smogbom

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#読書 命を救った道具たち

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基本的に、僕は服とか本とか道具とかに新品であることに、コダワリを持ちません。よく誰が使ってどんな扱いをしているのか分からないものを、使いたくないといわれる人がいますが、例え新品であっても、人の手が触れないことは無いのですから、リスクとしては同じではないでしょうか。僕は前の人が使った痕跡から、どんな人が使ったのだろう? と妄想するのが好きです。

今回紹介する本は、レアな道具自慢の本ではなく、使い倒した「道具に宿った物語」の本です。

 

◯装丁

ブックオフやマーケットプレイスを利用するようになり、これは購入しようと決めていた本で無い限り、新品で本を買うことは少なくなりました。今回の本は、アウトドア系の本を物色していた時に、思わず手に取ってしまいました。まさしく、装丁の魅力から購入してしまいました。

新聞を思わせる本文レイアウトと書体がイイな、と思いました。

カバーをめくると、銀色一色に文字の部分だけボール紙の本体が抜かれたデザインとなっています。この本の著者は、探検家なのですが、探検という言葉に反して、その実態はリスクマネージメントの徹底である、と本文中で説かれていると僕は思いました。装丁家はきちんとその内容を、この地に足ついた実直なデザインの装丁で表現していると思いました。

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◯内容

冒険家が、長年苦楽を共にし、まさしく生死を分かつ状況で、活かされた道具をピックアップし、そのエピソードを切れ味のよい文体で語っています。僕は自他共に認める道具好きですが、僕のようにちょっと人とは違う道具を手に入れて一人悦に入っているような人間の道具リストとは一線を画した道具が紹介されています。僕もどんどんフィールドに出て、今まで半ば死蔵されていた道具を活用し、僕だけの道具にまつわるエピソードを産んで行きたいと思いました。

あとがきにて、探検の道具とは、命を支える道具であるばかりか、心をも支える道具である、と述べられています。僕もそんな道具に囲まれたいものです。