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smogbom

蒐集/レビュー/散財。アートトイ,ThreeA,ソフビ,民藝。ウルトラライトハイキング。Giant MR4r。Apple,Mac,iPhone。

X-ミッションの感想(ネタバレあり)

映画 レビュー

https://www.instagram.com/p/BCAgx3MQGej/

友人に誘われて見に行ってきました(自分が見たくて見に行った訳ではない、という予防線である)。

この映画は、普通に駄作です。

アクションシーンは(CGってバレバレだけど)手に汗握るものがありますが、それを繋ぐ脚本は、ティーンエージャーがキャンパスノートに書いたドリーム小説(最後にイラスト付き設定資料集がついてる)のような、恥ずかしいレベルのクソ具合で、本職の人が書いているのかな? と疑ってます。


2016/02/22追記:コメントいただいた件で、この映画はCG使われていないとの事ですが、僕にはCG使われているように見えました。例えば、輸送機から投下された札束や、ウィングスーツで滑空するシーンの背景など。確かにノーCGって映画のPRでも謳ってるんですが、それはスタントマンはCGではなく、生の人間ですよ、と言う意味のように思えました。

 

この映画を調べると、1991年公開の『ハートブルー』という映画を下敷きにしており、それは謎の連続強盗団に潜入捜査した若きFBI捜査官と、犯人との間に生まれた奇妙な友情を描くものでした。また同じような筋書きの『ワイルド・スピード』の撮影監督が絡んでいるため、下敷きのストーリーに意固地になるあまり、映画が正しい(面白い)方向に修正できなかったように思います。

 

個人的には、登場人物はカッコイイし(特にボーディ)、設定に光るものがあるので、アクションシーン以外を全カットしてストーリーを練って撮り直せば、ずっと良くなる気がします。偉そうに批評してるだけだと情けないので、最後にその案を書きます。

 

以下、ネタバレになりますので、気にならない方、映画を見終わって鬱憤が溜まっている方以外は読み進めないようお願いします。

 

 

主人公のユタは自分が誘ったモトクロスバイクのスタント中に友人を亡くします。そして唐突に7年後、彼はFBIに就職しようとします。

ここで登場するFBIは、現実のFBIではなく、「ぼくのかんがえた、すごいそしき」です。例えば、アメリカ以外の国に捜査員を常駐させていたり、犯罪の証拠はつかめないのに潜入捜査先で主人公と女の子とマグワイヤーしてるところはしっかり撮影していたり、結局なんの成果も挙げなかった(むしろ1億ドルの損害を被らせた)主人公を正式採用し、その後追い詰めた犯人のお見送りために嵐の海にヘリを飛ばしたりします。

 

主人公が追う犯罪組織は、エクストリームスポーツの技術で金品を強奪し貧しい人たちにばらまくという行為をします。

主人公は、彼等の真の目的が金品ではなく、既に故人である自然活動家オザキの提唱した8つの試練(大波に乗るとか、崖を素手で登るとか)を達成することによる自然崇拝、啓蒙活動であると考えます(もうわけわからなくなってきただろ……)。

主人公は、既に達成された3つの試練から4つめを予測し、フランスへ向かいます。

そこで出会ったアスリート集団が犯人である、と当たりをつけて、その組織に潜入するのでした。

 

……えーっと、8つの試練のアイディアは、個人的には良かったと思います。お粗末な「FBI」のディテールに比べると、脚本家はケルアックのビート文学にでも傾倒してるのか、痛々しいくらいに綿密に練られていますし、空、山、雪山、海と目まぐるしく展開する場面転換の繋がりがスムーズです。

禅ヒッピー (太陽選書 22)

禅ヒッピー (太陽選書 22)

 

 

この映画の残念な点は、魅力的なアイディアを盛り込む過程で、整合性が破綻しているにもかかわらず、下敷きとなる「謎の連続強盗団に潜入捜査した若きFBI捜査官と、犯人との間に生まれた奇妙な友情を描く」というストーリーを頑なに守ろうとしたことです。別にFBI捜査官に拘らなくてよかったと思います。普通のエクストリーム一般人で良かったはず。

 

以下、僕が考えた無理のなさそうな感じの展開。

 

主人公のユタは自分が誘ったモトクロスバイクのスタント中に友人を亡くす

自暴自棄になり、無茶なスタントを繰り返し、遂にフランスでは大波に飲み込まれ死にそうになるが、アスリート集団のボス「ボーディ」に助けられる。

そこで彼は、「8つの試練」を知り、亡くした友人の魂の救済として試練に挑む。

主人公とボーディと仲間との間で絆が生まれる。

8つの試練は、彼等にとっては自然と一体化して崇拝する行為だが、危険行為に変わりないし、資金を得るため自然破壊する企業を襲撃して金品強奪するなどして、FBIに追われる。

崇高な行為であるはずなのに、同時に罪を犯しているという矛盾。

8つの試練も終盤、主人公は試練の提唱者のオザキの悲劇的な最後を知る。

やがて、主人公はオザキの思想そのままの実現を、ボーディはより過激なテロリズム的な変革を願い、2人は袂を分けたまま、お互いが試練に挑む。

はたして、二人は再び分かり合えるのか!?

 

この映画は、ガチなアクションシーンが描きたかっただけと思うので、この展開でも問題ないと思うのですが、いかがですか。