今週のお題「急に休みになったら」
大雪だ、今日もゲームをしよう!!
Tacomaはウォーキングシミュレーターの傑作GONE HOMEを開発したFullbrightによるウォーキングシミュレーターの新作だ。
舞台は2088年、なにやら事故があり緊急事態にある(もしくは、もうすでにあった)宇宙ステーション・タコマが舞台となる。 タコマを管理しているAIと共に主人公は事故の調査に向かう。
まず、舞台となる宇宙ステーションの作り込みは圧巻である。
車輪型の宇宙ステーションで、中央のハブ部分は無重力になっていて、ハブからスポーク部分を通って、居住エリアの車輪部分は遠心力によって重力が発生している。
小説や映画などのSF作品で、こういうスペースコロニーは度々登場するが、実際に自分が歩き回れることに感動を覚える。
探索パートは快適で、ステーション内の案内板、本、散らばる物体やゴミに至るまで日本語翻訳がクールにラベリングされている。
GONE HOMEと同じく、環境によってストーリーテリングされていて、そこから読み取る家探しは楽しい。
AR表示されるUIにテンションあがる。
このゲーム内でリアルに応答できるのは、AIのアーサーだけで、他クルーはARデータとして記憶されている。そのアーカイブされたデータを紐解き、当時タコマで起きたことを知り、事件の真相に迫るのだ。解凍されたデータは、同じタイムライン上に、6人のクルー達が同時進行的にいろんな場所で行動するので、時間を巻き戻してストーキングして、全体で何が起きていたのかを調べていく。
これだけ作り込まれた舞台を、あっさり2時間で終わらせてしまう贅沢さに驚く。
価格も2000円程度なので、映画を劇場で見た間隔でいえば満足できる。
ただ、ゲームとして考えるともったいなく感じてしまう部分が多いのも事実である。
まず、同一タイムライン上で複数のキャラが同時に動く姿は、面白いアイディアではあるものの、もっと面白くできる舞台や伏線の張り方があったように思う。意見の対立や、登場人物が隠していることなど。結構あっさりしていたので、もっとこんがらがせても良かったように思う。
謎解き・パズル要素が単純すぎるような気がした。難易度を高くしてほしいのではなく、「うわ、よくこんなアイディア思いつたな」 というワンダーが、このゲームの謎解きにはなかったように思う。
読み物として、データ破損が多すぎて、楽しくなかった。
テキストデータはもっと多くしてほしかったと思う。
ストーリーのミスリードと、じっくり家探しプレイとのミスマッチを感じた。
このミスリードは、本作の面白い部分でもあるのだけれど、緊迫感が高まり、急かされるようになり、作り込まれた舞台をじっくり調べようとする探求心が削がれてしまった。
総じて、とても可能性を感じるゲームと思ったが、GONE HOMEに匹敵・凌駕するような傑作ウォーキングシミュレーターとは感じなかった。
宇宙ステーションを実際の体験できる臨場感は凄まじいと感じたので、とても満足できた。
今、Steamでセールしてるので、この値段なら言うこと無いと感じた。