初めての民芸品通販で購入分は今回で最後になります。
今回紹介するのは、購入先のキャロルさんの特別企画で販売されたこけしになります。
こけしの中でもえじこという種類があり、「嬰児籠(えじこ)」とは藁や木、竹などで作られた昔のベビーベットのことです。えじこに入った赤ちゃんを表現した、こけしなのですね。
現実のえじこは、不衛生だったり、発育の妨げになるということで、衰退してしまったようですが、こうして民藝の中に失われた文化が息づいているなんて素敵じゃないですか。
今回のおばけえじこは、題材も作り方も、普通のえじこと比べると特殊なようです。正直、初心者の僕が購入するレベルのものではないのかも知れませんね。フリージャズみたいに、数寄者が行き着く先に辿り着くみたいな感じの作品なのかも……。
インスタグラムのフォロワーさんの投稿で存在を知りましたが、如何にも人気がありそうな感じで、すぐに売り切れてしまうだろうなぁ、と思ってました。
白坊主の他にも種類がたくさんあり、そのラインナップをご覧戴けるとわかるのですが、白坊主が一番華が無いです。正直。でも残っているとは思ってなくて、思わず購入してしまいました。
実物を見ずに購入できるネットショッピングに手を出してしまったら、もう止まらなくなると思っていたので、この白坊主が残っていなかったら、もしかしたら、今でもこけし蒐集に熱が入ってなかったかもしれませんね。
白坊主が一番華が無いって書きましたけれど、届いて手に取り、一番気に入ったのは、僕は白坊主ですね! その理由なんかも書いていきましょう。
◯白坊主とは
白坊主(しろぼうず)は、日本各地に伝わる妖怪の一つ。一般には白い坊主姿の妖怪とされるが、地方によって様々な伝承がある。
なにやら、日本各地で目撃される妖怪のようですね。
静岡県富士郡芝富村長貫(現・富士宮市): その昔、どんどん焼きをしていると毎年のように、白鳥山から白坊主が「ほーい、ほーい」と呼ぶため、気味悪くなってこの行事をとりやめたという。白鳥山の南にある大鏡山からも白坊主が現れ、この白坊主を見た者には災難が訪れるともいわれる。 戦国時代のこの地には狼煙台があり、どんどん焼きは狼煙と見誤るために制限または禁止されたという説もあることから、白坊主とはこの狼煙台の守備兵を指しているとの解釈もある。
災い! オソロシヤ、オソロシヤ!
でも、夜に口笛を吹くとお化けが出るぞ! 的な戒めの意味が込められていた感じもしますね。
ほーい、ほーいって、なんだか、のどかですね。
どんどん焼きとは、もんじゃがルーツになった料理で、後にお好み焼きの元になったようです。
大阪府 :南部では、夜道で人が出遭うといわれるのみで、それ以上の具体的な話は残されていない。タヌキが化けたものという説があるが、定かではない。
大阪の和泉では目・鼻・口・手足のはっきりしない、絣の着物を着た全身真っ白な坊主とも、風船のように大きくて丸い妖怪ともいい、いずれも人を脅かすだけで危害を与えることはない。キツネが化けたものともいうが、土地の古老によれば、この地方のキツネは藍染めの縞模様の着物を着て現れるため、キツネではないという。見越入道に類するものとする説もあるが、見越入道のように出遭った人間の前で背が伸びてゆくといった特徴は見られない。のっぺらぼうの一種とする説もある。
で、お好み焼きが名物の大阪では、特に害のない妖怪のようですね。
正体もあやふやに。
広島県安芸郡倉橋町(現・呉市) :カワウソが脚に継ぎ木をして2メートルもの大きさに化けて人を脅かすといい、これに出遭ったときは地上1メートルあたりを殴ると良いという。
武闘派! タヌキ・キツネからカワウソに……???
熊本県天草郡本渡町(現・天草市) :本渡町の中央にあるクスノキの中に住み着いている白髪の老婆が白坊主の母親だといい、そのクスノキのそばを夜に通ると、老婆が白坊主の着物のための糸を紡ぐギーギーという音が聞こえたという。この木を切ったところ、真っ赤な血があふれ出したといわれる。
今度は木に。しかもお母さんの話だし。
ってな訳でよく解りません。
ですから、実物見たままの印象から感想を考えます。
まあ、真っ白いですよ。今でも一つ残っているのも納得できますけれど、僕は凄く気にいってます。何故かと言いますと、この真っ白い顔は、鑑賞する人の心を映し出す鏡なのでは、と思う訳です。
その鏡に映し出すのは、なにか恐ろしいモノなのか、それとも……それは想像次第ですっていう解釈をしました。
ヴィドック ― 2枚組 DTSプレミアム エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/07/05
- メディア: DVD
- クリック: 74回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
◯ハンプティ・ダンプティ:割れたら二度とは戻らないモノか
えじこなので、中に小さなこけしが入っています。通常は、えじこは赤ちゃんを入れる籠なので、こけしは外から見れるようです。
ずんぐりむっくりしていて、卵のように真っ白な白坊主は、ハンプティ・ダンプティとなんだか似てますね。その謎めいた感じも……。
◯ぬけ首
首が伸びるろくろ首の一種……というより、ろくろ首の原型だそうです。
ろくろ首は首が長く伸びるのですが、ぬけ首は生首となってスポンと飛んでいきます。
もしかしたら、首のように伸びた部分は魂の繋がりのようなものなのかもしれませんね。
画像検索しましたが、ナニ木さんのぬけ首は燃えるようです。男の子っぽいのも、独自の解釈っぽいですね。
◯土用坊主
土用坊主(どようぼうず)は、神奈川県津久井郡青根村(現:相模原市緑区青根)に伝わる民間神。
きちんと所在が確定している、妖怪ではなく、なんと土地神様。なんだか眠たげな表情で、癒されますね。土地神って聞くと、千と千尋の神隠しが見たくなりますね。
ナニ木さんの土用坊主は、かなり怖いです。ゾクッと来ました。
◯3体揃って
殿様!!
よっ! 天晴!
◯サイズ比較
白坊主:5センチ
土用坊主:2.5センチ
ぬけ首:2センチ
小さなおばけの方は特に小さくて軽いので、無くさないように大事にしなければ。
基本的に白坊主の中に入れてますが、キチンと栓が嵌まる訳ではないので、ちょっと恐いですね。
ま……、僕の部屋がキタナ過ぎて、一度小さなパーツを無くすと行方不明になっちゃうのが問題なんですが。おばけが出てきそうだぜ!