"世界最安"の3Dプリンター「Buccaneer」、3万円台にて国内予約販売を開始 | マイナビニュース
・・・を見ました。
3Dプリンタが、結構賑わっていることは知りつつも、30万円〜安くて15万円くらいから、と気軽に踏み出せない価格帯でした。
しかし、こちらのバッカニアは、11月8日までの先行予約(先払い)、発送は約3ヶ月後と条件はあるものの、3万4700円(税送料込)と激安です。直販で買うと、言語の壁や為替相場と通常かかってくる100ドルの送料分を考えても安い! と言わざるを得ません。
不安条件として、発売元の輸入代行会社は、ちょっとネットで調べると、2chやTwitterなんかに、苦情の専用スレッドやアカウントがあったり、いわくあり気な、怪しい感じです。コレが数十万円の製品なら尻込みするところなのですが・・・。
最近、買ったおもちゃを手に取ると、無意識のうちに粗捜ししてしまう自分がいて、ゲンナリします。そろそろ、自分自身のクリエイティブを発揮する時期が来たのかもしれません! ・・・その前にビビりなので、勉強から始めました。
で、結局、予約しました。
どうなることやら。
◯3Dプリンタについて調べる
3Dプリンタは、値段からして、まだ僕には必要ないものと考えていたので、知識が足りません。
軽くネットで調べて、良さげな本を買いました。
自宅ではじめるモノづくり超入門 ~ 3DプリンタとAutodesk 123D という本です。
自宅ではじめるモノづくり超入門 ~ 3DプリンタとAutodesk 123D Designによる、新しい自宅製造業のはじめ方 ~
- 作者: 水野操
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2013/05/28
- メディア: 大型本
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Autodesk 123Dというのは、3Dプリンティングするための三次元データを作成するためのCADソフトです。AutoCADを作っているオートデスク社の製品です。昔、仕事でAutoCADを使った事がありましたが、数値入力や方向指定の度にキーを叩かなければならず、グラフィカル・ユーザ・インタフェース以前のコンピュータを操っている気分になり、なんだか使いにくいソフトだな、という印象を受けました。
それでも、123D DESIGNを使おうと思ったのは、無料かつ、Mac、iOS版があるからでした。
僕は、以前の仕事の関係上、2次元・3次元のCADを数種類扱った事がありますが、無料なのは、JW_CAD とSketchUpくらいで、あとは10万円以上の価格のものばかりです。性能は劣るものの、無料の3DCADが手に入るなんてイイ時代だなあ、と思います。
◯本に話を戻して
自宅ではじめるモノづくり超入門 ~ 3DプリンタとAutodesk 123D は、CADの教本という側面以外にも、3Dプリンタの形成方法の種類、それにともなって材料の特性についても書かれています。
例えば、バッカニアは、溶解樹脂積層方式と言って、ひも状の合成樹脂をヘッド部分で溶かし、溶けた樹脂を一層ごとに重ねることで、形成していきます。
対して、値段的に購入を見送るざるを得なかったのですが、FormlabsのForm 1はバッカニアと印刷精度を比べると非常に高く、本体デザインもレトロフューチャーチックでカッコイイ。
しかし、こちらは前述の通り、お値段が30万円を超え、印刷方式は光造形といって、液体樹脂をレーザー光線に当てて、形成します。素材の特性として、太陽光によって劣化するらしく、長く使うものには向いていません。僕の使用目的である、おもちゃを作るには、向いていないようです。
これは、読んでおいて良かった!
◯バッカニアについて
The Buccaneer® 3D Printer - Pirate 3D Printer ...
見た目は、MoMAにコンポーネントされるほど、外観は評価されましたが、タッチ式スイッチの誤作動や、熱問題などで、売上はあまり良くなったPower Mac G4 Cubeのようです。
また、名前のバッカニア=海賊も、初代マッキントッシュ開発時のスローガン”海軍になるよりも、海賊になろう”から来ているのではないでしょうか。
オリジナリティが無いと見るか、それとも、アップルフリークの一人として、嬉しく受け取るか。
最初にニュースを読んだ時には、さらっとスルーしたのですが、専用の3DCADソフトが付属します。
このことも上記の本を読んで知ったのですが、3Dプリンタ界では、データ形式は、雨の後のたけのこの如く、乱立し、お互い互換性があったりなかったり。データのやりとりのための中間ファイルなるモノまであり、それも幾つかあり、困った状態なのです。
一般的なファイル形式として、「.stl」形式がありますが、123D DESIGNの場合、出力はできるけれど、入力はできません。バッカニアの専用CADソフトが、123D DESIGNの出力形式に一つも対応していない場合、123D DESIGNで作ったデータは、使える形式に変換するか、できなければ使えないという訳です。
◯それでも123D DESIGNを使ってみる
題材は、スリーエーのWWRに登場するロボット、ドロップクロスのバックパックです。
紹介記事はThreeA WWRp ドロップクロス - smogbom。
紹介記事の方はポータブル版なのですが、実は、1/6スケールの、初代JDFカラーウェイを持っていました。
このモデルの出来はJDFカラーウェイの中でも随一と言われ、僕自身そう思っていますが、今まで紹介記事を書かなかったのには、理由があります。
それは、このモデル、未開封中古品(シュリンク付き)で入手し、当時の相場の半分で買えたと喜んでいたら、なんとバックパックが欠品しておりました。
この商品は、直販ではなく、グッドスマイルカンパニーが販売元なので、問い合わせしようしようと思ましたが、発売日からかなり時間が経っているのと、未開封とは言え中古品である、ビビリである・・・等あって、いままで、そのままの状態でした。
それを、3Dプリンタで作ろうではないか、と思うのです。
最初、iPad版でやりましたが、任意の大きさのオブジェクトを作る方法がわからず。マニュアル本があるので、Mac版を使いました。
AutoCADで感じた煩わしさはなく、機能は限定的ながら、アイコンが少ないので躊躇することは少ないでしょう。言語は英語ですが、マニュアル本もあるし、迷うことはないと思います(買ったマニュアル本は、基本操作だけなので、使い方の分からないアイコンもあります)。
大きさは、1/12スケールの物をものさしで測り、単純に2倍にしています。
オブジェクトとオブジェクトを重ねて切り欠く。この感覚、べクターワークスで慣れ親しんだ感じ・・・。
CADというのは、頭の中で段取りをしっかり考えておかないと、2度手間、3度手間を食うハメになります。この場合、ノズルの面取りをしないまま、複製してしまったので、4回面取りしないといけない・・・この感覚、覚えがあるぞ!
3時間くらいで完成。使い方を探りながら&久々のCAD操作だったので、手間取りました。曲面の細かいスジ彫りは、いい方法が浮かばなかったので、印刷した後に彫ることにしましょう。
使ってみて思ったことは、単純な直線・曲線を使って造形するには、滅法有効なツールだと思いました。本にも書かれていましたが、人物や動物など、複雑な曲線で構成された物体を造形するのは、このツールでは難しいと思います。
◯あとは到着を待つ間、練度を上げる
一応の到着日である2月27日まで、まだ日にちはあるので、クンフーを積むことにします。
届く・・・よね。
20150704追記:これが長い戦いの幕開けだったと知る由もないのだった!
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