モニュメントバレーを開発したスタジオによる自然豊かな島でのひと夏の思い出。
磨き上げられたグラフィックとユーザーインターフェース、暴力表現皆無で、サイバーパンク2077DLCによって荒んだ心が浄化されます。
少女アルバは、地中海の小さな島に住んでいる祖父母の家に夏の間預けられます。
島はシームレスなフィールドとなっていて、様々な生き物が生息しています。
毎年、この島に訪れるため、島の住人にとってアルバは顔なじみのゲストとして歓迎してくれます。同じ年の友達もいます。このムード大好き! 現実世界でも、自分のことまったく知らない場所に行って、みんなが思ってる「私ってこういうやつ」 っていうレッテルを全部無しにしたい、って欲求ありませんか?
青い空と海、きれいな砂浜。森に古い遺跡。離れ小島。島はあまり広くありませんし、建物の中に入ることはできませんが、アルバの子供ならではのチマチマとした可愛いステップで散策するには十分です。
このゲームは雰囲気がピカイチです。しかも雰囲気ゲーじゃなく、ゲームメカニクスもちゃんとあって面白い!
ゲームの目的は、島の国立公園内に建設中のリゾートホテル建設を阻止することです。
アルバと友達のイネスと、鳥オタクのおじいちゃんは、島の動物たち、環境資源を紹介しながら、建設反対運動を始めます。
僕が感動したのは、一概にホテル建設は悪とはしていないことです。当初、島の住人たちは、たしかに自然を残すことは大事だけど、島の観光客は年々少なくなっていってるし、と実益の面からもホテル建設という考えは有りではないか? という考えをもっています。独善的な環境活動よりも、中立な目線から物語が始まり、すごく良い。
たった一週間の島での出来事ですが、日が経つにつれて、どんどんホテル建設が進んでいき、自然が開拓されていってしまう姿が真に迫ります。
ビジュアルスタイルもそうなんですけど、一つの島を舞台に、環境がどんどんアップデートされているスタイルは、マザー3を彷彿としますね。
メインのゲーム内容としては、島の動物たちをスマホで撮影するというもの。
基本は鳥です。
ポケモンスナップのような。
対象年齢的にも、撮影は難しくはないです。
発見できるかどうか。
毎日タスクがふられるので、問題を解決することで、アルバの自然保護活動が認められて、ホテル建設署名者が増えていきます。
ちょっとした道徳教育の側面もあるようで、洗濯物を片付けたり、ゴミを片付けたりというタスクもあります。音やリアクションが気持ちいいので、楽しいです。
このゲームでは、アルバは話さず、ハイかイイエだけ答えるのですが、その受け答えは、カーソルで項目を選択するのではなく、左スティクを縦に動かしてハイ、横に動かしてイイエと答えます。
最初は面倒に思ったんですが、ハイと答えるとアルバは純真な笑顔になり、なんだか自分も童心に戻ったかのような朗らかな気持ちになります。
2.5時間くらいで全実績開放でクリア(と言っても、やり残した要素はあります)。
ゲームとしては小規模タイトルながら、非常に丁寧にコストをかけた作りをしていて、とても満足できました。
Steamで圧倒的好評なのも納得、親しい誰かにも遊んでもらいたい、そんな素晴らしい作品でした。