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CrossCode(Steam版) - 16bit世代に贈られた最新SFCスタイル超大作

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あなたがもし、ゼルダの伝説神々のトライフォースや聖剣伝説2、天地創造などのスーパーファミコンソフトのアクションRPGが大好きだったら。

パズルが嫌いではなかったら。

ここ数年に購入したPC(Mac、Windows、Linux)を持っていたら(最低動作条件が2GHz デュアルコア、2GBメモリ以上なので、かなり低スペックのPCでもプレイ可能。持っていなくてもSwitch版が開発中)。

以上の条件を満たす人は直ぐにプレイすべきです!

僕のプレイ時間は現在20時間程度。おそらく中盤かな? ネタバレなしの紹介記事です。

 

当時のゲーム体験がゲーム人生の最高点だったという人がいると思います。しかしながら、悲しいかな、当時のゲームを再プレイしてみると、UIが不親切であったり、演出が貧相だったり、難易度調整が酷かったりで「思い出補正」という現実にさらされることも多くありませんか?

クロスコードは、独立系開発スタジオ「Radical Fish Games」による16ビットスタイルのアクションRPGです。

演出面やUIは現代の水準になっており、非常に遊びやすくなっています。ボリューム満点で、もはや現代に発売されたスーパーファミコンのAAAタイトルです。

 

グイグイ引き込まれるストーリー

遠い未来、「クロスワールド」という現実の月をまるごとテラフォーミングして舞台とするゲームが生まれました。プレイヤーは「インスタントマター」と呼ばれる軽くて脆い物質でできたアバターを遠隔操作します(NPCやモンスターも)。

 

プレイヤーの目的は、古代人の足跡「オペレーション・トラックウォーカー」を完成すること。クロスワールド各地の神殿を潜り、古代人の謎を解き明かすというのが趣旨です。

 

一方で、主人公レアは、昏睡状態から目覚め、記憶の一切を失った状態です。記憶を取り戻すため、かつてプレイしていたクロスワールドをもう一度プレイして、記憶の断片を想起させていきます。

彼女は一体何者なのか。そして失った記憶とは。先の読めない展開と深いキャラクター描写で、レトロな2Dゲームとは思えないほど豊かなゲーム体験を得ることができます。

 

 

アクションゲームとして:360度シューター+2Dのゼルダ時オカ

現代のゲームらしく、ボタン操作はかなり複雑です。

近接攻撃、遠距離攻撃、防御、回避の基本動作に加えて、その動作に対応する必殺技……さらに4つのエレメント攻撃……その必殺技……と派生を考えるときっちり覚えて攻撃するのは、僕には無理でしたが、難しく考えずにボタン連打でも大丈夫です。

 

ただし、ザコ敵においても、きちんと弱点が存在しますので、闇雲な攻撃は戦闘を長引かせることになります。手順をしっかりと踏んで、防御力が大幅にダウンする「ブレイク」状態にすれば、ボコスカと敵を倒せます。

戦闘状態を維持すれば、アイテム獲得確率がアップし、戦闘を辞めればHPが完全回復します。ほとんどの敵はこちらから攻撃しなければアクティブになりません。このあたり、すごくモダンで遊びやすいです。

 

右スティックで狙いを定めてボールを投げることができます。

弾数が無制限なので360度シューターのようなプレイフィールになります。

狙いを定めないとかなり照準が暴れます。

 

一定時間狙いを定めるとチャージショットとなり、敵をスタンさせたり、壁を跳ね返ってパズル攻略のキーになります。

 

ダンジョンの最後には巨大なボスが登場します。

ゼルダの伝説のようにパズル要素があり、特定の倒し方があります。

 

海外ゲームらしく、難易度はかなり高めとなっていますが、プレイヤー側である程度調整することができます。どうしても勝てないときは、ダメージ量や攻撃頻度を落とすことができます。

自分は攻撃頻度はそのままで、ダメージ量をへらす事が多いです。

 

