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LOGAN [字幕版]ヒュー・ジャックマン最後のウルヴァリンについて(ネタバレ有)

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X‐メンシリーズの人気キャラクター、ウルヴァリンのスピンオフ映画第三作目にして、ウルヴァリン役を演じ続けてきたヒュー・ジャックマンが演じる最後となる「ローガン」を見てきました。

ウルヴァリン: X-MEN ZERO、ウルヴァリン: SAMURAIともテイストの異なる映画でした。アメコミ映画のスカッと爽快なエンターテイメントではなく、骨太のヒューマンドラマとなっていて、その部分で賛否が分かれそうではありました。

とてもいい映画でしたが、わざわざマーベルの映画でやらなくても良い内容かな〜(ウルヴァリンでやる内容だからこそ生きる内容なのかな?)なんて。前評判から期待値が高すぎた。

 

以下、具体的な部分にも触れます。

ネタバレ記事なので、ご注意ください。

 

 

今回のウルヴァリンは無敵のヒーローではなく、病に侵され、金もなくリムジン運転手という俗っぽい仕事につき、アルツハイマー病を患ったプロフェッサーX(発作を起こすと周囲を巻き込んで能力が暴発してしまう)を介護しています。全2作が分かりやすい勧善懲悪のエンタメ作品だったのに対して、どこか陰鬱なムードが漂っています。

劇中には、メタ要素的に原作のアメコミが登場し、本編とのトーンとの違いが印象的です。前の2作が虚構で、今作が残酷な現実というような感じでしょうか。

なので、同じような気持ちで今作を見ると、かなり面食らうと思いました。同列で語れない。今までと全く違ったアメコミヒーロー像ということで、その部分で評価されると思いました。

 

あとは子役のローラ役のダフネ・キーンは前評判通り凄かったです。

最初は、ミスター・ビーン似だなくらいの印象だったんですけど、話が進んでいくと、ふとした瞬間がとても綺麗に見えたり、見かけによらず凶暴なアクションをしたり。たぶんR15指定は彼女のシーンでしょうね。その本人が15歳以下ってのは矛盾感じますけど、結構ぎょっとするようなシーンありましたね。

 

この映画の良い点は、映画全体のムードとダフネ・キーン、ヒュー・ジャックマン最後のウルヴァリン(プロフェッサーXも最後)という感傷でしょうか。個人的にもっと伸び代を感じました。

 

具体的に言うと、味方サイドの重厚な人物描写に対して、敵サイドがスゴく浅い。折角子供っぽいアメコミ映画から脱却しようとしているのに、敵に関してはあくまで分かりやすい悪役。悪には悪なりの悲嘆のようなものが描ければ、より感情移入できたのではないでしょうか。

敵ほとんどは、体の一部を機械化したサイボーグなんですけど、どうしてあそこまで非情になって子供たちを実験動物扱いする理由なんかと絡められたら、良かったのではないでしょうか。

 

現実世界での人種や宗教などの差別も解決できないのに、簡単にミュータントが受け入れられ、平和に暮らせるわけがない……アメコミの能天気とも言える世界のアンチテーゼとして、考えさせられる映画でしたが、映画(虚構)の中でくらい、スカッと頭を空っぽにして楽しみたいよな、って気持ちもあり、「マーベル・コミックス」という看板が足を引っ張ってる感じでした。

 

ローガンは病を患っているためか、アクションシーンもワイヤーアクションとCGをつかったキレッキレの常人離れした感じではなく、「なんとかこの場を凌いでくれ!」という感じのヒヤヒヤする展開で、結局僕は今まで見たことのないアメコミ映画ではなく、いつものアメコミ映画を望んでいたのでした。これがウルヴァリンではなく、オリジナルのヒーローでアメコミ映画を風刺した映画だったら、違う評価だったかもしれません。あ、異色のヒーローモノと言えば、シャマラン監督のアンブレイカブルが自分は好きです。

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