超高難易度2Dアクションゲームとして話題となったセレステのレビューです。
開発はカナダの開発スタジオMatt Makes Gamesです。もともとエベレストという名前で、パイロット版が作られましたが、後に地元カナダにある同じセレステという山から名前を借りて、正式版をリリース。
現在Steam、Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One向けに配信されています。
高難易度だけど、ミスしてもサクサク復帰できること、シンプルで堅実なプレイフィール、簡素だけれど味わい深いストーリーテリングなどが高く評価されています。
僕はナンチャッテ登山野郎なので、セレステが如何に登山の精神をゲームプレイに落とし込んでいることを語りたいと思います。
このゲームは定番のジャンプアクションゲームです。
セレステという、ひどく険しい山に登ろうとする少女を主人公としたゲーム。
彼女は、どうして山に登ろうとするのでしょうか? ストーリーはガッチリとしたものではありませんが、想像の余白を残して語られるのが、心地よいです。
操作は、なんと移動とあと3つだけ。
ジャンプ。
ダッシュ(二段ジャンプ、空中移動)。
壁に掴まる。
これだけの操作ですが、エクストリームすぎる登山道を登っていきます。
崖やトゲなどに落下すれば、それすなわち死。
一瞬の判断ミスが死を招きます。
でもすぐに復帰します。
本当にすぐです。
畜生、もう一回! ってなります。
このあたりのスピーディーな復帰が高く評価されているところです。
ステージはチャプター以外にも細かく別れていて、たとえ1000回に一度の奇跡で突破したとしてもクリアはクリア、次のチャレンジが待っています。
コントローラをギシギシ言わせて、手に汗握り、悔しくて喉が枯れる叫んで、何度も何度も挑戦して、セレステ山を攻略していきます。
プレイしていて、「これはきちんと登山をシュミレートしている」と思いました。
セレステにおいて、ミスはドクロマークで記録されますが、これは死んだ回数ではなく、チャレンジした回数です。
登山というのは、悪天候や怪我、道に迷うなど、断念することが多々あります。それでも再挑戦して、一歩ずつでも足を進めていけば、いつか必ず登頂することができます。
取らなくてもいいけど取ると得点がアップする「いちご」がありますが、これも登山によくあるシチュエーションです。あえて大変とわかっていてチャレンジしたくなるルートや、ちょっと遠回りだけどいい景色が見れるルートとかありますよね。そんな感じのメタファーなんだと思いました。
じぶんのレベルに合わせて、チャレンジするか。それともあくまで目的は登頂に定めるか。
セレステには、マリオやロックマンに登場する分かりやすい敵は登場せず、内なる自分が登場します。
これも登山しているなら、はっとする演出ではないでしょうか。
道に迷ったり、辛くなったりすると、弱気な自分が「もういいじゃないか、引き返そうぜ」と言ってくるのです。
セレステ……この険しい山に、僕はまだ挑戦中です。
アシストモードが搭載されていて、柔軟に難易度を変えることができます。
難しいと感じる人にも安心ですが、やはり通常の難しさでプレイして欲しいと思います。クリアするのが目的ではなく、諦めずに挑戦することが、このゲームの醍醐味だと思います。
ステータスにクレジットされた死亡回数……いえ、挑戦回数を誇りましょう。
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