マップは高低差があり、2Dグラフィックなので、誤認しやすい。次の足場に向かってボールを投げて弾き返されたら着地できないとわかるんですが、そんなひと手間はしないので、落下してイラッとします。騙し絵的というか、これもパズル要素のひとつとして捉えることができるので、一概に悪い評価とすることができません。

高低差によって植生が変わるとか、地面がハイライトされるとかのアシストがあっても良かったと思いますが……キノコなどはかなり分かりにくかっったです。

ジャンプはゼルダの時のオカリナのようにオートです。縁に向かってスティックを倒すと勝手にします。飛距離は調節しなければならないので、落下ダメージもあります。ジャンプがオートなのは、遊びやすくするのと、高低差がわかりにくいことへのアシストなんだと思います。

 

パズル要素:かなり多めで好き嫌い分かれるかも

特にダンジョン内ではパズル要素が高めです。

単純に箱を押してスイッチを押す、爆弾を飛ばして破壊するなどもありますが、メインはボールを飛ばして、壁に反射させてスイッチを押すというもの。

一つのダンジョンの中のパズルのボリュームは相当な量で、スキップができないので、パズル嫌いの人にはオススメできません。

嫌いじゃない僕だって、フロアに広がるピタゴラスイッチ的なパズルを見て、面倒にになる場面も多いです。

ゼルダにかなり影響を受けている本作ですが、パズルを解いてもジングルが鳴らないのは物足りないですね。

 

個人的に一番の不満が、現実世界をゲームにしているのに、物理法則が準拠していない点です。これについては、メタ的に登場人物もボヤいているんですが、特にパズルにおいてミスリードが多発します。

新しい操作がでてくると、それによって既存のオブジェクトがどういう挙動をするのか確認しなければなりません。

爆弾を例にあげます。爆弾に向かってボールを投げると、バウンドして一定時間経つと爆発します。爆発前に爆弾にボールを当てるとその瞬間に爆発します。ゲームを進めると炎を付与する能力を得ます。ボールに炎をエンチャントして爆弾に当てると、爆弾はカーリングのようにすっ飛んで行き壁にあたって爆発……という挙動になります。カーリング中の爆弾にもう一度炎付与のボールを当てると……予想は導火線に火のついた爆弾ですから大炎上と思いませんか? 実際は、当てた方向に向きを変えることができます。

このギミックを使って謎を解く場面があるんですが、なかなか解らなかった。インディーズ作品なので、攻略サイトなども全然網羅されていませんし、偶然解けた時、「なるほどね!」とはならず、「マジかよ……」ってなる。パズルとしては評価できません。

少なくとも、何らかの方法で事前にそれとなくレクチャーできるようなレベルデザインができていれば……と思いました。例えば、その謎解きの前に爆弾を投げてき中ボスが出現し、弱点は爆弾を弾き返して倒すなど。

 

ボリュームについて

このソフトは通常価格1980円なんですが、本編30時間にサブクエスト50時間の計80時間ほどのボリュームと言われています。増長なカットシーンや音声もなしにこのボリュームとコスパは相当なものです! 長いだけのつまらないゲームじゃないんです! サブクエストもバックグラウンドの理解が深まるものや、ストーリーが展開するものが多数あって面白いです。

受注制限などないので、とりあえず受けておいて、ダンジョン攻略に詰まった時などにクリアするのが良いと思います。

 

また、装備品などは通常販売品でも十分なのですが、必要アイテムを集めて交換できる強力なトレード品があります。これだけでも他のゲームにおける「お使いクエスト」のようなものであり、十分コンテンツとしてなりたっています。

 

さらにバージョンアップによるサブクエストの追加が今でも行われており、4月には大幅なアップデートでニューゲーム+や、ボスラッシュモード、別キャラ視点のモード、DLCなども予定されているようで、遊び尽くすのは容易ではないタイトルとなっています。

 

今遊べる16ビットの最新作。レトロゲームが好きでしたら、損はしません!

 

クリア後の感想

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