち!!

 

ストーリーに関してのネタバレが多数ありますので、続きを読むで分割して投稿します。

 

 

 

 

 

◯まわりの反応に比べて、僕は楽しめた

エンターテイメント性に富んでいた破と比べると、内省的なQは好きではないし、謎な部分が多くて頭が痛くなるなど、批判的な意見がまわりでも多かったです。僕は結構楽しめました。一つの映画としての評価としては、構成もイマイチに感じたし、演出に関しても真新しさを感じる部分は少なかったように思う。けれども、エヴァンゲリオンという一つのストーリーとして考えると、今まで旧作の焼き増しとアップデートでしかないと思っていたので(特に「序」は、非情に退屈に感じた)、全く新しいストーリーを展開したところを評価したいと思います。

 

◯・・・とは言っても

まず、構成の点なのですが、最も熱く、演出面でも光っていたのが、冒頭の初号機奪還のパート、次いで母艦の発進のパートと、冒頭部分にキャッチーな部分を集約しすぎたように思います。そして、真ん中は、碇シンジが「破」で行った所業を悔いる暗いシーンです。後半に連れて、「破」のサード・インパクトと殆ど演出・ストーリーもダブついていて、展開が読めてきて、ちょっと飽きてきます。しかも、登場人物の心理面としても、「破」は内向的な主人公が、自らの手で仲間を奪還せんと奮起するのに対し、「Q」では訳もわからず、自分の行いを悔いた状態で、よくも知らないあったばかりの人間に諭されます。(映画の中では)長い時間を掛けて信頼を結んだ人物が状況に不信感を抱いているにも関わらず、先走って自分の所業をリセットするために行動する、というものです。で、ポジティブな気持ちだろうが、ネガティブな気持ちだろうが、結果として悲劇しか産まないとしたら、物語としてはどうなんでしょうね。その点が、「Q」単品としての評価に繋がっているように思います。何もしないのが正解・・・達成感の無い映画なんですね。

 

◯演出について

「再び我々は何をつくろうとしているのか?」は、新劇場版制作発表の折りに、総監督である庵野秀明さんが出した声明ですが、うろ覚えですが、その中で「TV版のEVAを発表してから、その演出を猿真似するアニメが増えたけど、TV版のEVAを超えるような演出をした作品は今だ誕生していない。不甲斐ないので、手本をみせてやるっちゃ!」・・・みたいな事を言っていたと思いますが、お金が掛かって洗練されているだけで、TV版を超えたと言える斬新な演出は無いように思います。確信犯かもしれないけれど、使徒を倒した時の流血爆発の演出は、全体のスタイリッシュなトーンの中で、ジジ臭くて浮いていると思う。

 

◯様々な考察について

劇場で封切りされてから、ネット上には沢山の考察が上がりました。結局のところ、数々の謎を散りばめられるだけ散りばめて、正解を用意せず言葉濁して終劇を迎えたのが旧作のEVAだったと僕は思っています。今回も同じだとしたら、様々な考察が出ている時点で、今回の映画も製作者の意図からすると、成功だと思います。次回も明快な終わりを用意していないんじゃないかな、と「Q」を見て思いました。

最後が終わって数年後、「さらに再び我々は何をつくろうとしているのか?」って声明が出ても驚きません。

 

 

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