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ミロクトイ / Dr.ミロク プロトタイプカラー

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前回記事に書いた通り今回から複数回に分けて、ミロクトイさんのオリジナルソフビシリーズ「ミロク博士の奇妙な発明」から、Dr.ミロク、三天王&ホッピング邪鬼つぶし、ミロクアタックの3点のプロトタイプカラーDr.ミロクセットに、ミロクロケットのナイトクルージングカラーを加えた計4点をレビューしていきたいと思います。

ミロクトイ ミロク博士の奇妙な発明シリーズ 到着編 - smogbom

 

Dr.ミロクセットは、今までの販売時とは下半身を付け替えて、DRミロク邪鬼つぶしと、三天王タンクとして販売されましたが、すっかり忘れていて写真を撮ってしまったので、最初の組み合わせで紹介していこうと思います。バリエーションについては、別個に記事を書こうと思います。

 

まずは一回目、Dr.ミロクからです。

 

 

◯全体を見る

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もう、これは手のひらに入る小宇宙ですよ。

仏教思想において、己の信仰対象を自分の内に置くことを内道、外に置くことを外道ということを最近知ったのですが、まさしく、仏教的なミクロコスモスを感じますよォ! これは!

今回、プロトタイプカラーと題されましたが、グレーをベースカラーにして部分部分をガンメタで塗装し、差し色としてポップなカラーを入れています。墨で汚し塗装も入っているので、かなり手の込んだ塗装だと思います。ベースカラーのためか、石像のようで仏像をモチーフにしたDr.ミロクには、とても親和性の高いカラーリングだと思いました。

ちなみに、素体色が微妙に透けてるところはありますが、ベースカラーも塗装で処理さてています。

 

◯大きさにビックリ!

f:id:smoglog:20140614055957j:plain▲ベアブリックと比べてみるとこんな感じ。

想像していたのと半分の大きさでした。この細工の細かさは、ソフトビニールという素材を考えると、信じられないくらいです。アメイジング!

 

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▲例えば、この胸の部分のダクト? なんですが、定規を当てて図ると、長辺が3ミリ、短辺が2ミリくらいの長方形です。

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この中にキッチリ真っ直ぐなモールドが彫ってあります。スゲー!!!

 

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 ▲右手のロボアームのミロクの「み」の字にも、リベット痕が彫ってあります。ともすれば野暮ったいくらいのディテール量を奇妙なバランス感覚で成立させているように思います。

このバランス感覚に寄与しているのは、機械と生体と仏が入り乱れることによる一種の生理的嫌悪感ではないか、と思うのです。人間というのは、理解不能なモノに心を奪われ、自分が心動かされた理由を知りたいと思うものです。整理整合されたものより、ミステリアスなものに魅力を感じてしまう。

……と、まあ、そんなことを考えながら、ジロジロと、ためつすがめつしてしまうオモチャです。

 

◯3つの顔

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▲ひとつ目の顔。印刷ではなく、キチンと彫られているので、ライティングで顔の感じが変わります。能面と同じですね。

 

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2つ目の顔。後頭部には搭乗者でしょうか。苦悶の表情をしているように思います。やがて、涅槃を迎えて仏陀となる菩薩の頭部の中では一般人は精神崩壊してしまうのでしょうか……。

 

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▲3つ目のお顔。タンクの裏面にも。

地雷を見つけたりするんでしょうかね?

 

◯パーツ構成

上半身、右腕、下半身の3パーツ構成となっています。シリーズということで、腕が違うバーションなどもあるかな? 今後の展開も気になりますね!

競争率はますます高くなっていくでしょうが、イベントにも通販にもできる限り参加してコレクションを増やしていきたいです!

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◯ここから読まなくてもいい、しかも間違ってるかもしれないウンチク

仏教の創始者であるゴータマ・シッダルタ(お釈迦様)の死後の不在の時代を末法と言いますが、5億年後だか56億年の後に現れる次の覚者が弥勒菩薩となります。

仏ゾーン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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ちなみに菩薩というのは、涅槃(ニルバーナ=悟りをひらく)を至る前、つまり仏になる前の人間の状態のことです。

僕の家は浄土真宗なのですが、多分、日本の多くの檀家さんは、浄土真宗含め大乗仏教という仏教の大きなグループに属していると思います。

大乗仏教というのは、仏に祈りを捧げることで、死んでも救われますよ、という教えです。自分の力ではなく、仏の力で救いを求めるので、他力本願とも言います。宗派によって違うかもしれませんが、大乗仏教徒にとって、死後の救いは既に保証されているので、「ご冥福をお祈りします」という言葉は凄く失礼にあたるんですね、実は。僕も怒られたことがあります。

 

大乗仏教に対して、小乗仏教というのがあって、コチラのほうが歴史が古いんです。一人ひとりが沙門(修行僧)になって様々な苦行に耐えて、自力で悟りをひらくという方法です。古代インドにおいては、この考えが一般的でした。むしろ、仏教そのものもその教えの中の一つでした。一般的にならなかったのは、昔は身分制度も厳しいし、飢饉とかで飢えで苦しんだりして、今のように恵まれた時代ではなかったからです。すくなくとも、一般農民は日々の暮らしで手一杯です。断食したり、肉体を傷つけたり、欲望を捨てたりするのは苦しいし、大変なので、大乗仏教という思想が生まれたという訳ですね。

 

僕自身は、ずっと無宗教な人間と思っていたのですが、自分が困難に立ち向かい、自分の中で答えを見出していくという小乗仏教の考えは、自分の中にずっとあったし、多くの人も実践してると思うんですよね。

日本においては、宗教の話題ってタブー視されているところがありますが、上手く転用すれば、金言ともいうべき示唆や哲学があるように思います。

今という時代だからこそ、自分自身が納得のいく「悟り」がひらけるんじゃなかろうか、明日のミロクは俺達だ! 

そんな所で、次のレビューも読んでくださいね!!