やばいゲームが発売されました。
カタナ・ゼロは、海外のインディーゲーム開発社Askiisoftによる横スクロールアクションゲームです。
Nintendo SwitchとSteam版でWindows、Mac版が販売されています。
これ、めちゃくちゃエモいです。この言葉、初めて使ったけど、まさしく、これがふさわしい。
Katana ZERO - Release Date Trailer [April 18]
全編をメタルスラッグを彷彿とするような、素晴らしいピクセルアートで描かれています。このビジュアルだけで最高! チマチマと動きまくるドット絵のキャラクターは可愛いのですが、シナリオはダーティーで、流血・四肢切断などハードな暴力表現と違法ドラッグの使用など、凄惨極まりないです。コメディタッチの部分や、意外性のある展開・演出があり、映画でいうならタランティーノ監督の作品を思わせます。
主人公はドラゴンという名前の戦場帰りの侍で現状イリーガルな暗殺者です。彼には銃の弾丸すらカタナで弾き返す驚異的な身体能力と、時間に関する能力があります。この能力をうまくゲームプレイに落とし込んでいます。
1つ目の能力は、体感時間をスローにする能力。ボタン長押しで任意のタイミングで発動可能です。これによって銃弾を見極めて、カタナで敵に弾き返すということが可能です。
映画によくあるダクトのプロペラに素通りするアクション。
左上のゲージがなくなるまで能力は発動可能。時間で回復します。
結構長く使えるので、アクションゲーム下手な僕でもわちゃわちゃせずにすみます。
もう一つは予知能力です。
プレイしてミスして死んでも、それはドラゴンが予知した空想の世界という設定です。
マリオでは死ぬと一機減って……というのは、どういう状態なんだ? とメタ的な視点でゲームと現実の物理法則の乖離がありました(マリオは複数の命を持った人間か?)。カタナゼロのこの設定はうまくゲーム的な変なところを解決しているように思います。
ドラゴンはほとんど単独対大勢の極端な戦力差の中で戦うことになります。カタナは強力ですが、敵は銃をバンバン撃ってきます(プレイヤーもザコ敵も一撃死する)。時間操作能力、敵を倒す順番、ステージにあるギミックなど全てを駆使して、熟考と再挑戦を繰り替えしたうえに、生存の道が開きます。。何度失敗したとしても、最後に成功したシーンは、現実世界では映画のワンシーンのように華麗で一瞬です。めっちゃ気持いい。
チェックポイントはワンシーンごとに短く区切られていますし、リスタートは高速なので、ここに関してはストレスを感じません。折れない心があれば、道は開ける! しかし、熱くなりすぎて指が痛い(笑)。
もともとアクションゲームとビジュアルで買いましたが、シナリオも良く出来ています。
彼は記憶喪失で、毎夜悪夢にうなされています。かかりつけの医者にカウンセリングを受け、同時に暗殺の指示をうけます。ミッションが完了すると、違法薬物っぽいが、症状を緩和させるクスリを処方されます。
ミッション→家に帰って悪夢を見る→夢の内容からカウンセリング(徐々に過去が明らかになる)→クスリを処方される→次のミッションへ……というルーティングが心地よいです。
シナリオ進行中はたくさんの選択肢がでてきます。キレて返答を遮ることも一つの選択肢です。選択肢によってシナリオ進行が変化しているのか、僕はまた見届けることができていないのですが、プレイヤー自身が主導権を握り、物語に没入できるようにすることに成功しています。素晴らしいです。
このゲームはレトロなスタイルの2Dアクションゲームですが、非常にシネマティックです。戦場帰りの兵士であるドラゴンは、「ランボー」ですし、ドラゴンのボロアパートにやってくる少女との関係は「レオン」を連想します。
時間操作で入り乱れる時系列、クスリによる幻覚、失われた記憶……、さまざまな要素が複雑に絡み合い、先の見えない展開、あっと驚く演出のオンパレードです。
ステージの最初で、ポータブルミュージックプレイヤーで音楽を聴くと、それがBGMになる演出が素敵。血と硝煙が立ち込めるカチコミ場で、サムライがポップチューン聞きながら、カタナを振るう。すげぇぜ!
ゲームプレイも切った張っただけではなく、いろいろあって飽きさせません。
残酷描写が厳しいので、対象年齢がちょっと高めですが、とてもお気に入りのタイトルです。
クリア後の感想
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