smogbom

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Haroshi / RIZE ABOVE[図録]

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イギリスのギャラリー「StolenSpace」にて開催された日本の彫刻家ハロシさんの個展「RIZE ABOVE」の図録です。ギャラリーのサイトで購入。友人のぶんと一緒に購入して、別々の住所に発送をお願いしたのですが、送料別途取っておいて、一括で友人宅に送られました(笑)。海外通販の洗礼……と言うには、無事手元に届いたので良かったかなw

購入:Haroshi: Rise Above - StolenSpace Gallery

 

 

ハロシさんは、スケートボードデッキの廃材を再利用した彫刻で有名で、今回の個展ではビンテージソフビやインディーズソフビのパーツの一部を彫刻に置き換える作品を出展。

時代を経て、塗装が所々剥げて古くなったソフビの欠損したパーツが、集成材のカラフルな端面を活かした彫刻に置き換わったその姿は、建築におけるリノベーションを思わせます。新しい素材と古い素材の対比、ビニールと木材という異なる素材の対比から生まれる新しい価値観。個展タイトル「RIZE ABOVE」の主な意味は「…にそびえる、…以上に昇る、…を超越する、…を克服する」。分厚い本ではないのですが、制作過程も載っていてとても興味をそそられます。

 

作家はスケートボードのスケーターとしても活動されていて、スケートボードは身近な存在だったようです。意外なことに、もともとの仕事は、ジュエリーの量産をやってたそうです。職人として求められる同じ規格・均一な製品を作ることに性が合わなかったらしく、木製アクセサリー作りを始めたそうです。しかし、良い木材となると材料費も嵩む。悩んでいたところ、奥様の「部屋にあるスケートボードデッキを使ったら?」という一言から、スケートボードデッキを再利用することになったそうです。

参照:HAROSHIインタビュー「大阪 EXPOCITY 巨大アートピース製作について語る」 │ H.L.N.A - Think H.L.N.A

 

このエピソード、すごく面白い。

もともと均一なものを作るのが苦痛で、ひとつひとつ違うのが面白いと感じたのに、マテリアルそのものは、本来一つ一つ違う性質である木の板をスライスして貼り合わせて同じ性能になるようにした集成材なのです。

 

スケートボードのデッキは、スライスした材料を染色して、レイヤーにして圧着してつくるのですが、彫刻した時、その染色したレイヤーの積層が色鮮やかに現れて、面白い見た目になります。

参照:スケボーデッキの生産工程とは / DUB STACK - ダブスタック

 

今回の作品は、ソフビを使ったものですが、彫刻だけの作品もとても素敵です。凄くキャッチーでアイコニックで、親しみやすいアートだと思います。

マテリアルとモチーフ選びが良いですよね。スケートボードのデッキなので、ストリートカルチャーとの親和性も良いし。やったもん勝ち感ありますけど、ウォーホルもポロックも、そうじゃん、って思います。

公式サイト:Haroshi