わずかな枯れ木・落ち葉・松ぼっくりなどでお湯を沸かす事ができるウルトラライトケトル社のmケトル(公式サイト)のレビューです。
衣食住のうち、食と住に関してはひと通り揃ったので、そろそろクロージングの充実を図ろうと考えていたのですが、なぜか、手元に来たのは、この商品でした。
ストーブとしては、エバニューのチタンストーブセットをもっていますが、この商品はアルコールストーブのチタンストーブセットに対して、mケトルは、枯れ木・落ち葉・松ぼっくりなどを燃料として使う、いわいるネイチャーストーブです。
(*チタンストーブセットもネイチャーストーブ、エスビットストーブとしても使えるし、mケトルもアルコールストーブやエスビットを仕込むことができますが、主な用途として)
◯構造
断面はこうなっています。
要するに、薬缶の真ん中が煙突状になっていて、下部の燃焼皿の熱を余すこと無く水に伝えることができるようになっています。原型はアイルランドの漁師さんが100年位上前に考案したものだそうです。このような仕組みの薬缶の代表格として、ケリーケトルやストームケトルが挙げられますが、重量・容量的にハイカー向けではないように感じました。
今回紹介するmケトルは、ケリーケトルやストームケトルに比べると、重量は軽く、容量もソロには十分です。また、そのまま素手で持てるようにスリーブが付いていて便利そうです。
◯主な仕様・重量
【重量】
スタッフサック:実測 20グラム
薬缶本体:実測 315グラム
燃焼皿:実測 68グラム
キャップ:実測 11グラム
合計:実測 414グラム (公称値370グラムなのですが・・・、本体と火皿の重さなのでしょうか)
【容量】
530ml(吹きこぼれることを考えると、500ml程度が現実的)
【外寸】
収納時:高さ19センチ×幅11センチ
使用時:高さ24センチ×幅11センチ
【生産国】
イギリス
◯ディテール
シルナイロン製のスタッフサック。
口が窮屈です。Dリングが付いていますが、どう使うことを想定しているのでしょうか・・・。水が入った状態で、バックパック内で誤って零れてしまうかもしれない事を想定して、外に括り付ける、とか・・・?
中身。けっこう、厚みのあるアルミニウム製のケトルです。このモデルは、mケトルとしては第2世代で、表面加工がハードアノダイズド加工にアップデートされています。ハードアノダイズド加工というのは、よく聞くアルマイト加工の強化版らしいです。
燃焼皿がスタッキングされています。
こんな感じで、燃焼皿を裏返し、この上に薬缶を載せればいいのです。
薬缶をしたから、煙突部分を覗く。
デットスペースが結構ありますので、そこにアルコールストーブやライター、着火材などを入れておく事ができます。
シリコン製の栓をすれば、ウォーターキャリーとして使えます。どの程度密閉できるかわかりません。ふとした拍子で外れそうで、ちょっと怖いですね。
◯燃焼させてみる
一番下に燃えやすそうな枯れ草、落ち葉などを敷き詰めます。ナノストライカーでは燃えひろがらなかったので、着火材として、ポケットティッシュを2枚ほど千切って敷きます。
安定して燃え出したら、適当な長さに折った小枝を煙突上部から投入します。
そうそう、シリコン製のキャップは必ず外すこと。ヘタすると、爆発しますからね。
燃料が湿気っていたり、急いで投入したりすると、火が弱くなるので燃焼皿の吸気口に息を吹きかけると、また勢い良く燃えます。
渦巻いた炎が煙突の壁面を舐めるように登っていきます。
火の世話をしなければいけないのを楽しいと思うか、面倒だと思うか。
僕は楽しくて、黙々と枝をくべ入れて、時間を測り忘れてしまいました。10分はかかっていないと思いますが・・・。
ぼこん、と音を立てて、お湯が噴き出ます。火が消えそうになるので、連続してお湯を沸かしたいときは、目一杯に水を注がない方がいいと思います。
スリーブが巻かれているので素手て持つことができます。お湯が吹きこぼれると、お湯がスリーブに掛かって持てないかもしれません。
注ぎ口が単純な穴なので、ちょろちょろとお湯を注ぐには向いていないですね。
あとは、コーヒーとチョコレートとゲームでブレイクタイム!!
お湯が掛かってしまい、火が消えたように見えましたが、余熱でしっかり、最終的にはここまで炭化しました。
◯後始末、火の始末はしっかりと。
後始末といえば、煤、木の脂は結構べったり付きます。
掃除は大変そうですが、ただ単純に木を燃やすという行為は楽しいですね。燃料のコストのことも考えなくてもいいですし、燃料がある限り燃焼させることができるので、寒い朝に温かい飲み物と一緒に暖をとることもできます。
重量についてですが、プロダクト単体で考えると、エバニューのアルコールストーブセットよりも重いのですが、アルコール燃料を持たなくてよい分、十分勝負できる選択かと思います。