2012年にPS3独占タイトルとして販売され(2015年にPS4でも発売)、数々の賞を獲得した風ノ旅ビトがやーーーーっとPCのエピックゲームズストアから販売されました。僕が自作PCを組み立てた1月から、ずっと近日発売だったので、近日って……一体……? となっていましたが、13日までのメガセール中だったので、1000円オフの580円でした。うむ、許そう。
プレイ時間は約二時間と、映画を見ているような感覚で、さらっとエンディングまでプレイできます。コンプリートしようとすればもっと時間かかると思いますが、それでもボリュームはそれほど多くはありません。
超感動しました。言語を一切省いて、映像と演出だけで物語を語る手法なんですが、身震いするほど美しい映像に脱帽。ゲームで始めてグラミー賞にノミネートされたという民族音楽のようなBGMと、この映像は、たぶんゼルダの伝説ブレス・オブ。ザ・ワイルドに影響を与えているのではないでしょうか? 与えられた側ではなく、与えている側です。この小さなインディーズタイトルが残した功績はとてつもなく大きいと思います。
ゲームの目的やシステムは言葉で説明されることはありません。
基本操作は、チャイムを鳴らすのとジャンプ。詳しく説明するのは野暮なので、ゲーム中で体験してみてください。
ゲームはステージクリア型で、パズルを解くステージや、ステルスステージ、砂を滑走するスピーディーなステージ等、メリハリが効いていて、飽きさせません。
最初は砂漠ばかりの景色に飽きるんじゃないか、と疑っていたのですが、太陽が沈むにつれて、刻々変化する景色……
砂漠の砂が金の粒子のように煌めく情景は、マジで僕のゲーム史上もっとも美しいと感じた景色です。
原題のJourneyを風ノ旅ビトという邦題にしたセンスも素晴らしい。昨今の洋画タイトルも見習ってほしいですね。
ここから話の推測(ネタバレ)
最初の風景にみえる、このオブジェクトは直感でお墓のようだ……と思いました。
最終目的地の山……山岳信仰のような感じでしょうか。
壁画は過去の物語のようで、旅ビトの未来を暗示しています。僕は一周しかしてませんが、二週目もきっと味わい深いものになると思われる。
捕らえられている不思議な布は、魂のようなものと認識しました。
旅ビトは、旅の途中で不思議な紋章を集めるとマフラーが伸びて、空を飛べるようになります。それが意味するのは、人という殻からの解脱、ではないでしょうか。
ほとんど敵のいないこのゲームで、唯一敵とも言えるこの空を飛ぶ機械。せっかく伸びたマフラーを食いちぎって弱体化させる……とおもわせて、実は引き返して人として生きよ……と言っているのではないでしょうか? この後の展開を考えると、自分にはそう思える。攻撃する時、マスクがカシャンと閉まるんですが、その時のデザインが白い人のように見えるんですよね。
それでも旅人は山の頂きを目指します。
もうマジ無理しんどい……を超えて。
人の限界を迎え、力尽きてしまいます。
しかし復活。奪われたマフラーも長くなっています。無限に飛べます。でもこの状況がとても悲しい……。
なんて美しい景色。旅ビトは人としての限界を超えました。
そしてついに……!
この景色を見て、僕は理解します。
やはり人としての旅ビトは、あの時死を迎えたのだと。
山の山頂から降り注いだ流れ星は、彼の魂です。
その行先は、ゲームの冒頭……つまり、輪廻を意味しています。
次こそは、人のまま山の山頂へ行くのだという、絶え間ない挑戦を意味していると思いました。
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