個人メーカーGrayfax Softwareの処女作で、PLAYISMが販売元になったRPG「Orangeblood」を発売日に購入して遊んでいます。プレイ時間はSteamのカウンタで現在6時間程度です。
去年のビットサミットで試遊して、個人開発のタイトルながら、非常に凝ったピクセルアートに目を惹かれました。
インタビュー記事で、ゲームの雰囲気にシンクロする風体、この作者は何者だ?! と思いました(笑)。
ゲームを作ったのは、汗水ながさず稼げそうだからであり、驚きなのが、ドット絵を描くのは今回が初めてらしいです。
参照:『Orangeblood』開発者インタビュー。「空想の90年代、東シナ海の人工島で少女が危険と戯れるRPG」はいかに生まれたか | AUTOMATON
楽して稼ぐという割には、二度全面的に描き直していることから、生半可な気持ちで開発している訳ではなさそうです。RPGツクールMV製らしいですが、独自システムが盛り込まれており、RPGツクールっぽさをそれほど感じませんでした。
魅力的な舞台
現実世界と異なる時間軸にある、沖縄の人工島「ニュー・ゴザ」。僕はシーランド公国に九龍城と軍艦島をかけ合わせたものをイメージしました。
主人公のヴァニラは、刑務所からの釈放を条件に、生まれ故郷でもあるニュー・ゴザの封鎖領域への案内を密命されます。このあたり、BLAME! っぽい雰囲気です。
一番の見所は、やはりグラフィックでしょう。自分のモニター環境に合わせて、CRTモニターっぽいフィルターをオプションでかけています。
違法建築然とした、無秩序に折り重なる建造物。多言語の看板がならぶ雑然とした街路。裏通りは、マフィアや浮浪者、娼婦が彷徨いています。主人公も敵も善人ではありません。この都市では、お人好しは食い物にされてしまうのでしょう。
描き込まれたグラフィックと、細かなアニメーションが魅力的です。ホッピングするピンクのキャデラック風ローライダーはファストトラベルのアイコン。屋台や一杯のみの立呑で2Dのちびキャラが、毎度アクションします。
キャラクターたちが萌4コマ漫画にでてきそうな感じの美少女なので、ダーティーな舞台とのミスマッチが逆に新鮮です。
BGMは、発売元のPLAYISMに発注して、舞台の雰囲気にマッチしたノリの良いものになっています。思わず音大きめで遊んじゃいますね。
バトルについて
バトルはシンボルエンカウントです。
フィールド上で銃を撃つことができ、命中すると敵がスタンして、無用なバトルを避けることができます。また、その状態で接触するとスキルを使用するためのSPが貯まった状態で戦闘できます。
オーソドックスなターン制バトルになっています。
素早さの早いもの順に行動していき、スキルによってウェイトが存在するようです。
基本の武器は銃で、弾数があり空になるとリロードで行動を一回パスすることになります。攻撃力アップなどバフの有効ターンを無駄にしないように、弾数を考えて行動する必要があります。
攻撃やダメージ、スキルによってSPを貯めて、強力なスキルが使えます。
このゲーム、基本的に戦闘中の回復手段が限られていますので、如何に攻撃してSPを効率よく貯めて、短期決戦に持ち込むことが有効だと思いました。
行動順を上手く操作して、クリティカルや攻撃力アップのバフが掛かるようにして、必殺技を発動! インフレするダメージ! 快☆感!!!
行動3回するので、ボスがかなり手強い!
弱点をコスト消費なしで確認できるので、きっちり準備してむかいましょう。
バトルのアニメーションも凝っているのですが、バトルスピードはすこしもっさりしていると感じました。
ハクスラ要素と各所にみられるボーダーランズへのオマージュ
ジャンルは違えど、このゲーム、ボーダーランズを彷彿とします。ヒャッハーな世界観は言わずもがなですが、文字のフォントが似ていたり、フィールドにテープが落ちていたり、枚挙に暇がありません。
ハクスラ要素もそのひとつ。
敵を倒すとかなりの頻度でフラグメントキーを落とします。このキーを使って宝箱をアンロックすることができます。
面白いのが、箱の中身は自分のレベルにあった強さが出現するものの、どんな装備品がでるのかはランダムです。レア度の高い武器が確定していますが、フラグメントキーを10個消費する宝箱もあります。
また、マップを出て再度訪れると宝箱の位置は固定復活して、キーがある限り何度でも宝箱を開けることができます。
大量の装備品をガチャ感覚で一気に入手できるのは、楽しいです。
出てくる装備品は曲者ぞろいです。単純な数値の高い低いだけではなく、特定の条件下で威力を発揮する装備もあり、装備同士のシナジー効果を積極的に狙っていく必要があります。カードゲームのコンボを狙っているような面白みがあります。
まとめ
独特の舞台設定が面白く、グラフィックは一級品。
大量の武器をガチャ感覚で入手するのは面白く、積極的に戦闘をしかけたい気持ちになります。
ユニークな能力を持つ装備品のビルドが楽しいです。
モラルなんて糞の役にもたたないといった感じのブラックな展開にクスっと笑ってしまうことは度々ありますが、ストーリーについては、特筆するような面白みは今の所感じていません。メインの四人が揃ったところなので、これからでしょうか?