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高機動装備(H.M.E)さんの3gキューベンファイバーウォレット

とうとう、自転車が届いたみたいです。
電話してみたら、たった今届いて、箱を開けたところですって。
そんな馬鹿な。
でも、そういうこともあるかもしれません。
いや、あったんです。それでいいです。
組み立て・調整で、今月中にはお渡し出来るとのこと。
待ってます!

さて、自転車がなかなか届かないので、やきもきしていたところ、物欲は登山用のギアへ向かって行きました。
前回のエバニューのアルコールストーブで火が付いた物欲を満たすため、2ちゃんねるでは硬派な山男諸兄に叩かれている雑誌、ピークスの別冊マウンテン・ギアブランド大全を購入し、呼んでおりました。

その中に、”現代ガレージカンパニーの潮流”というトピックスが掲載されていました。ガレージカンパニーなるものがなんなのか。
どうも、個人による、まだ市場に流通していないような山道具を製作しているメーカーのようでした。
人とはちょっと違ったものが欲しい僕のような人間は大変興味深く、その記事を読みました。
ノース・フェイス、パタゴニアも古くは個人製作者によるガレージカンパニーでしたが、現在で言うところのガレージカンパニーは、主にウルトラライトハイキングというハイキングスタイルで使う道具を制作しているようです。

ウルトラライトハイキングという言葉については、聞いた事が有りました。
それは、気候が乾燥し平坦な道の多いアメリカのトレイルで発達したハイキングスタイルでした。
時に何千キロという道のりを歩く人にとって、丈夫だけれど、重い道具は身体に負担がかかるので、軽い道具にしようというものでした。
しかし、軽い道具はアウトドアギアとしての丈夫さを失ってしまいました。
四季があり、湿潤で急峻な山間の多い日本の環境で、それはあまりにもリスキーだし、丈夫では無い=消耗が早いのではないか、という考えにとらわれ、僕はこのスタイルに否定的でした。

でも、このスタイルはがアメリカで確立して10年以上経ち、日本においても少数派とは言え、認知され、実践されいるようです。
なにより、ガレージメーカーさんの製品の魅力的なこと!

調べていくうちに、キューベンファイバーという聞いたこともない、不思議な素材に心惹かれるものがあり、ネット巡回しているうちに、高機動装備(H.M.E)さんのブログに行き着き、3gキューベンファイバーウォレットを発見。

ネットによると、キューベンファイバーという素材は、もともとヨットの帆や、防弾チョッキの素材としても使われている強い素材だそうで、その反面、尖ったものによる摩耗に弱いと有りました。
今後、キューベンファイバー製のバッグやテント等の購入を踏み切る際に、実用的な強度があるのか確かめる為と、山登り中は普段の革財布だと、無駄なコインやカード、なにより財布自体が重いので軽量化の為に軽い財布も必要だろうと考え、購入させて頂きました。

同時に、厚かましいお願いだったと思いますが、製品製作時に出てくる不要な端材も少し分けて頂きました。こんなことを了承していただき、本当に感謝です。作り手と欲しい人の距離感も魅力的です。

3gキューベンファイバーウォレットですが、素材は1.43oz/sqydという厚みのキューベンファイバーを使用。
半透明で、和紙のような独特の織り模様が美しいです。光沢のあるテクスチャで、皺がつくと復元しません。最初はコシが有るのですが、使用していくと柔らかくなっていきます。

構造はシンプルです。
お札入れ、小銭入れ、カード入れです。
小銭入れは、取り出すのにコツが要りますが、そのぶん小銭が外に飛び出すのを防ぎます。ガード入れは2枚までですが、必要にして十分。山にまでポイントカードはいらないでしょう。
タグは、コードを通してストラップとして使えます。

3gなので、本当に軽いです。小銭の重さをダイレクトに感じます。
気になる強度ですが、端材で色々と試したところ、引張には滅法強いと感じました。トレーシングペーパーよりも薄い0.51oz/sqydの厚みのキューベンファイバーでさえ、引張で破けることはできませんでした。

引き裂きについては、0.51oz/sqydにおいては、男性が力を入れてやっと可能、1.43oz/sqydにおいては、顔を真赤にしてもできませんでした。
摩耗については、10円玉でこする程度では大丈夫そうです。
一枚の布としてのポテンシャルは、かなり高いと感じました。
弱点は貫通には弱い、ということです。ある一点に圧力が掛かると、織りが乱れ、破断はしなくても糸が寄って穴があきます。
また、どうしても縫製箇所に力が加わるため、そこが弱点になるかな、と感じました。

あと、火に強い素材であると聞いていましたが、少なくとも直接火に近づけると溶けます。あたりまえか。

防水素材ですのでバック類には、いい素材だと思います。
透湿素材ではないので、テント素材といては結露との戦いとなりそうです。

でも、独特の表情と軽さ、魅力的なんですよね。

さて、ウルトラライトハイキング。
入門書も読んで、道具を軽量化するために高いお金を出してギアを書い集めて、時には寒さや空腹を我慢するマゾな人たちという認識が間違っていたことを知りました。
自然をより身近に、楽しく感じるために追求していくスタイルなのだと感じました。
軽さを第一に考えているのでは無い、と思いました。
そこには、僕が忘れていた、根源性が有りました。
与えられた道具ではなく、時には自らの知恵、創造性で自然のなかに溶け込んでいく。

という訳で、素からある道具については現状維持のまま、キャンプ用品はウルトラライトなものを集めてみようと考えています。
自作してみる、というのも魅力的ですね。

暖かくならないと、自転車も登山もできないけれど。