Shadoe Delgado / Shadows
アメリカ・アリゾナ州在住のアーティスト、シャドー・デルガードさんのハンドメイド・レジンフィギュアです。オリジナルフィギュアの他にも大型の彫刻作品や、キッドロボット社のダニーシリーズやフランク・コジックさんのスモーキンラビットのカスタム作品なども作っているようです。
少し……いや、かなり割高だったのですが、国内の販売店を通じて購入しました。
公式サイトでは、全6種でブラインド方式なのですが、僕が購入したお店では2個のセット販売でした(このカラーは公式サイトで販売されてなかったと思います)。目当ての合掌しているキャラクターがゲットできたので満足しております。
次は海外通販に挑戦してみようかしら……。
シャドー(シャドウ)とは、ゲームのペルソナなどで有名ですが、ユング心理学における自分が抑圧している本性のことです。人は誰しも社会に適応していくために、自分の欲望などを隠して差当りのないように仮面(ペルソナ)を被って生きています。
シャドーと名付けられたレジンフィギュアのシリーズは、作者自身が本性(シャドウ)を抑圧して他人にウケよう、合わせようとする余りに分厚い仮面を被って、自分を見失ってしまったことに対する自戒の作品なんだそうです。
でも、僕は仮面を被って生きていくことに何のネガティブな印象も持ってません。自然体のままが良いよね、と言うかも知れませんが、その自然体が良い奴だったらイイけど、暴虐無人だったら、いい迷惑ですよ。外見が大人しそうな人間が激情を抱えていたり、乱暴な態度の人間が実は繊細で自分を守るためにそう言う行動をしていたりする。仮面と本性のバランスが大事なんだと思います。
◯目当てのキャラクター
もう一つの方の立場は……と思わないでもないんですが、僕はコイツが欲しかったんです。名前はあるんですかね……わかりませんでした。
穏やかに手を合わせています。どういうキャラクターなんでしょうね。心の状態としては理想的なんじゃないかな、と僕は思いましたが……、ちょっと内向的すぎるのかな?
このキャラクターを見た時、表面に刻まれた細かい線が、ゴッホの糸杉をモチーフにした一連の作品を連想させました。
中学校の美術の授業で初めて「星月夜」を見た時、一瞬で凄く気に入りましたが、美術教師の評価は非常に低かったのです。曰く、当時ゴッホは精神病を患っていて、病院の窓から糸杉の絵を描いていた。これは絵じゃない、線だ。心の異常が絵に現れている…… なんて言ってました。
僕はガキながら、その批評には全く同意できませんでした。
そそり立つ糸杉が風に煽られて揺らめく感じ、見えない筈の空気のむせるように濃い感じは、凄く知的でクールに感じました。
後にテレビで、ゴッホは精神病と診断されて病院に入れられたのでは無いことを知りました。彼は、アルルで絵描きの理想郷をつくろうとしたのに、唯一来てくれたゴーギャンと喧嘩して袂を分かちました。その苦しみから自分の耳を切断した行為が、世間から奇異の目で見られ騒動になりました。身の危険すら感じた彼は、静かな環境を求めて自ら精神病院に入ったそうです。
その時の、「先生の言うことに反抗して自分の意思を持ったった!」みたいな子供っぽい権威への反抗心が、僕のこじらせ人生の始まりのような気がします。
そういう当時のエピソードが蘇って来て、この作品が欲しかったのでした。
この表面仕上げのキャラクターは他にも2つあったのですが、このキャラクターが僕の気持ちと一番シンクロしました。
……なんつって。
◯もう一つの作品
こちらはオバケみたいです。先ほど紹介した作品よりも少し大きいです。
底が少し丸まっていて、ゆらゆらします。
頭にニョロニョロが付いているのは共通してますね。
コイツは結構攻撃的な感じがして、このセットは静と動のセットという感じですね。
◯並べて鑑賞
ブーン!
やっぱり写真右側に惹かれちゃうなぁ。自分の足らない部分をもってるんでしょうね。
最後にサイズ。ベアブリック(約7センチ)程度です。
やっぱり価格設定が……。
うう、欲しいものが買えたじゃないか。納得せよ、我がシャドウよッ!
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