
※記事に公式サイトの画像を引用しています。
すごいの出たな、って初見で思いました。これ本当にそのまま製品として出すの? 日本製で?!
レンズメーカーとして有名な会津のSIGMAですが、他所ではまず作られない一風変わったカメラも作っています。
有名なFoveonセンサーを使ったカメラは、自分も初代DP1を購入して、当時のデジタルカメラと比較して、圧倒的な使いづらさ(笑)と、圧倒的な描画力に魅了されたクチです。
近年は、フルサイズフォビオンセンサーの開発に難航しているようで、SIGMA fpシリーズといった、他社製のベイヤー式センサーカメラが登場しています。ベイヤー式センサー採用といっても、そこはシグマですから、世界最小サイズのフルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラにして、鬼のような拡張性をもつ変態カメラとして、一部の人間に刺さるプロダクトを展開しています。
そして今回、シグマはコンセプトモデルなのでは? というくらい,めちゃくちゃ尖った「BF」というレンズ交換式ミラーレスカメラを発表しました。お披露目されたカメラ・映像機器の見本市「CP+」 にて、今回の目玉という感じで注目の的になっているようです。
参照‐BF | CAMERAS | PRODUCTS | Sigma
第一印象は、カメラのインゴット。その見た目で、製品コンセプトを表現しているという点に痺れました。
誰もが満足できるように、色々な機能を全盛りするのではなく、極限まで削ぎ落とした結果、非常にミニマルで洗練された印象のカメラです。
これに文句言う人は、fpシリーズの強化版を期待していた人だけではないでしょうか。大きさは似てるけど、コンセプトはfpとは完全に真逆だもんなぁ。
大きなマス市場を狙った製品ではなく、めちゃくちゃ小さなターゲットを振り絞った製品です。もしかしたら、もう欲しいと思ってるのは自分たちだけでも良いって考えている可能性すらある。

プロダクトデザインとしてジョブズ時代のアップルみたいだ、という批評もありましたが、自分としては、スカンジナビアデザインみを感じるなぁ。
PCケースのフラクタルデザインとか、電子楽器メーカーのティーンエイジエンジニアリングとか……
……と思っていたら、最近シグマってリブランディングしたんですが、ロゴとかフォントとかデザインしたの、北欧のデザイン事務所らしいです。
すごく腑に落ちるし、我ながら自分の感覚正しかったな、なんて自画自賛してます。

ホットシューなどの拡張性なし、カードスロットなし(内蔵メモリ230GB内蔵)、外部端子はUSB‐Cのみ……いやぁ、こんな仕様のカメラをシグマ以外が出したら、非難轟々でしょう(笑)。

操作性は1から作り直されているみたいで、一眼レフカメラのダイヤル・ボタンいっぱいあるのを見て、なかなか使いこなすことができなさそう……と億劫になってる自分からすると、良いな~、触ってみたいな~ってなりました。

アップルのノートパソコンのように、アルミの塊から削りだされた、継ぎ目なしのユニボディを採用しています。
カメラ1台7時間かけて製造されているとのこと。その工作機械もシグマに3台しかないそうな。
シグマの工場が24時間フル稼働してても、日産9台程度ってことかな? 理論値では月で270台くらいつくられると考えると、やっぱりこれは「特別な人にだけに売る」タイプの製品のように思います。シグマのカメラのシェアってどれくらいかわからないけど。

カメラの良し悪しで、自分はまったく判断できないんですけど、とんでもなく所有欲は満たされそうです。
ほ、欲しい……。
ナンボや!?
ボディ1,999ドル!?
え、ウソ! 安い!
買うわ!!!!!!
……え?
……日本円だと385,000円?????
え? それ、おま……!?
1ドル190円超えとるやないかい!
なんちゅうレートなんじゃワレ!!!!!
……と、そこまで怒りは湧きませんでしたが、個人的には、この為替レートだと、二の足踏んでしまいます。
せめて、30万円を切って欲しかったなぁ。
たぶん、この値段も色々考えてなんでしょうね。
この値段を納得できる人に向けた製品というか、取り扱い注意説明というか……。
円安なんで輸出したいという思惑もあるんかな。
BFを知って、2日間、悩みに悩んだんですけど、レンズ代込みだと50万くらいでしょ。
コロナのとき、自粛自粛で結構お金貯めた(使えなかった)ので、別に出せない金額ではない……が。
その50万円分で買えるガジェット、ゲーム、玩具、服、交友費とか考えると、自分はこのカメラを購入するライフステージには居ないな、と思いました。
あと、肝心の出力された写真も、初代DPのときのように、圧倒された……! という感覚はありませんでした。自分の感性が死んでるのかもしれないし、フォべオンへの期待が信仰心にまでなってるのかもしれません。
カメラ沼への入水は、自分の人生でも最後の秘境と考えているので、もうちょっと趣味として残しておきたいかも。
なんといっても、デジタルカメラってレンズはともかく、買って一生使えるものじゃない。後から出てきたもののほうが性能は上がっていくものです。日進月歩で。
……などと買わない(買えない)理由を挙げていたら、一生買えないんでしょうけど。
FFF(フルフレームフォビオン)に期待かなぁ。
リブランディング後のシグマが一発目に、ゴロッと雰囲気を変えて、こんな製品を出したんで、今後も期待ですね! いやー楽しみだ!!!
でも、BFの展示品が電気屋に出たら、絶対触りに行こうっと。
今、50万円の買い物を我慢した、というだけで、50万円浮いた気がして、財布の紐が緩みまくってます。


