日本公開初日に見てきました。
構想から公開まで約30年を必要とした狂気のストップモーションアニメ、とプロモーションされて、勘違いしてしまったんですけど、実際は途中でプロジェクトが放棄されて、人形などの小道具が倉庫に眠っていたのを見つけて、クラウドファンディングして撮影再開された、という流れのようです。
カルト・ムービーであり、僕の浅はかな知識では、出来の良し悪しを判断できませんでした。血、暴力、ゲロ、うんこ、退廃、汚れ、地獄、そんなキーワードに惹かれるなら、とても見応えのある作品です。ある程度耐性あるつもりでしたが、気持ち悪さに、3回くらいえずくことになりました。
主人公らしき、ガスマスクの男が、アシュレイ・ウッド氏によるワールド・ウォー・ロボットの主人公そっくりで、そこに惹かれて見に行きました。そしたら、スリーエーやマシーネンクリーガーのロボットが背景に出てくるので、びっくりしました。
ストップモーションアニメの出来としては、手仕事ならではの、動きのぎこちなさが十分にあって、好きなスタイルでした。
圧巻なのは、舞台場面の多さで、驚くほど豊富な場面が用意されています。
ストップモーションアニメシーンと通常のアクターが演じているシーンが混じっていて、その部分は一貫して欲しかったです。
また、CGによる特殊効果がふんだんに使用されており、やはりその部分は、致し方ないとは言え、簡単な方法に頼った印象をうけ、職人技工的ストップモーションアニメとの相性の悪さを感じました。
お話としては、バベルの塔の逸話が下敷きになっているようです。おそらく、宗教的な素養がきちんとあると、度々出てくるシーンの意味がわかってくるのかな?
まともなセリフのない作品なので、解釈は様々できそうです。
個人的な感想としては、地獄の底で宇宙創造のためのビックバンを起こすお話のように感じました。
これ単体で面白いというよりは、感性のある作家さんが、この作品を見て、インスピレーションを生んでいく、というような印象。これもまた新たな宇宙の創造??
凡人の僕には理解不能。わかったようなフリしても仕方がない。
夜勤明けの状態で見ましたが、眠気が襲うほど退屈な映画ではなかったし、作り込まれたセット(作り込みに差がありましたが)やマペットも一見の価値ありでした。
プロモーションの段階で類似性を感じていたジャンクヘッドとは、かなり方向性が違いましたね。僕はジャンクヘッドのほうが面白かったかな。