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ソフビ雑記5 - 転売屋のここ10年

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ソフビそのものについて、僕の独断と偏見でアレコレ勝手に語る、ソフビ雑記のコーナーです。

今回のテーマは、コレクションには切っても切れない要素の一つ……「転売屋」について語ろうかと思います。

まず転売屋の定義を決めましょう

普通のコレクターであっても、「購入してみたものの想像と違った」、「飽きてしまった」、「コレクション整理」などでコレクションを手放すことはありえますが、ここではコレクターであると偽って、商品を購入し、売りさばいて金銭を得ることを目的とする人間とします。経済原則として仕方がない反面、感情論ではゴミクズな連中です。

 

転売屋のデメリット

単純に欲しいものが手に入りにくくなります。特にソフビは小ロットの世界なので、一期一会の場合も多いです。地方からイベント会場へ行き、行列に並び、目の前で完売……ネットオークションを覗いたら何倍もの値段が付けられている……そんな悪夢のような状況。

もう一つは、二次市場で値段が釣り上がることが作品の評価になってしまい、次回の新品販売で販売価格が引き上げられる可能性。

転売屋が幅をきかせて、コレクターが諦めてしまう、またはアイテムが二次市場にあふれてしまい、不人気のように映るなどして、ソフビ人気が衰退する。

 

転売屋のメリット

メリット……そう、メリットがあります。

 

コレクターにとって:高倍率抽選で外れたとき、手に入れる最後の手段。特にコンプリートを目指してるコレクターなら、転売品を手に出さなければ難しいでしょう。

もしかしたら、販売価格より安く買えるかも?

手に入りにくいからこそ、人は渇望し、手に入ったときは歓喜にうち震える。度を過ぎなければ、コレクション欲求を加速させるスパイスかもしれません。

 

作家・メーカーにとって:ソフビは完売してこそ、次また販売できるチャンスが出来ます。初動でコレクター・転売屋が群がり、一気に完売することで潜在している以上の需要・人気があるように(勝手に)演出されます。転売屋に人気があるということは、単純にコレクターの中でも人気がある、ということ。

 

昔の転売屋

おそらく、そのほとんどは元々コレクターだったのだと思います。別のソフビがほしいからとか、処分する必要があるからとかで処分していたのが、やがて「これは金になるぞ」となり、転売屋と転じた。僕は暗黒面に囚われたなどと揶揄していました。

連中は、ある程度目利きができるので、一部の超激レア品以外は、値付けもそこまで酷いものではなかったように思います。地方民だったら、交通費を手間賃として考えれば……という感じ。値段そのものも、おそらく中古屋の値段を参考にしていたと思われます。

 

風向きが変わったのは、やはりアジア圏の超裕福層がソフビ蒐集に目覚めたところからでしょうか。ネットの発達も個人が売買して大きな利益をえやすい状況にして、転売プレイヤーを増加させることになった。

組織化され、コレクター個人ではなかなか太刀打ちできなくなりました。

明らかに、日本の普通のコレクター向けではないという価格設定。

それでも当時はブームだからと思って、勇気を振り絞って買ったこともあったかもしれません。

結果として、普通のコレクターは……少なくとも僕は、疲れてしまいました。

 

今の転売屋

今、新たに生まれた転売屋は、作品そのものの良さを評価できない人が多い印象を受けます。全く新しい作品を発表されたとき、数や作家さんの肩書だけを読んで、むちゃくちゃな値段を付けている。

お金に頓着しない、いくらでも買ってやるわい、という剛毅な人が落札してくれれば良いと思っているのかもしれませんが、海外の景気もそろそろ斜陽を迎えてきた上、良し悪し判断できる知識も付いてきたので、ちょっと難しいだろうというのが僕の考えです。

ヴィンテージアイテムならまだしも、今日出たアイテムが売値の数倍の値段になるってのが異常というのが、みんなわかってきた。

むちゃくちゃな値段の転売品がいつまでたっても浮ついているというのは、作家さんにとってあまり良くない状況です。

もう金にならないってことを理解して、他の商材を選んでください。

 

転売屋の今後

転売屋対策は各メーカー・作家さんが尽力されていると思いますが、現状はこの人は絶対に大丈夫だ、とするお得意様商法がおそらく一番有効っぽいです。

これは裏切り者が出ない限りとても有効なんですけど、新しい人が入りにくいのが難点ですね。メーカー、作家さんにとっても、業界にとってもよろしくない。多分、じわじわとまた二次市場の価格が上昇し、裏切り者がダークサイドに落ちて……という堂々巡りをするんじゃないかなぁ。

 

僕としては、いまだに手垢のついていない自分が良いと思う品を狙うのが一番と考えています。これは僕の集め方だからできるやりかたですけど。特に好きな作家さんがいて、めちゃくちゃ競争倍率がたかいとなると、大変です。

また、一昔前の作品が、結構手にしやすい値段になってきた印象です。普通、シリーズ完結となると価値が上がりそうなんですが、ソフビの場合、長期連載の少年マンガのように完結すると値段が落ち着く傾向にあります。

 

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