ソフビそのものについて、僕の独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。
今回は、第一回目でも単独で詳しく書きたいと思った「ソフビってなんだろう?」という問いについて深掘りしたいと思います。
第一回目で僕は前提として、ソフビとは「中空構造の軟質ポリ塩化ビニル(塩ビ、PVC)で作られた玩具」としました。大雑把すぎるのは承知の上でした。
記事の中で例として写真にあげた「ソフビ」の中にも、読んだ人の中には「ソフビとは思わないもの」が混じっていたことでしょう。なぜなら、ソフビはまだキチンと定義付けされていません。例えば、アイスだったらアイスクリームとラクトアイスとで乳成分何%だとか決まってますよね。ソフビは、僕の主観では「ソフビ」と「ソフビではないもの」に分けれますが、実際は3区分目「ソフビと、そうじゃないもののハイブリッド」が存在していて、この世のソフビはそれがほとんどなんです。この「ハイブリッド」の中で、「ソフビ」か「非ソフビ」の判断はアナタ次第です。そのせいで、アナタにとって「ソフビではないもの」が記事の中でソフビとして紹介されていても不思議ではありません。
以下、3つの観点からソフビについて語りたいと思います。
1.メーカー、作家が「ソフビ」と言ったらソフビである
当たり前のことなんですが、例えば3Aのスクウェアって頭部はPVC製……ソフビです。しかし、これはソフビとして認識している人はいないでしょう。脚部がABS製だから? 塗装がリアルすぎるから? 仮に未塗装で、脚部もPVCで出来ていたらソフビになりますか? なりませんよね。だって、メーカーがソフビって言ってませんもの。アクションフィギュアなんです。
ソフビはソフビメーカーやソフビブランド、ソフビ作家が出すものです。ちょっとした変化球のソフビを出しても、ソフビ作家さんが出したら、素直に受け止められるじゃないですか。
いくら作家さんが「ソフビ」と言っても、「俺はソフビじゃない」と思うというような作品もあると思います。これってソフビかそうじゃないかではなく、嗜好の問題なんだと思います。芸術家が「これがアートだ!」と言っても「俺はアートじゃないと思う」ってのと同じです。
2.ソフビはソフビで出来ている
またしても当たり前のことです。
こう考えてください。ソフビだけで出来ているものこそが、一番純度の高いソフビだと。そうなると、それ以外を使っているとソフビじゃないのか? って思うかもしれませんが、そうではなく「ハイブリッド」に類するとお考えください。
ドールアイや、布パーツ、金属パーツ、フロッキー加工、レジンパーツ、メッキ加工などを使っていると「ソフビ」から少しかけ離れていきます。それが許容範囲か範囲外かはアナタ次第です。
例えば、リアルヘッドさんの首のスカーフ。これはソフビではないものなので、純粋なソフビからは少し遠のきます。この理論、変じゃないですよね。でも僕は、リアルヘッドさんはソフビ作家さんと認識していますし、スカーフはオプションパーツなので、ソフビの範疇と考える訳です。
ドールアイや、布パーツ、金属パーツ以外にも、まだまだありますよ。
例えば接着剤。これもソフビではありません。接着箇所が多ければ多いほどソフビからはかけ離れていく、という考えです。
あとは塗料です。塗装が凄く凝りすぎて「ここまでやっちゃうとソフビじゃないよな」って感想を抱いたことはありませんか? モノの良し悪しではありません。嗜好の問題です。
3.ソフビは手に持って遊ぶものである
写真のドラえもんは、ほぼ100%PVCで出来ていますが、僕の中ではフィギュアです。手に持って硬いというのもありますが……。
フィギュアは棚に飾るものです。アクションフィギュアも触るけど、ポージングさせて飾って鑑賞するものなんです。
対して、ソフビとはもともと子供が触って遊ぶものです。遊んだあとは、おもちゃ箱に片付けるもの。
棚に飾ってディスプレイするのは、大人が持ち込んだ作法だと考えます。これによって、フィギュア的な性格をもつソフビが生まれました。
これも、ソフビか、そうでないかを判断するのはアナタ次第です。
僕の中で、KAWSはソフビではありませんが、ジャイアントミロクはソフビです。
最初、ソフビに大事なのって、カンチャクの軸可動だと思っていたんです。しかし、有名な作品であっても、カンチャク穴が異型で可動しないものも多いですし、なんといっても指人形です。可動こそがソフビたる条件なら、指人形はカテゴリーに外れてしまう。しかし、実際は指人形ほどソフビらしいソフビはありません。このことから指につける……つまり手に持って遊ぶことが主となるソフトビニール製の玩具が、ソフビである……という結論に達しました。
まとめ
ソフビコレクターは、「ソフビ」を集めています。僕が「ソフビではない」と思っているものも「ソフビ」としてコレクションしている人がいるのです。ソフビって不自由なものではなく、未だに範囲が広がっています。メーカーさんや作家さんがチャレンジして、どんどん発展していっているのです。
次回は「怪獣」をテーマにする予定です。
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