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FireWatch - ラストにガッカリした人必見! 本当の真相を考察(ネタバレ)

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非常に面白くて一気にエンディングまで遊んでしまったFireWatchについて、ネタバレの考察記事です。

物語の結末に満足しているのでしたら、読まない方が良いと思います。

 

ネタバレなしの感想はこちら

smoglog.hatenablog.com

 

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

FireWatchの感想として、面白いんだけど「ラストが拍子抜けした」という感想を多くみます。ゲーム中で語られる真相を素直に受け取ってしまっては、そういう印象を受けてしまうのは否定できません。

jp.ign

 

劇中で明らかになる真相はこうです。

 

主人公ヘンリーの以前の監視人のネッドは、息子を死なせてしまった(事故死?)。

事件を隠すためネッドは息子とともに失踪したと思わせて、森の中に隠れた。

以後何年も無線を傍受して人の目を躱し、補給物資やハイカーの持ち物を盗み、生活をしていた。

ところがヘンリーとその上司であるデリラ(ネッドはこちらと面識あり)に自分の存在を嗅ぎつけらそうになる。

隠蔽工作や脅し(森林火災の犯人にしようとした)、最終的には殺害(閉じ込めて)しようとしたが、失敗。

火災のドサクサに紛れて、森の奥深くへ消えていった……。

 

このラストの不満点は、謎の研究者の無線傍受の陰謀論から、実際には声も姿もみたこともないネッドという男の犯罪隠しというスケール感の小さくなったことでしょうか。

この真相に釈然としないのは、プレイヤーだけではなくヘンリー自身もそうみたいで、先にヘリで脱出しようとするデリラを呼び止めて、自分の中のわだかまりを吐露します。

 

デリラの監視塔にヘンリーが到着すると、当然ながらデリラの姿はありません。どうしてデリラはヘンリーに会おうとしないんでしょうか? そのほうが演出的に良いから? デリラの姿をモデリングするのが手間というメタ的な事情でしょうか? 

デリラのデスクの無線機をかぶり、デリラと最後のおしゃべりをしながら、周りを見渡していると……。左上の窓枠にトレイル表示の看板がぶら下がっています。豚の池って翻訳されていましたっけ。

これを見た時、事件の真犯人はデリラではないか? と思いました。

 

この看板、ヘンリーの担当地区のものなんです。無線でデリラは「その看板、よく盗まれるのよ」と言ってました。盗まれた看板がデリラの担当地区で捨てられたとするなら、そのことをおしゃべりするんじゃないでしょうか? この看板がデリラの監視塔にある意味は、非常事態にしか使えない人力ケーブルカーを使って、デリラがヘンリーの担当地区に来ていたということではないでしょうか。持って帰るのは変ですけど、ここはゲーム的なアイコンということで。

 

自分が考えた事件の真相はこうです。

ネッドの息子を事故死させてしまったのはデリラです。デリラが直接手を下したのではなく、不注意だったのかもしれません。ネッドの息子が父親の目を盗んで、大人の異性に良いところを見せようとした……とかね。

ネッドは息子の死を知り、警察に通報しようとしました。

そもそもネッドが事故死を隠して世捨て人になる理由がありません。

一方デリラについては、本来禁止されている未成年者が監視人と同伴していることを黙認したことがバレてしまいます。ネッドを止めようとしました。ティーンエージャーの女の子のことを警察に通報しなかったデリラですから、そういう反応はありえます。

 

その時、デリラは泥酔状態だったかもしれません。デリラも言ってましたよね。「酔っ払った女の子は何をしでかすかわからない」って。明確な殺意がなかったかもしれませんが、ネッドを殺害してしまいます。

前述の通り、ヘンリーはネッドの姿をはっきりと見てません。人影だけです。だから、その人影がデリラであり、ネッドの痕跡がデリラがでっち上げたフェイクであっても不思議ではありません。

ネッドの殺害後、デリラは自分の罪を隠すための計画を立てます。ネッドがまだ生きているように見せる痕跡を残し、それを他の人物に目撃させ、ネッドが息子の殺害したようにみせかけて、失踪させたかのように工作したのです。ネッドの死体は広大な自然の中に遺棄したと考えます。

つまり、ヘンリーは事件の解決のための探偵役ではなく、デリラの無罪・無関係を実証するための目撃者なのです。デリラがヘンリーに最後まで会おうとしないのは、もう彼女は目的を果たしたからではないでしょうか?

 

この考察を補強するための、もともとの真相の矛盾点を述べていきます。

まずは……。

 

そう……ぱんつです。

 このパンツの持ち主は、ここで脱いで、履いてない状態で野山を駆けたんでしょうか……ああ……とても気になる……

……って違あああーーーーーう!!

 

真面目に。

ヘンリーがティーンエージャーの女の子を注意したあと、女の子達は報復として、ヘンリーの部屋に押し入り、シーツを盗み、電話線を切断し、痕跡としてビール缶を残し、パンツにメッセージを残しました。そのあと、ネッドの襲撃をヘンリーの仕業と勘違いして、舞台から消えます。

これ矛盾だらけですよね?

