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玩具ロードワークス(豊永盛人) 琉球張子 / ケンタウルス

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 玩具ロードワークス(豊永盛人)さんの琉球張子「ケンタウルス」です。

那覇市の実店舗以外でも、各地の百貨店の沖縄物産展などで購入可能です。

こちらもお土産として戴いたものです。

琉球張子とは、沖縄で作られていた張り子(紙を貼り合わせて作った玩具)です。かつて、旧暦5月4日のユッカヌヒーの日に開催されていた玩具市で売られていました。親が子の健やかな成長と出世を願い、買ってあげた縁起物でもあったそうです。

明治以降、安価で強度も高いセルロイドやブリキの玩具の勢いに押されて衰退し、技術の継承者もいなくなり、現物の多くも戦争で失われてしまったそうです。

そんな伝統の玩具を復活するため、豊永盛人さんは独学で張り子作りを学ぼうと、本土の民芸館や博物館を訪ね、沖縄で実際にユッカヌヒーの日を体験したご年配にお会いしたそうです。

参照−〈玩具ロードワークス〉の琉球張子はユーモラスで愛嬌たっぷり|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

 

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今回紹介するのは、半人半馬のギリシア神話に登場するケンタウルス(ケンタウロス)。おそらく伝統のモチーフではなく、豊永盛人さんオリジナルの作品と思われます。

高さは約9センチ。

中空構造の紙のはりぼてなので、非常に軽量です。ノリで固められているため、強度はかなりあります。手触りは、紙というより陶器のような冷たさを感じます。

 

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VAGのケンタウロス力士とならべて。

中空構造の張り子は、言わばソフビのご先祖様と言えます。

 

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色白でどこかシュールな感じのするケンタウロスです。

なんとも言えないユニークな髪型、ひょうきんな表情。

顔やへそ、手の筆の描画が切り絵のような印象を受けます。

 

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尻尾は毛になっています。

足は、すっとまっすぐになっていて、紙を筒状に丸めたような印象で、全体的に有機的な曲線を描いたスタイルのなかで、ここだけ妙に無機的なのが面白いです。

 

ケンタウロスは、ギリシア人を悩ませた強力な騎馬民族であるスキタイ人を怪物視したものが起源とされています。同じ例は日本にもあり、大和朝廷の支配に逆らう地方の豪族や山賊などを鬼、天狗、土蜘蛛などと称したことと同じです。

見た目のユニークさから突拍子もない発想に思えて、実は民藝のモチーフとして、民芸品のモチーフとして深いところで繋がっていると感じました。

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