LEOソフビ坊やさんのソフビデビュー作である偶像怪獣。
ワンフェス2014夏に一目惚れして、片思いを続けること2ヶ月……手に入れることができるのは、ずっと先になるかな? と思っていましたが、7期の抽選販売が当選し、手に入れる事ができました。
7期のカラーは、パールホワイトの形成色に黒炭(グラファイト)を連想させるモノトーンなカラーリング! 今まで登場したもので知っているものは全てビビットな色でしたので、とても新鮮に思いました。
デビュー作でありながら、僕のソフビコレクションの中でも1,2を争う大きさです。金型を作るのって、シャレでは済まされない金額が必要だと思うのですが、デビュー作でこんなに大きな作品を発表するなんて、なんてクレイジーなんでしょう!
ワンフェスで手に入れた、こちらはペイントを手がけられたモックバットと共に飾り、毎日ニヤニヤ眺めている次第です。
こめんなさい、こちらはFIG-Xさんによるペイントの誤りでした!
Paul Kaiju(ポールカイジュウ) / モックバット[WF2014夏] - smogbom
◯全体
まさしく異形。神々しさすら感じますね。
偶像怪獣という名前自体も謎めいていて、妄想を掻き立てます。軽々しく口にできない程、強い力を持つ怪獣なのか、それとも大罪を犯して抹消されてしまったのか……。
◯頭部
顔の造形は、まるで古代の絵のように本来なら反対側にある筈の顔の面が歪んで、正面というものはありません。
見る度に違う姿を見せてくれます。
こちらは、キュビズムのように顔のパーツは分断され、再構成されています。写実性は無視され、作り手のイメージそのものが具現化したかのようです。
こちらは目は花のようになっています。反対側は種子でしょうか? 牙は球根の根っこのようです。
精悍な顔立ち。
悪寒を感じる笑み。
◯腕
腕は均一な太さで、生物的な構造を持っていないかのようです。指の先は鋭く尖っていて、5本指をしっかり備えていますが、波打つ触手の集合体のようにも見え、それが束になって指のカタチを成しているようにも見えます。
◯胸部
胸部は分厚い筋肉に覆われています。
脇にはレリーフのように浮き彫りになった星形。
長い年月を経て、深海から引き揚げられた時に付着していたヒトデの化石か、それとも幾つもの星々を掌握している証か……。
◯背中
この部分そのものが、ひとつの像となっているような気がします。生命の樹か、天使か……。
◯尻尾(下半身)
まるで廃材のダクトのような均一な太さの尻尾がトグロを巻いています。蛇神信仰を彷彿としますね。
尻尾の先は謎の器官が付いています。
この部分のみ、ピンク色で塗られています。色の印象もあり何だかエロティックですね。神様だったり悪魔というのは、往々にして好色です。蛇っていうのは、心理学的なアイコンとしては、男根の象徴だったりします。ピンク色がエッチな色っていうイメージは日本特有かもしれませんが(欧米だと青、韓国だと黄色だそうです)。
◯偶像とは、怪獣とは
今一度、この2つの言葉について考えてみます。
偶像:
1.木・石・土・金属(などの具体的なモノ)で作った像。
2.神や仏などの存在をかたどって造られた像で、かつ崇拝の対象となっているようなもののこと(偶像 - Wikipedia)
ひとつ目の意味は、人の創造した立体物すべてを偶像という、ということです。当たり前のことなんですが、そう言われると、ハッとしますね。
ふたつ目は、 概念的な存在で見ることができないもの(と言い切ってしまうとマズイか)を、知覚するために作られたモノということです。
特にふたつ目の偶像崇拝については、作り手の主観により本来の姿が変化し、曲解や誤解を招きかねないために、偶像を作ることを禁止している宗教/地域もありますね。偶像という言葉自体が禁戒を連想するような、危ない響きをもっていて、ゾクゾクします。
怪獣:
正体のわからない怪しい獣を意味する日本語俗称である。この場合の「獣」は、本草学上の「獣」や生物学上の哺乳類(獣)のみを指すわけではなく、広義では動物全般を指す。(怪獣 - Wikipedia)
先日、ツイッターで、とある方の「何でもかんでも怪獣って呼ぶんじゃない」って言うツイートをお見受けしたのですが、この言葉には自分自身考えさせられました。上の引用を読むと、訳の分からない生き物は全部ひっくるめて怪獣という感じなんですが、僕もそうは思いません。
ゴジラの映画感想文の時にも書いたのですが、人間の力や知覚を超越した存在として怪獣というのはあると、僕は思っています。少なくとも、ファニーだったり、マスコット的だったり、カッコイイだけの生き物を僕は怪獣だとは思いません。怪獣というのは、恐ろしくて、強くて、倒せず、支配できないモノだと思うのです。
ゴジラ(2014・レジェンダリー版)の感想 (ネタバレ有り) - smogbom