◯最初に
いままで、僕はTwitterのほうに、読んだ本の一口感想文を載せていたのですが、140文字という文字制限のために、どうしても批判的な評論になってしまうのと、あわせて装丁などのことも書けないのが、心残りでした。
因みに、感想文は例に出すと、こんな感じ。
#読書 …ONTWERP …DESIGN 全6巻セットを見た。洋書で、タイトルすらあっているのかわからない。デザインの本だけれど、なんか甘い感じ。 http://t.co/RdZDvgyj
— スモッグ (@smoglog) 2012年9月15日
#読書 光のタトゥー を読んだ。局部だけを抽出するような細かいトリミングが多用されているが、周りの景観を含めた方が、移ろい行くモノを捉えらるのに適しているのではないか。 http://t.co/mB5CFDNB
— スモッグ (@smoglog) 2012年9月11日
#読書 箱庭図書館 を読んだ。読んでいて、なぜこの順番で話が展開されたのか? を考えた。謎はあとがきで明かされる。少しがっかり。話としては、5番目の話が好きだ。 http://t.co/PMcs2rbh
— スモッグ (@smoglog) 2012年9月11日
#読書 夜は短し歩けよ乙女 を読んだ。僕は、本は読めなくなったら、次の本に手を出し、何かの拍子で昔の本を読み出す乱読の癖がある。昔の本に立ち返る瞬間に本同士の奇妙な縁がある。 http://t.co/pLSNwNv0
— スモッグ (@smoglog) 2012年9月11日
ブログに残すとなると、あまりイイとは思えなかった本の感想を、いちいち一つのエントリーとして残すのもめんどくさいし、読んだ本リストを一元化できないのも嫌でした。
Twitterでは、僕は読んだ本を#(ハッシュダグ)で、#読書とダグ付しています。はてなブログのTwitter通知機能を使うと、記事のタイトルが通知されます。このタイトルに#読書をつければ、いいのではないか、と思いたち、今回、記事にしてみました。
(追記:Twitterで確認したところ、きちんと#になっていました。これは使える!)
今回の本はKAWSの作品集です。
誕生日プレゼントでKAWSのおもちゃを頂いたので、気になって購入しました。どういう作家なのか知りたかったのですが、洋書なのでそういうところはわかりませんでした。
◯装丁
布地の本体に、ビニールのカバーという作り。中の切断された両手の絵は、型押しされた上にシールで貼られています。この手のブックデザインはよく見る、とは言わないけれど、それほど珍しいものではありません。けれど、KAWSというアーティストがもともと、ウォールグラフィティの人である、と考えると相応しい手法と思います。
荒く織られた布地の本体はタイル張りの壁と考えれますし、ビニールのカバーは、本文にあるファッションブランドの広告のガラスのようです。「KAWS」の文字がビニールの裏側から印刷されているため、より空間的な奥行きを感じます。
◯内容
大きく「STREET & ENVIRONMENT」と題された野外の作品と「STUDIO & INSTALLATION」と題された屋内の作品、「PRODUCTS & COLLABORATIONS」と題された、おもちゃやアパレルなどのプロダクトと企業・アーティストとのコラボレーション作品のパートにわかれています。
僕はどちらかと言うと、野外作品のパートが見応えがありました。一番初期の作品と思われるKAWSの文字の作品は壁や電車など、デカくかかれているのですが、バッテン印の骸骨のキャラクターが生まれると、小さな街頭広告に寄生する形になっていきます。その変遷が、アーティストを理解する一つの足がかりになりそうです。
◯僕が思うに
本が洋書なので、本文中の解説やら、対談やらは読めないので、作品の写真から推し量るしかないのですが、思うにウォールグラフィティとは、ギャングチームの縄張りを示すためにやたらと攻撃的だったり、ペインターの技量を見せびらかすためにギラついていたり、巨大だったりするものだと思います。事実、初期の文字の作品は、ビルボード広告や、電車に大きく、威勢よく描かれています。
それが、アパレルブランドの街頭広告に描かれるようになる。そこに描かれるキャラクターは、両目をバッテンにして、弱った顔をしています。この意味は、威勢よくポーズしたモデル達の内面、本当の気持ちを風刺しているのかもしれません。「おいおい、お前ら本当はそんなに強い人間じゃないだろ?」ってね。