インスティンクトイさんのオリジナルソフビ、新作のレビューです。
ソフビと言うと、可動箇所は、首と腕、足や腰が横軸に回転するくらいだと思っていたのですが、このソフビは、伸縮することによって、その表情を一転させます。
ムッキーは、普通の可愛い小熊だったのが、謎の浮遊生物・フラッフィーに腰に寄生されて変貌してしまったキャラクターのようです。
ファーストカラーは、夏に涼しげなブルーカラーとなりました。
◯全体(通常ver.)
後述する変身する機能が、例え無くても作品としての見どころイッパイです。
ベースとなる濃い目の色と、ハイライト用の明るい色の2色を、半透明の素体に塗装して、硬いソフビで長くふんわりとした毛並みを表現しています。深い溝の部分は塗料が濃く入ることで、下地が透過する部分としない部分ができて、深みある面白い表情をみせます。
耳、鼻、お腹はフロッキーです。
◯変身
首のところを引っ張ると・・・
このように、生々しい鋭い牙が現れます。
一度変身させるとカイジュウソフビのような、おどろおどろしさです。
最初、画像で見せてもらった時、この部分の機構は、洗剤のキャップのような単純なしくみかと考えていたのですが、きちんと伸縮と保持する内部機構があり、ボールジョイントまで備えることで、様々な表情をつくることができます。
(自分が持っているおもちゃのなかでは、スリーエーのハロルドの頭部に似た機構です)
◯歯のディテール
これでも、歯茎の部分を毛の部分に合わせてパステル調にして親和性がでるように調節したそうですが、初見はぎょっとしてしまう、グロテスクさ。この振り幅がいいですね。毒はコレぐらい強く無ければ。歯も、少し生成りっぽい色味をしていて、外装のマット塗装との対比のため、よりいっそうリアルに感じます。
◯曲げ手
自分が塗装させてもらったインクと比べる(非情に見づらいですが)と、曲げ手にした事で、可愛らしさがアップした事と、造形できなかった部分まで手を加えることができるようになり、”仕上げの密度”と、ポージングの自由度が上がったように思います。
僕は、スタチューのように可動の無いフィギュアよりも、可動のあるアクションフィギュアの方が断然好きです。触って遊べる事が楽しいという理由はもちろんですが、購入して飾る時という、作品として最後の完成の瞬間は、自分に自由が許されているという気持ちになれるからです。