まず、ヘンリーのことを変態と言っている女の子が、その変態の体臭の染み付いたシーツを盗み、変態のために使用済みパンツを残す……どんなご褒美……ゲフンゲフン。

シーツを盗んだことと、パンツを置いたことは女の子の行動ではないのではないでしょう。さらにパンツが置いてあった場所の電話線の切断も、女の子の行動ではないと思いました。

これらの行動がネッドのやったことと仮定すると、こちらにも矛盾が生じます。電話線の切断は、異常事態であるということをヘンリーに感づかせます。ネッドの目的は自分の存在をしられないようにすることなのでメリットがありません。

極めつけは、女の子たちのテントをネッドが襲撃したことです。これではヘンリーと女の子以外に誰かがいると言っているようなものです。ネッドがやってはいけないことの最たる行動です。

 

 

これをデリラが全てやったとするとどうでしょうか。

電話線の切断……外からの情報の一切を遮断し、自分からの無線のみにする。ヘンリーの行動をコントロールできる。

ヘンリーの監視塔の襲撃……ヘンリーの持ち物を検めて、自分の不利となるものを排除する。

女の子のテントの襲撃……女の子二人、計画の不確定要素の排除。ヘンリーに対して、ネッドの存在を暗に示唆する。手紙もデリラの自作自演かも。女の子が捕まったという情報もデリラ情報なので、本当か疑わしい。デリラはヘンリーのシーツを被って脅かしたのかもしれませんね。最悪、ふたりともデリラに殺害されていたりして。

真犯人をデリラにした場合、メリットしかないんですねー、これが。

また、パンツに顔の絵が描いてますが、これってヘンリーですよね? でもこんなハットはかぶってません。黄色いキャップを被ってました。女の子もそれを見たはず。なのに間違う……どうして? ヘンリーと実際会ったことのないデリラが描いたからではないでしょうか?

 

次に最初にネッドとみられる人影を見るシーンですが、監視塔の北側から回り込みます。その時ヘンリーは道順をデリラに聞くんですが、なぜか洞窟から行くショートカットを教えないんですよね。人影がネッドではなくデリラとしたら、ヘンリーと鉢合わせしないように誘導していたんじゃないでしょうか?

無線を傍受するだけのネッドに対して、自分から指示できるデリラの方はこのようにして、自由に行動したのではないでしょうか。夜間の行動については暗視ゴーグルとか準備できたはず。

 

次にフェンスの向う側の謎の研究施設について。

これはネッドの隠蔽工作として利用されたことになっていますが……ということは普通の研究施設です。どうしてそれをデリラが知らないんでしょうか? 

そもそもこの隠蔽工作はやって意味があるんでしょうか? その場だけ騙せても、すぐにバレます。怪しまれて調査されてしまいます。ネッドの目的が叶うのは、その存在事態を隠すことのみなんです。極論、もっと前から雲隠れしてても良い。

 

まだまだあります。

ヘンリーが監視塔にいない時にデリラが人影が見える、アナタじゃないの? と言います。ヘンリーが慌てて戻ると人影などなく、窓にテープレコーダーが貼り付けてあり、そこにはデリラとヘンリーが森林火災を起こしたかのように編集したテープが吹き込んであります。

デリラは監視し続けていたなら、人影が消えたことを見たはずです。どうしてヘンリーに伝えなかったのでしょうか? 彼女は自分の監視塔ではなく、そばに潜んでいたからかもしれません。

 

デリラが火を放った、と警察に通報があったとデリラは言いますが、デリラの口がら伝えられますので、嘘の可能性あります。

僕の考えでは、火を放ったのは実際デリラです。目的はネッドが火事で逃げたようにみせるのと、あらゆる痕跡を焼くためです。火事が迫ってる状況では、真贋判断できなくても、改めてじっくり調べたらネッドの痕跡が偽物だとバレてしまいます。

 

次にデリラは無線傍受を避けるため、ヘンリーを誘導して別の無線機を与えます。

これも意味がないように思います。まず、場所は暗号を使っているようで、無意味です。この時、ネッドが犯人とはわかってませんが、犯人がネッドなら彼は元監視員なので、ポスターの存在も知っているでしょうし、何年もこの山に潜んでいたので、地理には精通していたでしょう。

また、無線機を新しくすること自体もナンセンスです。だって傍受するのに周波数を変えれば良いだけです。

 

ヘンリーが鍵を入手し、閉じ込められるシーンはどうでしょうか。

ヘンリーは、ネッドが隠していたカバンから鍵を入手。どうしてそんなところに隠すのか? そして、鍵を閉められるなら、もう一つネッドは鍵を持っていたことになります。訂正:錠前なら別に鍵なくても閉めれますね。でも鍵をカバンに隠したのは奇妙です。ヘンリーを拘束するためではなく、「洞窟の中に何かがある」と意識させたいための行動に思えませんか? この時、デリラは声高に洞窟の奥に行くべき! と命令していましたね。デリラにとっては放火犯の嫌疑がかかった状況ですから、切羽詰まる気持ちにはなるのはわかります。……でもそんなときになっても自分の監視塔から一歩も出ないなんて、妙だとは思いませんか?

 

他にも、ネッドが息子の遺体を隠さなかった理由はなんでしょうか? ネッドが種明かしのように自分の住処にヘンリーを案内した理由は? これらはネッドが息子を殺してしまい、ネッドという人間が今も生きているように偽装するために思えます。

 

……一周しかプレイしていないのに、これだけの矛盾が出てきました。これって脚本家のミスなんでしょうか? 僕はそうは思いませんでした。

 

最後にFireWatchというタイトルについてです。

森林火災監視人という意味そのものと、もう一つ意味があると思います。

過去に犯した罪が露呈する火種を監視している……という意味です。

ネッドの寝床の景色をみると、ネッドのことを言っているかもしれませんが、このゲームのタイトル画面は、ヘンリーの監視塔でもなく、ネッドの寝床でもなく、デリラの監視塔なんです。

 

以上が、事件の真犯人はデリラと思った考察になります。

いい線ついてると思うんですが、どうでしょう……中の人の意見を聞きたい!

 

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