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シロナガス島への帰還‐高クオリティのミステリサスペンスADV

個人制作によるミステリサスペンス・テキストアドベンチャーゲーム‐シロナガス島への帰還をクリアしました。エキストラエピソード合わせても6時間程度でクリアできますが、価格が500円だし、映像演出も良かったので大満足。画面のアスペクト比が4:3なので、初代プレイステーション世代くらいのアドベンチャーゲームを遊んでいるような、ノスタルジックな気持ちに浸れました。

公式サイト‐シロナガス島への帰還

ストーリーは、ニューヨークで探偵業を営む主人公・池田戦と、極度の対人恐怖症だが、完全記憶の能力をもつ少女・出雲崎ねね子が、絶海の孤島『シロナガス島』でおこる惨劇から生還するというシナリオです。この世界で探偵は捜査権と逮捕権を持っています。一人の富豪の自殺から端をはっしたこの事件、シロナガス島への招待状、なにやら後ろめたい秘密がありそうな客……人前に現れないシロナガス島の主人と、その背後には凄惨極まる過去があります。話の構造自体は、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に似ています。いや、蓄音機から家主の言葉が出てくる、犯行をほのめかす絵本など、ずばりモチーフにしていると思います。

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

ゲームシステムはオーソドックスなポイントクリックゲームです。

ポチポチしていると話が進みます。

 

主人公の助手となるねね子。極度のコミュニケーション障害で、しかも風呂嫌いで異臭をはなつという、なかなか尖ったキャラ造形です。二十カ国語以上を話し、一度見た風景を完璧に記憶する(部屋の状況を見て、数ミリ単位の家具の移動を認識できる)という完全記憶の能力を持っています。

 

なぜか主人公にだけ心を開いています。どうして仲良くなったのか、過去エピソードも気になりますけど、残念ながら本エピソードでは明らかになりませんでした。

 

選択肢選択もあります。

できるだけ、セーブはこまめにしておいたほうがいいと思います。

 

システムまわりは非常にシンプルな作りですが、ゆえに明快と言えます。

 

富豪の死と島の謎を解き明かすため、池田とねね子はシロナガス島へ。

 

絶海の孤島、次の船便は4日後……お約束どおり、殺人がおこり、無線も破壊され孤立……。

 

イベントシーン絵は豊富で、ちょっぴりエッチい画像も沢山。しかし登場女性キャラはねね子を含めて、性格もビジュアルもクセが強いので、嬉しいかどうかはアナタ次第。自分は結構好きな絵柄。

 

時間制限アリの手に汗握る展開もあり面白いです。

 

タイトルの意味がわかったとき、複雑な心中になり、目頭熱くなりました。ちょっとインモラルで過激な内容を含みますが、ゲームとして丁寧に作られていて、しかもコストパフォーマンスが高いのでおすすめです。

アマゾン他、各種ダウンロードサイトで販売中。steamでの販売も予定されているようです。

シロナガス島への帰還

シロナガス島への帰還

  • 出版社/メーカー: 旅の道
  • 発売日: 2019/02/28
  • メディア: CD-ROM