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「プラネテス炎上」のつぶやきの本質

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『プラネテス』(ΠΛΑΝΗΤΕΣ, PLANETES)は、幸村誠による日本の漫画。また、それを原作にした谷口悟朗監督のテレビアニメである。

好きな漫画なので、ツイッターで炎上? していたので、気になって調べてみた。

 

一見、フィクション作品に対して専門家がイキってみたツイートを、原作者が大人な対応して、同情した面倒な周囲の連中が、専門家を凸って炎上したって感じに思える。

 

元JAXAの専門家がアニメ3話まで見たけど、科学的考察も滅茶苦茶で、主人公が実際現場に来たら、クビだ。4話以降で面白くなるのか、我慢して見るべきか、というような内容が元凶のようである。原作者が面白くないのは私の力量不足と対応し、たぶんいろいろ面倒なことになり後に謝罪。

件の専門家は、作品のファンの皆様に対して大変失礼な発言をしてしまった、として謝罪しているが、個人的考えがどうして失礼に値するのか、ちょっと理解できない。ただの火消しでしかないので、もうちょっとご自身の考えをつぶやいてほしかった。

 

僕としては、ツイッターで個人の感想を言うのは自由であると思っている。ネタバレだったり、作った人を誹謗中傷するのは論外だけど。専門家が謝罪したのは、面倒な連中が騒いだせいだ。別に悪いことはしていない、と僕は思う。作品が合う合わないはそれぞれである。

 

 

まず、件の専門家の不可解なところは、フィクションの話をなぜか現実の世界とつなげて、自分が見たいからではなく義務的に見ようとしたのかということである。ファンからすれば、興味がないのに、頼んでもないのに見て、途中でつまんない、というのはいささか配慮がかける行為に思う。

 

話の面白さとは別に、自らの経験が邪魔をしてしまう、ということはあるだろう。看護師だった母は、ドラマで手術シーンがあると、おままごとのようで白けるというし、前職で現場監督だった僕は、フェイト・ステイナイトの衛宮邸の居間の構造が不気味で、屋根がどうして落ちてこないのか不思議で、話が入ってこない。

この場合、第三者からすると、自分のスキル・来歴をひけらかしたいがために作品がダシにされたと感じることがある。元JAXAという凄い肩書が、ツイッター上の有象無象の神経を逆撫でした可能性は高い(言い方)。

 

しかし、創作のストーリーで主人公の奇天烈な行動が、現実の現場に来たらクビという話と、作品が面白いかつまらないかは別の話である。どうも現実の話がしたいのか、フィクションの話がしたいのか、専門家の中でもしっかり分けられていないように思う。

 

なぜ義務感からプラネテスを見ようとしたのかというと、プラネテスを見て宇宙を誤解されると迷惑がかかるかららしい(その誤解を解くのが専門家の仕事だと思うが……)。どんな動機であっても、自分の分野に人が集まってくるのは、嬉しいことではないだろうか? プラネテスというフィクションを現実と混同し、現実の宇宙の専門家になろうという人がいるのなら、間違いを正して導くのが先達の役割ではないだろうか。

 

……元のツイートを解体していくと、どうも作品の批評がしたいわけではないように思えてきた。

ようするに、本物の宇宙の専門家の俺よりも、なんでうそっこのプラネテスって漫画のほうが人気あるの? 悔しい……。 っていうツイートのように僕には思える。

 

なので、原作者の反応もスルーするか、次に宇宙を舞台にするときはアドバイザーお願いします、が的確だったように思える。専門家は面白い宇宙の漫画が読みたいわけではないのである。専門家である自分を差し置いて、宇宙モノとして高い認知がされている作品を義務感から見て、自分の方が凄いじゃないか、我を讃えよ、と憤慨しているように感じた。

 

短い文章、しかも誰かに向けたわけでもない、ちゃんと精査したわけでもない文章なので、いろいろなふうに読み取れてしまう。自分の考えも全然違うのかも。

立場ある人が、迂闊なつぶやきをすると、裏の裏を読まれて、変な風に広がってしまう、ツイッター怖いなー。

 

だいぶ偉そうに書いたけど、クソ雑魚一般人なので、許してね。

 

 

 

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