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北斎のなりわい大図鑑の思い出[プレイバックGW2019]すみだ北斎美術館 設計・瀬島和世

いつまでゴールデンウィークやってんだよって感じですが、旅先でちゃんと記事で書けなかった旅行録のリライト記事はこれで最後となります。

墨田区にある妹島和世氏設計のすみだ北斎美術館です。

生涯で90回以上引っ越ししたと言われる葛飾北斎は、ほとんど墨田区に住んでいたそうです。 施設の設計は瀬島和世さん。21世紀美術館などで有名ですね。 正直、自分の作風ゴリ押しで、北斎とどう関係するんだ? とあんまり期待してなかったんですけど、建築がめちゃめちゃ良かったです。 まあ、見た目はリベスキンドもどき、って思ってかんじなんですけど……。ぐると回ると、ファサードの塊感が良いです。 瀬島和世さんって梅林の家の極薄の壁や、21世紀美術館の細い柱とか、重力から開放されたかのような建築のイメージですけど、この建築は大きさに対して圧倒的な重量感を感じます。

 

建築のコンセプトとしては、大成功した21世紀美術館と同じく、周囲どこからでも入れるような作りになっています。円と角の違いはありますけど。

 

幾何学的なプロポーションは、周囲の建物とは異質な存在ながら、銀の外壁によって周囲の風景に溶け込みます。この日は曇り空でしたが、青空のときはどうなるのかな?

 

スリットと呼ばれるフィックスの窓が、館内の様子が見れるようになっているようです。

 

 

 

立地は公園に面しています。

 

アプローチ部分。

 

外壁が斜めになっているので、庇のような効果があります。

 

中はガラス張りになっていて、窓枠が斜めになっているので、万華鏡的な面白い反射をします。内部空間が広く見える効果があるのかな?

 

洞窟感が面白いです。

あんまり人がいませんでしたが、子供がいれば大はしゃぎに違いない。

 

 

 

ミュージアムショップ。

直線の印象が強いので、丸い柱がちょっと違和感ありました。これまでの妹島和世さんの建築の中では少し太い印象。

 

やっぱり丸い柱が浮いてる、と個人的には思いました。

 

ディテール。図面どんなか見てみたい。

 

ここから館内。

一階のトイレ。

張り紙などは安定の役所臭さ。

 

壁際はライトが仕込まれてあって、浮遊感を演出。

 

地下への螺旋階段。

 

地下のトイレ。

 

 

エレベーターで展示室へ。

展示室前のホールが広い。常設展は撮影可能でした。

三階のよくわからない構造。

 

タッチパネルを利用した役所が好きそうなユビキタス的な展示。こういうのって、できたてホヤホヤはおお! ってなるけど、すぐにチープ化するから、コスパは良くないですよね。万博などのパビリオン展示に向いている印象です。

 

蝋人形。北斎は最晩年まで絵を書いていて、あと百年描いたらこの世のありとあらゆるものを再現できるようになるみたいなことを言っていたそうです。絵に全てを捧げるってこういうことなのかなぁ。

 

 

この日は、一階の多目的ホールでイベントをやっていました。

茶で旅する北斎の東海道という催しで、インストラクターと相席して美味しいお茶の入れ方を学ぶというものでした。

今回いただいた茶は、品種としては日本のお茶の1%未満しか出荷されないという貴重なものらしいです。

特徴としては、香りがとても良く渋みも弱いジャスミン茶に似た爽やかなお茶。品名なんかは忘れてしまいました。

お茶の香りを楽しみたい場合は、八十度くらいのお湯で出すこと。ただし、温度が高いと渋みも出てしまうため、注意が必要です。お茶の旨味を楽しみたい場合は、低温で出す。お茶はどんどん成分が出ていってしまうため、お湯をそそいだ分、最後の一滴まで絞り切ることが大事だそうです。

カフェインは、温度に関係なく水に溶け出す性質があるため、寝る前なんかは最初にそそいだ一杯ではなく、二度出し、三度出しの茶葉を使うと睡眠を邪魔しないそうです。