今回の玩具は、ホラー・グロテスクが苦手な人は閲覧注意かも知れません。
(多分)アメリカのメーカーMiscreation Toysさんの Autopsy Zombie Staple Babyをケンストイワークスさんがカスタムペイントされたものになります。
当初は全て通販で販売される予定でしたが、Miscreation Toysさんからの要望で1年程前のスーフェス68で半数(?)が先行販売されました。
残りは通販される予定とインスタでアナウンスされていたので、楽しみにしていたのですが、待てど暮らせど音沙汰がなく(万年金欠の僕にとっては良かったのかも?!)、どうしたのかな〜と思っていたら、去年の11月末にスーフェスで販売されたのとは別バージョンで抽選販売され、幸運なことに当選いたしました。
今回の塗装の目玉であり、正直なところ不安に思っていた塗装技法なのですが、実物を見てビックリ! 細かい造形を邪魔するところか、モチーフを更に引き立たせるような効果があります。すんごい!
途中で、もう無理ッ! ってなるかもしれませんが……一種異様な目眩く世界をご覧あれ!
◯全体
Miscreation Toys、おそらくミスクリエーショントイズと読むのだと思いますが、不出来玩具とでも訳したらよいのしょうか。ネットスラング的な、ダサいはカッコイイ的な、ナウい的な感じのメーカー名です。
Autopsy Zombie Staple Babyは、検死後、縫合されたゾンビ赤ちゃんという感じでしょうか。 Autopsy は検死(死体解剖、剖検)、Stapleはホッチキスの針とか、かすがいの意味をもっています。うーん……名前も凄いな。
6パーツ成形のソフビの赤ちゃんです。成型色はライムグリーンかな? 赤ちゃんのソフビと言うと、ご存知キューピー人形があり、それとの対比としてもモチーフが面白いですね。
自立しませんが、爪先立ちさせると高さは約22センチ。
座らせた状態だと16センチ程度になります。
非常に肉厚で、案外手に馴染みます。
造形に関して素材はソフビですが、日本のビンテージソフビから受け継がれた、ある種のお約束的なものは感じられず、精巧な造形は映画に使用される小道具のような印象です。
◯顔、顔、顔
身体中に顔が造形されています。ただ顔がいくつもあるだけではなく、一方から見ると左目だったのが、少し角度をかえると違う顔の右目だったり、一つの口を上下の顔で共有していたりします。心の病んでしまった画家の描いた自画像のような、不気味さを感じると共に、それぞれの顔の表情が苦悶を浮かべているため、今も分裂していきそうな生命感があります。
人間というのは、パターンを見つけるのが得意な動物とされています。人の顔というのも一つのパターンであり、例えば(^▽^)や :) 、街のビルの窓と入り口の配置、車のライトとフロントインテーク……などが人の顔に見えるのはその為です。
今回、ケンストイワークスさんは、全面に塗料の飛沫を飛ばして点描画のような効果を出しています。この事によってディテールが潰れてしまうかな、という心配を勝手にしていたんですが、人間のパターン認識力の補正がかかっていうのか、塗装がむしろ造形を、より見応えのあるものに変えているような気がします。じっくり見て、塗料に隠れた小さなディテールを見つける楽しみもあります。
この技法は、最近ケンストイワークスさんのお気に入りのようで、インスタではスパッタと書いていましたが、おそらく絵画でスパッタリングと言われている技法で、これは金網に塗料を付けたブラシを擦りつけて、飛沫を飛ばす方法です(ケンスさんが、このような方法を使っているのかは不明)。おそらくですが、エアブラシの洗浄の手間がなくなる分、色数も豊富に使えるのではないか、と睨んでいます。
◯その他細かい造形
解剖のための開腹の傷と縫合痕。じっと見ると、オエッときます(褒めてる)。
全身に肉腫ができています。
オシメ。
指の造形の可愛らしさと全体のギャップ。
あんよも可愛いですが、よく見ると爪が剥がれています。
以上、Autopsy Zombie Staple Babyでした。
正直、これを沢山コレクションすることは無いと思いますが、玩具コレクターとして、凄く見識が広がりました。数あるソフビの方向性の一つの極地といいますか、凄いやつゲットしちゃったなぁ! という感じです。
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