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書評「ゲーマーが本気で薦めるインディゲーム200選」-足らない!

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小規模制作、個人制作者作品など、インディー作品200タイトル収録したカタログ本です。

最初に素晴らしい点から言うと、挿入されるコラムが面白かったです。Steamの歴史はとくに面白かった。収録タイトルの一部、ツール系のソフトなど、知らない・興味深いものが紹介されていました。あとがきの「もっと紹介したかったゲーム」は興味深かったです。

さて、この本の評価は、端的に言うと「いろいろ足らない!」 です。

著者自身が十二分に理解されていると思いますが、インディーゲームという大海原を紹介しきるのにたった200タイトルという本数はあまりにも少なすぎます(僕のSteamのウィッシュリストが230タイトルで、それにすら及ばず)。

 

加えて、1タイトルに割かれてる文章量は、たった400文字程度と、ライターの持ち味を発揮する余地もすくない(それでも個性をだそうとする努力はありましたが、読み物として満足できるものではなかったです)。写真もモノクロが一枚。

 

さらに、たった200タイトルで、インディーゲームの歴史を総括するような代表作を網羅しつつ、ライターが個人的に推したいマイナー作品も紹介したいという無茶なコンセプトのせいで、わざわざこういったゲーム紹介本を買うようなコアな人間が既に知ってるタイトルが多く占め、見知らぬタイトルは少ないと実用性があまりないです。これは誰に向けて作られた本なんでしょうか? マインクラフトってインディーゲームあるんだぜ、すげー‼‼ って思うか? 本のコンセプトの練りが足らなかったんじゃないでしょうか。せめてタイトル数は倍は必要。

 

レイアウト的に枠外に余白がかなりあるので、そこに派生・フォロワータイトルの一口メモでも挟んでくれば、タイトル数不足も減らせて、実用性も高められたように思います。インディーゲームには、人気ジャンルのフォロワーが出てきますが、代表タイトル以外に、こういうアプローチでも作られている隠れた傑作があるんだよ、と示せれば、インディーゲームを俯瞰から紹介したいというコンセプトにも十分叶うように思います。

 

カタログとして不十分、読み物としても不十分に感じました。これくらいの情報量なら、書籍として買うよりも、ネットで調べた方がいい。本の代金1000円あれば、インディーゲーム何本も遊べますよ。

個人的に、この形式では、続刊してほしくないですね。

インディーゲームカタログ本としては、インディー・ゲーム名作選をオススメします。

インディーゲームカタログ本も結構増えてきたので、もっと尖ったコンセプトの本にしないと、駄目な気がします。

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