マーベル・スタジオ製作、ウォルト・ディズニー配給のヒーロー映画です。
2016年公開のキャプテン・アメリカ/シビル・ウォーに先行して登場していた、ブラックパンサーの単独映画です。重要な情報は映画内で説明あるので、こちらから見ても問題ありません。
以下ネタバレ。
制作陣、主要キャストが黒人中心となっており、それが一大ムーブメントを起こした起因の一つであることは疑いありません。映画のメッセージもそこから推測できると思います。
話の作りとしては、結構ありきたりなヒーローモノです。個人や組織として身分を偽るヒーローというのは、必殺仕事人しかり戦隊モノしかり王道パターンですが、国そのものとして偽るというのは、凄く面白い。黒人たちの歴史を鑑みてみれば、風刺が効いています。日本映画のプリンセス・トヨトミを思い出しました。
この映画で一番の見どころは、敵役のエリック・キルモンガーの魅力に尽きると思います。マーヴェルのヒーロー映画のヴィランって、悪に走る理由に共感できるところが素晴らしいですよね。中でもエリックは前評判どおりのアンチヒーローっぷりでした。
身体に殺した人の数だけ自傷行為をしているんですが、それも怖い反面、懺悔の気持ちがあるのかなぁと(映画の中で殺した人の分を、傷付けなかったのは、ちょっと変に感じましたけど)。
彼の最後のシーンですが、欲を言えば、最後の最後までもっと意地汚く世の中に怒って欲しかった。彼にはその資格があると思います。胸にナイフが刺さったところで、結構あっけなく許してしまうのは、ちょっと不満でした。例えば、ブラックパンサーが無理やりエリックを夕日の見えるところまで連れて行く。そこで見た美しい故郷の景色が、人の言葉などを超越して、彼の心の凝りを溶かしていく……そんな演出だったら、もっと劇的だったのになぁ、と思いました。
もう一人、次点で親衛隊のオコエ様もパワフルですごかったです。エリック・キルモンガーが反黒人差別の象徴としたら、彼女は反女性差別の象徴に感じました。
映画の舞台で韓国が出てきたのは、主要キャストが黒人で、敵味方に一人ずつ白人というのをバランス取るためでしょうね。
映画の前半がちょっと退屈でした。
理由は、ワカンダの中に隠れた超科学が、西洋由来の造形+アフリカ由来の造形というちょっと安易な、ワカンダ独自と言う感じがなく、嘘っぽかった事だと思います。歴史から本来の流れを推測すると、超科学の方が先にあり、そこから派生したのがワカンダの土着的な文化であるべきなのに、なんかステレオタイプな儀式で、深みがなく興味をそそられませんでした。
「新アベンジャーズに繋がる物語」とありますが、嘘ではないもののストーリー上ではあまり関係がありません。変に異星人とか登場すると、人種差別のテーマ部分がブレるので、良い判断だと思いますが、映画配給会社の魂胆(これを見ないとアベンジャーズ見れませんよ〜)が透けて見えて嫌な気持ちになりました。
吹替版で見ました。
自分は演技とストーリーは分けて鑑賞できるタイプなので、映像に集中できる吹替がすきでしたが、それでもちょっと違和感のあるキャスティングがありました。まわりの声優とはトーンの違う妙にキャピキャピした声なので、すぐに分かると思います。話題つくりのキャスティングが必要な程度の低い映画ではありませんでしたし、その部分も配給会社の判断ミスに思いました。
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