6年前に全世界の主要なゲームアワードを総なめし、1000万本以上510億円という驚愕の売上を記録したベセスダ・ソフトワークスのスカイリムのスイッチ版のレビューです。プレイ時間は20時間程度です。未クリア。ネタバレ無しとします。
絶賛したゼルダbowを100時間、ケチつけながらも160時間プレイしたゼノブレイド2に続いて、完全洋ゲのスカイリム初プレイは、ビジュアル面からとても不安でしたが、これは凄いゲームです。
まず、オープンワールドのファンタジーRPGと思っていたのですが、6年前のゲームとあってか、むしろマップの作りは昔ながらのつくりです。
広いメインマップに、街やダンジョンでマップ切り替え。ロードはとても短く快適。
オープンワールドゲームってとても曖昧な表現ですよね。シームレスなマップといっても、ゼルダもじつは完全にシームレスではないし(祠の部分)、ウィッチャー3なんかも実際はエリアマップですし、メーカーがオープンワールドと言えばオープンワールドなんでしょう。
スカイリムにおいては、ワールドシュミレータという言葉が一番しっくり来ます。もう一つの世界をつくった、という感じ。それは、日本のゲームメーカーがコストや労力を予測して諦め、「ゲームが幼稚な娯楽である」という固定概念から作れなかったものです。
僕はコンピュータゲームが、人間が今まで生み出してきた娯楽や芸術の最終進化だと思っています。小説が音楽を奏でたり、映画がインタラクティブ性を持ったりするのは難しい。対してコンピュータゲームで表現できないことは何もありません。まさしく、もう一つの世界を作ることもできる。
このゲームはR18指定のゲームです。
理由には残酷な表現、殺人や窃盗など反社会的な行動も自由というところがあると思います。その部分だけ切り取ると、一部の人間のゲーム批判に繋がるかもしれません。ゲームが犯罪に結びつくという、短絡的で責任転嫁の説にはまったく同意できませんが、僕は、いわいる殺人ゲームには興味がありません。
ゲームにおいて、僕が好きな部分は、現実の自分が出来ない体験をできるという部分です。
ゲームで殺人や窃盗の自由を「ヒャッハー!」と行使する人間は、「子供」なのだと思います。
この世界が仮想の世界だったとしても、「大人」として自分を律して後ろ指を刺されないような行動をする。あるいは、この世界は現実じゃないんだから、時代背景などを加味して修羅の道を行くのも「大人」な判断です。そういう意味で凄く大人なゲームだと思いました。
僕は、インゴットや魂石などは死蔵していても意味がないだろう、市場活性させるためにコレを使ってアイテムを作るぜぇと、狡い「大人」プレイしています。
ゼルダBoWに無かったもの
ゼルダは本当に素晴らしいゲームなんですけれど、物足りなさがやっぱりありました。それはストーリー、舞台背景です。ガノンを倒す、明瞭な目的でしたが、味気なかった。
舞台となるスカイリムとは、どこか北欧を思わせるタムリエル大陸のひとつの地域なのですが、非常に重厚な歴史があります。
かと言って話がわかりにくいわけではなく、ゲームを進めていると違う登場人物の口から同じ話を念仏のように繰り返し聞かされることになるので、すんなりと舞台背景が覚えられます。フルボイスなので、いちいち読まなくても耳から入ってきますよ。
ゼルダのマップがスカスカっていう批評があったのですが、単にオブジェクトやイベントがないというだけではなく、緊張感が足らなかったのが大きいのでは、と思いました。
スカイリムでは、旅には緊張が付き物。凶暴な獣が襲ってくることや、向こうから人がやってきても、味方なのか盗賊などの敵なのか判別できず、緊張します。しっかりしたイベントではなくても、常にドラマがあるんです。
素晴らしいユーザーインターフェイス
この部分を自分は一番に推したいです。
人によっては味気ないと思うかもしれませんが、ユーザーインターフェイスは機能です。日本の作り手はデコレーションする仕事だと思っている節があります(ゼノブレイド2のUI担当の人は、勉強しなしてください)。
カーソルキーだけで階層を移動でき、とても明瞭です。
不要なインジケータは通常は隠れていて、コンパス表示だけ。
ゲームの中に没入できることができます。
この並びが良い。
上を押すとスキルなんですが、スキルツリーは星空をモチーフに。
だから上。
対して下は地面なので、地図。
+ボタンは、クエスト状況やシステムなど。
キチンとルールが確立されています。
ゼノブレイド2の……(以下略)。
唯一の不満点……だけど気にならなくなった
海外品・6年前ってことも加味しても、やはりキャラクター造形は厳しいモノがあります。
わりと美形キャラと言われているリディアさん。
でも、実は遊んでいて気にならなくなってきました。
PC版などのMODで改造できるとカッコ良く・可愛くできるそうなんですけど、スイッチ版では無理かな〜と。それよりも、やっぱりスイッチ版のどこでもプレイできて、インスタントオンですぐ始められるっていうメリットが大きい。
ただし、エルフやダークエルフの造形はあんまりだ……あんまりだぁああああ!
まとめ
結果的に不満は特にありません。
欲を言えば……ってところはありますが、JRPGに慣れてきたところがあるので。
重厚な作品なので、電源オンするところまで、ちょっと精神的障壁があるのですが、スイッチはその点インスタントオンで楽ですし、一度スカイリムの地におりれば、夢中になります。
このゲームは、どことなくロマンシングサガを彷彿とするところがあります。きっと正常進化した先にあった作品なんでしょうね……その点は日本人として、とても悲しいです。
最後に使いきれなかった画像を貼り付けて。
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