MEDICOM TOY × T9G(MUSEUM) /
VAG(VINYL ARTIST GACHA) SERIES2 :rangias
VAG三回目は代表作ランジアスをセルフパロディ化したランギ(偽)アスです。
シリーズ2で唯一、ご自身で原型まで手がけられた作品。
前回記事:
この作品が意図するところは、粗悪な模造品がもつ、独特の残念感を表現する、と言う事だと思います。セルフパロディではありませんが、それこそザリガニワークスさんの「コレジャナイロボ」は、その手の代表格かと思います。
コンセプトを踏まえると、ランギアスはある意味失敗作なんじゃないか……、と画像で見る限りは思っていました。
このブログでも紹介したティム・ビスカップ版ランギアスをパチモノと、誰が言うのでしょう。それくらい、コピー商品と言うには「良すぎる」と思ったんです。
実際の製品を見て、その辺りがどんな風に感じるか楽しみな作品でした。
バケツを2つ組み合わせたような単純なボディに細やかな造形で「ランジアスっぽさ」をプラスしています。
背中の角はまさにランジアス。
背びれの造形などは、コピー品と言うには上手すぎるという感想は、どうしても抱いてしまいます。コピー商品が持つ”意図していない面白さ”は狙って作れるものではない、という証左となってしまったのかも知れません。
ただし、手足の感じなどはコンセプトをキチンと表現していると感じました。
プラ板を貼っつけたような手、分割されずに一体となった両足から漂う残念感にニヤリ。
もう一つ、これは意図している訳ではないと思いますが……。
今回のランギアスは、T9Gさんの特色でもあるドールアイが使用されています。500円のガチャにこの仕様、やるなァ! と思っていたのですが、このドールアイのクオリティの低さが、コンセプトに適っていて面白いと感じました。
日本製の猫太郎と比べると一目瞭然です。磁石が弱くてキチンと付きませんので、時折目を回しているみたいに見えます。
最後にベアプリック版のランジアスと。
今回のレビューでは、コンセプトを中心に色々偉そうに書きましたが、そうしないと「可愛い」で感想が終わってしまいそうでした。製品そのものは凄く良いです……と言うか、本当に「パチモノ」が出てきたら、購入する人は限られてくるでしょうし、良い落とし所だったと思います。
◯次回予告