前回記事:
ご存知のとおり常滑市は、中世の昔に起った日本最古の窯です。同じく日本六古窯の一つである、信楽を抱える滋賀県民として、勝手に親しみを感じていた次第です。
やきもの散歩道を知ったのは、いつだったか憶えていませんが、いつか行きたいなぁと思っていました。機会があれば会いたい人もいて、ダメ元で行ってみよう! と思い、嬉しい事にお会いする事ができました。
やきもの散歩道は、午前と午後の2回に分けて訪れたのですが、一つの記事に繋げてお送りします。
やきもの散歩道の入り口は立派なエントランスがあるわけでもなく、住宅地とごちゃごちゃになっています。
いたるところに、廃業してしまったレンガ作りの窯元があり、廃墟マニアの心もくすぐるシチュエーション。
かつては、200を超える煙突が立ち並び、排煙は空を覆い隠したそうです。
常滑のすずめは煙に燻され黒かった、というエピソードが有名ですが、現地の人から聞いたら、「それ知ってる!」と言わずに、大人な対応をすると良いかも知れません。
常滑焼は、家庭で使う食器や、便器や洗面器などの衛生陶器、タイルなどの他に、かつては土管や側溝などの戦後のインフラ整備には無くてはならないものでした。
当時の好景気に沸きに沸いて発展した窯業ですが、現在も根強く火を絶やさぬ老舗窯元と、廃業した窯元の跡地を若者たちがギャラリーやカフェなどにリノベーションさせた店舗が、混沌と建ち並んでいます。
路地は狭くて脇道だらけで、お店と思って覗いたら、一般住宅だったということもありそうです。
目的地があって探すには骨を折りそうですが、思いもかけない発見を求めて、ふらふら歩くには最高かもしれません。
昔ながらの陶器を売る店やカフェの他にも、陶芸作家さんの工房やアーティストのアトリエもあり、異次元空間感は加速していきます。
先鋭的なアート空間があるかと思えば、どこか心が落ち着く昭和の薫りの漂う店舗。
只者ではない演出を見せるカフェ兼ギャラリー。
あのね、テーブルに錆びて曲がった釘が三本、さり気なく置いてあったりとかするんだぜ? なんか悔しくて写真撮れませんでした。
珍しい工法の橋。
最後にコーヒーで。
素敵な出会いに乾杯。
次回、滝田家編。
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