現在の研究では最も古い系統とされている作並系、その昔の姿を復刻したこけしになります。
昔のこけしは、子どもが持ち遊びやすいように、胴が細かったそうです。現在のこけしのように、棚の上に置いて鑑賞するのに適していません。時代が移り変わって子ども用の玩具から好事家の蒐集品に変わっていったんですね。
このこけしは、頭部も小さくて棚に置くことも可能です。
作並系には、頭部が大きいものもありますが、安定させるために裾野を広げて円錐状にしているものもあります。
大きさは、約12センチ。
顔立ちは素朴ですが、どこか哀愁を感じます。
胴の菊模様は、蟹に見えることからカニ菊というそうです。淡い絵付けが良いですね。
頭部と胴が一本の木で作られています。加工も荒々しさを残して、当時のこけしを思わせています。
木の質感は、玩具の素材として触っていて心地よいです。冷たく感じたり、暖かく感じたり、つるつるしてたり、ザラザラしてたり、それぞれ異なり面白いです。基本的に置物なんですが、触りたくなるので、立派な玩具です。